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12.仲間が誘拐されました
05.王都へ迎えに行きます。(その1)
しおりを挟む俺達は、クリスとサティを乗せた馬車を空から追っている。
そう、アレスが召喚した"風神"と"雷神"の雲に乗って移動中だ。
まさか"風神"と"雷神"の雲に人が乗れるとは思ってなかった。
知っていたら"バーラ"の城塞都市へ行く時に使っていたんだが後の祭りだ。
"風神"と"雷神"の飛行速度が速すぎて馬車を度々追い越してしまうので、先回りしては村や街で食事をしたり休憩をとったり、皆でちょっとばかり観光にも行った。
2人が誘拐されているのに不謹慎だって?
クリスがいるから大丈夫。下手をしたら黒づくめの男の部隊が全滅している可能性もある。
そっちの方が怖い。
雲の切れ間から王都の城壁が見えてきた。
空を飛ぶと以外と雲が低いところにあるのに驚く。
こんな景色を見ていると雲の上を歩きたくなる衝動駆られる。
面倒事の前の優美なひと時だ。
城壁へと繋がる街道沿いに多数の兵士が見えてきた。
クリスとサティを乗せた馬車は、多数の兵士が並ぶ街道の真ん中を王都の城門へと進んで行く。
街道の両脇には、騎士隊、弓隊、槍隊、盾隊の兵士が整然と並んでいる。
俺達は、兵隊が待つ丘の少し手前に降り立った。
このまま王都に空から降り立つのも悪くはないが、せっかく城外で待っていてくれる兵士に挨拶もなく城内に入っては、入り待ちをしている兵士に悪いだろう。
さて、国王は、俺達と一戦交えたいのかただの示威行動なのか確認してから次の行動に移ることにした。
"探査"で王国軍の数を確認するとその数ざっと5000。
魔族軍は40万もいたのに以外と少なくてガッカリだ。
こちらは、ベティ(火龍)、アレス(召喚の女王)、レディ(隕石の女王)、ミリアーナ(神官)、エリカ(神官兵)と俺の6人だ。
なぜ、国王が送り込んだ連中にクリスとサティの2人をワザと誘拐させたのか。
サティだけだと心細いがクリスだけだと数百人殺しても何とも思わないからだ。なのでサティにはストッパーの役割をお願いした。
そうクリスは神器が人化したもので人ではない。人の形はしているが感情とかがどこか人とは違うのだ。それがよく分かるのが、クリスをナンパする男達を全て半死状態にしているところだ。
人の命をなんとも思っていないところは少し怖い気もするが、俺や仲間には普通に接しているので気にしないことにしている。
ベティに人質役を頼んだ場合、何かの出来事でスキル"龍神の業火"を王都で使われたら街が崩壊してしまう。
アレスだと"一物"を根こそぎ千切られる男が数百を超えそうで怖くてお願いできない。
レディは、ベティと同様でスキル"隕石の雨"を王都で使われたら街が崩壊してしまう。
ミリアーナとエリカは、こういった荒事に慣れていないので危なくて出せない。
なぜかうちの女性陣は、滅茶苦茶な女性ばかりだ。今更ながら怖い。
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