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純粋どくだみ茶

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14.魔王を討伐します

03.魔族と交渉中です。

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俺達は、草原を魔族国の城らしきものがある方向へと向かった。
城の前には、数人の魔族が待っていた。

「お待ちしていました。"勇者"と呼んだ方がよろしいかな。」

城の前で待っていた魔族のひとりがそう言った。

「いえ、俺は"勇者"ではありません。冒険者の"榊"と言います。」

"勇者"ではないと告げると魔族達はざわついた。

「"勇者"ではないのですか。驚きました。"人族"は"魔王"を倒すべくこの国に"勇者"を送ってくると思っていました。」

「しかも、我らの"魔王"様を倒したあの力量。それが"勇者"ではないのですか。」

「あなた方魔族が"セイランド王国"の"バーラ"の城塞都市を攻撃した際に"魔王"が封印されましたが、その"魔王"を封印したのも俺達です。」

「なんと!」

魔族達は再度ざわついた。
魔族は、少し考えた後、こう切り出した。

「魔族といえども全ての者が攻撃的で他国への進攻を望む者ばかりではありません。」

「しかも我々はこの短期間に2人の"魔王"様を失いました。」

「これは魔族国始まって以来の緊急事態です。」

「人族の"セイランド王国"を攻撃したのは魔族の我々です。」

「ですが今、魔族国に"魔王"様を倒した人族がいる。立場が入れ替わりました。"魔族国"が人族から攻撃を受ける番かもしれません。」

「行った事に対する代償を払う時ですかな。」

魔族達は、人族の国を攻撃した代償を払う必要があると考えているようだ。
それが、さらなる"戦争"なのかそれ以外なのか。

「その件についてですが、魔族国の代表の方と交渉を行いたいと思っています。」

「俺達は、魔族国と戦争がしたい訳ではありません。話し合いで済むならそれが最良の策と考えています。」

魔族達は再三ざわついた。

「分かりました。では、城内で話合いの場を設けます。攻撃しないから安心しろと言っても信じてもらえないと思いますが"魔王様"を倒したあなた方を攻撃する気など毛頭ありません。」

俺達は、魔族に案内されて城内に入った。




俺達は、魔族国の臨時代表と名乗る大臣数名との話合いに臨んだ。
本来であれば"セイランド王国"の代表者が出席して話合いを行うのが正しいのだが、こちらも国王と殆どの大臣を失っており国政が機能していない。

俺達からは以下の事項について"セイランド王国"の正式な代表者と交渉を行うよう依頼した。

・転移門を"セイランド王国"の王都城下からの移動。
・"セイランド王国"と魔族国との2国間の戦争による領土の侵害の放棄と国境の画定。
・"セイランド王国"と魔族国との2国間の戦争による領土の侵害の放棄を宣言した条約の締結。
・"セイランド王国"と魔族国の双方にお互いの国の代表者を常時派遣する。(大使館の設置)
・上記の4項目を含む2国間の交渉を両国の代表者が話し合いで解決する。

俺は、魔族国の臨時代表にこう告げた。

「この交渉は、"セイランド王国"と魔族国の2国間の問題を解決するためのものだと思っています。」

「例えば他の人族の国への軍事力による圧力や戦争行為については、当事者同士が交渉を行うべきと考えています。2国間の交渉の場に他国の問題を取り上げて交渉の場をややこしくする気はありません。」

「我々が"人族を代表"している訳でもなく、"セイランド王国"が"人族の国"を代表している訳でもありません。」

転移門については以下の3つの事項を依頼した。
・2国間の交渉がまとまるまで転移門の場所の移動や撤去を行わない。
・2国間の交渉期間中は、両国の代表者以外の往来を禁止する。
・転移門には自国側に守備隊を配置し、転移門いよる軍隊の移動は禁止する。

転移門については、"魔王"の専任事項のため次の"魔王"が選出されるまで移動も撤去もできないらしい。


せっかくなので"魔王"の選出について聞いてみた。

"魔王"は、前任者が不在となると魔族の中から次の"魔王"が誕生する。
"魔王"は、スキルのようなもので前任の"魔王"が不在となると数日のうちに魔族の誰かにスキルとして現れるものらしい。
魔族国には、"魔王"は"ひとり"のみ存在するもので、同時に複数の"魔王"は存在することはない。
実際に誰が"魔王"になるかは分からない。次の"魔王"になる者の資質に左右されるらしい。

つまり、今回の戦争は、好戦的な魔族が2人続けて"魔王"に選ばれたためらしい。
次の"魔王"が"友好的な魔族"あることを切に願うばかりだ。

話し合いは、順調に進んだ。
俺は、交渉事項を"セイランド王国"へ持ち帰り、何としても魔族国と友好関係を結びたいと思っている。
戦争なんかしているより、友好関係にある方がよっぽど良いに決まっているからだ。

そうだ。大事な事がひとつあった。忘れないうちに魔族さんにお願いしておこう。
魔族の臨時代表者にあることをお願いした。
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