誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

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05.森でがんばっています

03.エルフと魔獣狩りにきています。

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「3人で魔獣狩りに行きたい。」

サティの体調が戻ってきたので、リハビリを兼ねて魔獣狩りに行きたいと言い出した。

「それは構わないが、俺はEランクの激よわ冒険者だぞ。たしかサティはCランクだったよな。」
「はい、Cランクになったばかりでしたが、数体のオークであれば仲間と狩れるはずでした。」
「まさか、あそこで10体以上のオークと遭遇するとは思ってなかったんです。」

仲間を失ったことへの悲しみと、仲間を守れなかった怒りが心の中で渦巻いているようだ。

「以前から不思議に思ってました。この森にはオークが多数生息していますが、この木の上で生活しているとそのオークを見ることがありません。」
「ここは、森でもそれなりに奥の方だと認識しています。ですが、この木の周囲にはオークはおろか魔獣が全くいません。」

サティは、木の上の小屋でケガを癒しながら"探査"で魔獣の行動を調べていたらしい。
それで、この木の周りには全く魔獣が現れないので不思議に思っていたようだ。

「まず、この木の周りには魔獣は現れない。それは、この木が持つ御神力が働いているからだ。」
「この森には、この木と同じ種類の木が何本かあるんだが、どの木も同じ御神力を有している。」
「そもそも俺がなんで木の御神力のことが分かるかっていうことについては言えない。」

"女神アルティナ様"から授かった加護のおかげなんだけど、仲間でないサティに加護のことは話せない。

「それと、俺の闘い方だけどすごい特殊なんだ。」

風魔法"フライ"で木の上に移動し、"フライ"で飛びながらオークの死角をついて一撃で狩るのがスタイルだと伝えた。

「えーと、クリス様とはいっしょに戦わないのですか。」

サティが素朴な疑問を投げつけてきた。

「サティとは一緒に戦っているんだけど、詳しいことは秘密なんだ。」
「ちなみにサティはめちゃくちゃ強いから俺なんて全く相手にならいよ。」

まあ、いくら話ても分からないと思うので、実際の魔獣狩りを見てもらうことにした。
サティを背負って風魔法"フライ"と唱えて森の奥へ移動した。
"探査"と唱えてオークの集団を探した。
オークの集団を見つけて近くの木の上にサティを下ろす。
ここで見ていて欲しいとサティを残して別の木へ移動する。
"技切姫"を鞘から抜き、木の下を移動するオーク5体が通りすぎるのを待った。
最後のオークが木の下を通りすぎるのを見計らい、風魔法"フライ"と唱えてオークの死角から一気に近づく。
間もなくオーク5体の首が全て地面に転がり、やがてオークの体が横たわった。
サティのいる木の上に戻り、俺の狩り方につて感想を聞いてみた。

「信じられません。なぜ一撃でオークの首を取ることができるんですか。剣の切れ味がすごいです。」

次にクリスの狩を見てもらうことにした。

「でも、クリス様は来ていませんよね。」

探査で新なオークの集団を見つけて、風魔法"フライ"と唱えて移動する。
当然、サティを背負っての飛行だ。サティの胸が背中にあたるぜ。へへへ。
サティを木の上に残し、今度は、地上に降り立った。
サティからは見えないように木の影に移動して、剣スキル"人化"と唱える。
クリスが人化した。
クリスにオークを狩るように指示を出して、サティのところへ戻った。

「え、クリスさんひとりで戦うんですか。」

心配そうにクリスを見ている。

「まあ、見ていて。オークが来たよ。」

10体ものオークが1列になって木々の間を移動している。
そのオークの前にクリスが立ちはだかった。
オークは、クリスを見つけると剣を鞘から抜き走りはじめた。
クリスを見失った。
視線をオークの列の最後尾に移すと、そこにクリスはいた。
10体のオークは次々と倒れていった。
クリスを見失ってから、オークの最後尾でクリスを見つけるまで2秒もあっただろうか。

「今のは何ですか?」

サティが信じられないと俺に説明を求めてきた。

「俺もクリスの攻撃や移動の瞬間が見えないんだ。」
「とにかくクリスの攻撃は瞬時ではなく瞬間なんだ。」

また、サティを木の上に残して、クリスのところへ移動する。
クリスに労をねぎらう声をかける。

「私は、これくらいで疲れたりしません。」

いつもの冷めた言葉が帰ったきた。
クリスの人化を解除して鞘に納め、サティを背負って木の上の小屋に戻った。
サティは、俺の風魔法"フライ"による狩りもすごいと言っていたが、やはりクリスの狩りは別次元のものに映ったようだ。
俺も最初は、何がおきたのか理解できなかったもんな。
サティは納得できなかったようでいろいろ質問をしてきたが、話せないことばかりなので説明に困ってしまった。

そんな時、"ポロロン"と音が鳴った。
サティが不思議そうな顔をしていた。
俺は、左手にはめた回収の腕環から手紙を取り出た。
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