誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

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11.商売を始めました

01.商売を始めました。

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魔獣から"氷魔法Lv2"のスキルを奪った。
へへへ。これで氷を作れば"冷えたエール"が飲めるぜ。
冷蔵庫がないこの世界では、冷たい食べ物はない。冷たい飲み物もない。
食堂でエール(ビール)を注文した時に常温で出てきたのを見て泣いてしまった。
もし、この世界で冷たいビールを出せたら儲けられそうだと思った。
やってみるか。

敷地の一角に冷蔵倉を作る。大工の棟梁に相談してみよう。
大工の棟梁に相談したらあっという間に冷蔵倉ができた。
温度を一定にするために壁をかなりの厚さにしてもらった。
氷魔法で氷の塊を作り、冷蔵倉に積み上げた。
冷蔵倉の中はめちゃくちゃ寒い。
氷が解けてきたら氷魔法で氷を作って補充する。
MPも魔力も豊富なので簡単だ。
エールを市場から樽で購入した。

アイスも作ってみた。
バニラビーンズがないのでバニラアイスは作れなかった。代わりにミルクアイスを作った。
女性陣に試食してもらった。
皆、泣きながら食べていた。大評判だった。

回収の腕輪を通して"女神アルティア様"へミルクアイスを送った。
"美味しいかったです。"と手紙をもらった。
たまに、食事の時にひとり増えていることがある。
"女神アルティナ様"がうちで食事をしたりミルクアイスを食べるのも見慣れた光景になってしまった。



家の前に小さな露店を出してみた。
お昼だけの営業にした。
売り物は、シンプルに冷えたエールとミルクアイスのみだ。

最初は、売れなかった。
皆、冷たい飲み物も食べ物も知らないからね。
それに、冷やす分の手間賃として少し価格を高めにした。
ひとりの男が冷えたエールに興味を持ってくれた。
冷えたエールをひと口飲んだ時はびっくりしていた。
その男は、もう一杯注文した。
それを見ていた別の男がエールを注文した。
後は、お客さんが絶えなかった。

ミルクアイスは、若い女性が注文した。
泣いて食べていた。
少ししたらその女性客が友人を連れてきた。
すぐに行列ができた。
エールもミルクアイスも完売してしまった。

また、大工の棟梁のところへ行った。
カウンターだけの小さなエール屋と小さなミルクアイスのジェラート屋を建てた。
ジェラート屋は昼間のみ。エール屋は夕方から夜の早い時間のみに絞って営業した。
行列ができた。
ジェラート屋とエール屋のために従業員を雇った。
ジェラート屋では、シュークリームもメニューに加えた。
シュークリームは評判が良すぎてひとりで購入できる数を制限した。

エール屋は、エールだけではなく簡単な軽食も出した。
菜園を作る時に行った農場に頼んでハム、ソーセージ、ベーコンを格安で卸してもらった。
それを冷えたエールの"つまみ"として出した。
めちゃくちゃ売れた。

また、大工の棟梁のところへ行った。
ジェラート屋とエール屋の裏に調理場を増築してもらった。
大工の棟梁と大工達には、仕事が終わるたびに冷えたエールを振る舞った。
皆、喜んで冷えたエールを飲んでいた。

飲食ギルドが文句を言ってきた。
飲食ギルドに加盟しないで飲食店をやるのは違法だと言うのだ。
実際は、飲食ギルドに加盟しなくても飲食店をやっている人は大勢いる。
ただし、飲食ギルドが密かにうちの売り上げを見積もった。
かなりの売り上げがあると踏んだらしい。実際そうなんだが。
ということで上前を跳ねるべく文句を言いにきたのだ。
もめるのもいやなので、飲食ギルドに加盟した。

さらに苦情がきた。
俺の家は、大通りから離れているので他の飲食店には影響しないはずなんだが、他の店のエールの売り上げが下がったらしい。
なので、冷えたエールを卸せというのだ。
何を言ってやがる。うちの売り上げは冷たいエールで成り立っているんだ。稼ぎ頭を他店に卸すバカはいない。
それは断った。
どうしても欲しいという店には、少々高額の代金をふっかけた。
ところが、それを了承したのだ。
高級な宿屋や高いレストランは、それでも元が取れるらしい。びっくりだ。
なんか、あっという間に"ココ"の街の名物になってしまった。

敷地が手狭になってきたので隣りの家を買収した。
大工の棟梁にお願いして買収した隣りの家を解体してもらってレストランを建てるのだ。
大工の棟梁に外装や内装の図面を渡した。
この異世界には、大きなガラスを作る技術がないので、店舗用の1枚ガラスが用意できない。
仕方なく、小さなガラスを多数使うことにした。
レストランの中央に石窯を作ってもらった。
そう、"冷えたエール"に合う食べ物と言えば"ピッツァ"だ。
石窯で"ピッツァ"を焼き、アツアツの"ピッツァ"と"冷えたエール"で客の胃袋を鷲掴みするのだ。
レストランで出す"ピッツァ"のトマトソースだけは俺が作ることにした。
"社外秘"だ。

農場からは、ハム、ソーセージ、ベーコン、チーズ、バター、牛乳、野菜を2日に1回づつ配送してもらう契約を行った。
購入する食材もかなりの量になった。

レストランのコック、ウェイトレスには若い女性を多数雇った。
ウェイトレスの制服は、ミニスカートのメイド服にした。
なぜ、ミニスカートのメイド服なのか。それはもう"男のロマン"だからだ。
ウェイトレスが少しかがむとチラチラと下着が見えるのでアンダースコートも制服として着用させた。
完璧です。
レストランは、予約制にして混乱を避けたが、予約がかなり先まで埋まってしまうほど盛況になった。

この異世界に来た目的は、女神様が創造した武具を回収するためだが、だんだん目的が曖昧になってきた。
いかんいかん。
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