誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

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05.森でがんばっています

04.エルフが仲間になりました。

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女神アルティナ様からの手紙を読み終え手紙をクリスに渡した。
クリスが手紙を読んでいる最中にサティが話かけてきた。

「今、腕輪から手紙を出されていましたが、その腕環はアイテムボックスなんですか。」
「まあ、そんなものだね。」

クリスが手紙を読み終えたので俺に手紙を返してきた。
俺は少し考えた。サティに話すべきかどうかを。
そして、決心した。

「サティ、俺達はある御方の依頼で仕事をしている。」
「さっきのクリスの狩りについても、そのことが関係しているんだ。」
「これから話すことは他言無用だ。絶対にだ。約束して欲しい。」

そう話すとクリスは頷いた。"女神アルティナ様"からの手紙をサティに渡した。
サティの顔が青ざめた。手紙を読み終わり俺に手紙を返すと同時に、サティはその場に"土下座"をした。

「知らぬこととはいえ、"女神アルティナ様"の"使徒様"だったとは知らずご無礼の数々お許しください。」

あ、そうだった。サティは"女神アルティナ"を"信仰"している信者だった。
サティに"女神アルティナ様"の直筆の手紙を見せたらこうなるよなあ。

「えーと、サティ、顔を上げてくれ。」
「手紙にもあったが、俺とクリスは、"女神アルティナ様"の依頼によりバルデ皇国に向かうことになった。」

「少し長い旅になると思う。サティには、その間ここいてもらっても構わないが、困ったことにここは木の上で下に降りる手段がないんだ。しかも、"ココ"の街までは、歩いて3日はかかる。」

「その間、サティは"ココ"の街に移った方がいいと思う。」

サティに俺達が旅をしている間の衣食住について提案をしてみたが、サティの回答は違っていた。

「お願いします。私を榊様のチームにお加えください。先ほどの狩りを見てわかりました。私が足手まといであることはよくよく理解しております。」
「雑用でも何でもいたします。微力ながら"女神アルティナ様"ならびに"使徒様"である榊様のお力になりたいのです。」

そうか、そこまで言うなら一緒に来てもらうか。俺にも仲間がいれば助けてもらえる時がきっとあるよな。
だいたいにして俺は、サティより格下のEランク冒険者だもんな。
サティはCランクだからな。俺なんてサティの足元にも及ばないんだよ。

「わかった。今日からサティは俺達の仲間だ。」
「"女神アルティナ様"の手紙にも書いてあったけど、日程に多少の余裕があるから3日後にここを出発しようと思う。」
「その間に、サティの仲間の墓参りに行こう。」

サティには、今までの冒険者生活との区切りを付けてもらうために、仲間の墓参りに行くことを提案した。

「はい。ありがとうございます。」
「サティ、仲間になったなら俺のことを"榊様"とは呼ばないで欲しい。せめて"榊さん"くらいがいいかな。」

サティの俺のことを"様"付けで呼ばれるのは、少々つらいので"榊さん"と呼んでもらうように提案した。

「分かりまた。では"榊様"を今より"榊さん"と呼ばせていただきます。」

くー。一段近くなったよ。これからはもっとお近づきになって。へへへ。
クリスがいつもの冷めた顔で俺の顔を凝視している。なんかいつもより視線が冷たい気がするけど。
クリス、ごめんんさい。今、いやらしいことを考えてました。反省します。
サティが仲間になった。神器以外の初めての仲間だ、大切にしよう。
俺は、心にそう決めた。
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