誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

文字の大きさ
78 / 169
12.仲間が誘拐されました

04.なんて可哀想なダークエルフさん。

しおりを挟む

牢へと通じる通路の先から数人の男とひとりの女が牢に投獄されている2人の女を値踏みしていた。

「あの者が公爵様を亡き者にした輩か。」

女はエルフだが肌は褐色で線は細いがしっかりと引き締まった体躯の持ち主だ。
もちろん胸はバインバイン(死語)だ。
女は、ダークエルフだ。
ダークエルフは、2人が投獄されている奥の牢へと通じる通路を歩き出した。

「いけません。ローゼリーナ様。」

「既に暗部の兵士が20人近く殺されております。」

暗部の兵士は、いつ自身の命が奪われるのかと怯えてクリスとサティが入る牢に近寄ることができなかった。

「ふん。エルフ2人に何を怖がる。」

ダークエルフが牢の前に立ちクリスとサティを見下ろした。

「おい、そこの2人。…お前ら何をしている。」

クリスとサティは、アイテムボックスからお茶とお菓子を出してくつろぎながら談笑していた。
しかも、牢の戸は開いたままだ。
クリスとサティは、声をかけてきたダークエルフの顔に一瞬だけ視線を移したが、興味がないと言わんばかりで談笑を続けた。

「誰が牢の鍵を開けた。なぜ牢の鍵を閉めぬ。」

「お前ら、なぜ牢の中で茶をのんでくつろいでいる。」

牢に投獄されている者がこれほど楽しいそうにくつろいでいる光景を褐色のエルフは見たことがなかった。
あまりの傍若無人ぶりに我慢の限界を超えたダークエルフは、牢から遠く離れた通路の入り口で恐怖する暗部の兵士に向かって怒鳴り散らした。

「おい、この2人に縄を掛けろ。今すぐ拷問を行う。公爵様を無き者にした罪をたっぷりと味合わせてやる。」

暗部の兵士達は、誰も命令をきかなかった。

「…。おい、お前ら私の命令が聞こえないのか。なぜこっちに来ない。」

暗部の兵士は、だれひとりとしてクリスとサティが投獄されている牢へ近づこうとはしなかった。

「臆病者め。私が自ら縄を掛ける。」

ダークエルフは、鍵のかかっていない牢内へと入り腰に帯刀していた鞘からレイピアを抜いた。
レイピアの剣先を楽しそうに談笑しているクリスの面前に振り下ろした瞬間。
レイピアの検身が牢の床に転がっていた。
ダークエルフは、何が起きたのか理解できなかった。
サティは、面前にレイピアを振ったダークエルフの顔をいつにも増して氷のような表情で睨み付けた。

「私の楽しい時間を邪魔しないでね。色黒エルフ。」

ダークエルフは、剣を床に叩きつけた。
そしてクリスの髪に掴みかかろうとした。
が、視界が回転してダークエルフは床に転がり牢の天井を見上げていた。
起き上がろうとしても全く体が動かない。

「威勢のいい色黒エルフは口だけのようね。」

「いいことを思いつた。私達の楽しい談笑のひと時を邪魔した色黒エルフには、口にもできない責め苦を味合わせてやります。」

「そうね。口にもできない責め苦は、私ではなく主様にやっていただきましょう。主様はきっと喜ぶでしょう。私、主様の"し好"がだんだん分かってきたの。」

「それまでは、この色黒エルフに私から素敵なプレゼントを差し上げますね。」

クリスは、ダークエルフが牢内に入る時に持ってきた綱を服の上から"するする"とつむぎはじめた。
あっという間にダークエルフの柔肌に縄が食い込み、胸に縄が食い込み、秘部に縄が食い込んだ。
そう、クリスはダークエルフに"菱縄縛り"を施した。
どこで覚えたのか不明だが難易度の高い技である。
クリスは、縄に責められて顔を赤らめるダークエルフの唇に人差し指を置き、呪文を唱えた。

「これでHPが少しは回復したはずよ。自らが動ける程度、言葉が話せる程度にね。」

クリスは自らが施した縄の芸術に得意げな表情を作った。
サティは、縄に責められるダークエルフを見てつぶやいた。

「クリスさん。どこでこんな芸術を覚えたんですか。こんど私にも縛り方を教えてください。」

クリスは赤ら顔で縄で攻めるという未知の世界に興味深々であった。

「貴様ら…縄を解け。…こんな事をして命があると…思うな。国王陛下の護衛にしてご寵愛を受けるこのローゼリーナ様に…こんな攻め苦を味合わせるなど…う…くう…はあ。」

クリスは、ダークエルフの服の上から縄をつむいだ。
肌に直接縄をつむいだ訳ではないが、なぜか悶え苦しんでいた。

「ローゼリーナさん。時間はたっぷりあるわ。あなたが持ってきた"縄"には、これからたくさんの愛液が染み込むのよ。存分に楽しみなさい。」

サティはローゼリーナの柔肌に食い込む綱を興味深げに見、ときには秘部にあたる縄をわざと引っ張ってローゼリーナが苦しみ表情が赤らむ様をみて自身も欲情していた。

牢の奥から女の悶える声がこだまする。
牢の通路で何もできずに立ち尽くす暗部の兵士達であったが、股間だけは元気に膨らんでいた。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...