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純粋どくだみ茶

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12.仲間が誘拐されました

02.クリスとサティが誘拐されました。(その2)

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夜半過ぎ。灯りが消えた家にドアの鍵をこじ開ける音がする。
ドアの開く音が微かに響く。
灯りが消えた家の屋内に黒ずくめの男数人が入り込む。
部屋の内部を確認しながら目的の女がいる部屋へと向かう。

ひとりの黒ずくめの男が気付いた。
暗い部屋の椅子に誰かが座っている。
それも2人だ。
黒ずくめの男は、短剣を鞘から抜き椅子に座っている人へと近づいた。

男は、あと一歩というところまで近づいた。
だが、そこで力尽きてしまい床へと倒れてた。
仲間が倒れる音に気づき、他の黒ずくめの男も椅子に座る人へと近づいた。
しかし、椅子に座っている人に最も近くにいた黒づくめの男もやはり床へと倒れた。

「あなた達。私を探しているのでしょう。逃げませんからどうぞご自由にしてください。」

「ただし、体に触れることだけは許しません。」

黒づくめの男のひとりがライティングの魔法で周囲を明るく照らした。
言葉を紡ぐ相手を見て愕然とした。
そこで話かけてきたのはターゲットの女だった。
それに椅子に座っているもうひとりはエルフの女だった。

「もう一度、言います。」

「私を探しているのでしょう。逃げませんからどうぞご自由にしてください。」

「ただし、体に触れることだけは許しません。」

黒づくめの男は、椅子に座る2人の女の顔を再度確認した後、仲間同士でも確認して女に言った。

「こちらの指示に従うのであれば、手荒なことはしない。」

「表に馬車がある。それに乗れ。」

2人は黙って家の外にとめてある3台の馬車のうち、2台目の馬車に乗り込んだ。
家で倒れた2人の黒づくめの男は仲間が馬車へと運んだ。
黒づくめの男が女に手枷を嵌めようとした。が、男は馬車の床に倒れ込んだ。男はそれ以後
起き上がることはなかった。
馬車で仲間を待っていた黒づくめの男達は、家へ押し込んだ仲間がどうなったのか知らなかった。
だから誘拐した者へは手枷、足枷を嵌めるのが常であった。
今度は、他の黒ずくめの男が手枷を嵌めようと立ったところで、後ろにいた他の男が言った。

「やめろ。その女に近づくだけで死ぬぞ。家の中で既に2人殺られた。」

「これで3人目だ。お前が4人目になりたいのか。」

黒づくめの男は、しばし無言で立っていたが、手枷を床に置いて男も床に座った。
深夜に"ココ"の街の門は閉じており開くことはないのだが、馬車が門に近づくと静かに門が開いた。
灯りのない門の周りには、黒づくめの男が数人立っており馬車を誘導していた。
馬車は"バーラ"の城塞都市へと向かう真夜中の街道を進んで行った。
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