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純粋どくだみ茶

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14.魔王を討伐します

10.教会の行く末。(その4)

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俺は、ある提案を手紙に書いて回収の腕輪に送った。
間もなくして手紙の返事が届いた。

「はい、よろこんで。」

とだけ記されていた。



その頃には、街や兵士の救護所に向かって助かった神官や神官兵が教会に戻ってきた。
皆、ボロボロだった。
既にMPが底をついてしまい自身のケガさえも治療することが困難なものばかりだった。
神官が交代でケガをした神官や神官兵の治療にあたった。

教会の奥の部屋で交代で食事をとることにした。
メニューは、先ほど避難していた住民に出した野菜スープと焼きたてパン。それと少し小さいがオムライスを出した。
全て"ココ"の街のレストランのシェフ達が作ってくれたものだ。
彼らには感謝しないとな。

席に座るときに中央の1席だけ開けてもらった。
料理を配り終えて、女神様への祈りを行う時になり、目の前にいつもの光景がお目見えした。

"女神アルティナ様"が中央の席に座っていた。

誰もその存在に気が付くものはいない。
"女神アルティナ様"がそうしているのだ。
誰も気付かないので、俺が"女神アルティナ様"に声をかけた。

「"女神アルティナ様"、本日はご慈悲を賜り、皆の前にご降臨いただき誠に感謝の言葉もありません。」

俺が話す相手を見て、皆が初めて"女神アルティナ様"の存在を認識した。
皆が一斉に椅子から立ち上がり床にひれ伏した。

「神官、神官見習いならびに神官兵のみなさん。苦難の日を迎えて大変困難な状況の中、皆さんが尽くしてくれたおかげで多くの住民が救われました。心からの感謝を捧げたいと思います。」

誰も頭を上げなかった。
ミリアーナとエリカが"女神アルティナ様"の前へ移り、片膝を付き頭を垂れて礼を述べた。

「"女神アルティナ様"、このような場所へご降臨いただきまことに感謝の言葉もありません。本日は、多数の住民と神官が命を落としましたが、それもまた運命です。」

「こうして生き残った者は、死んだ者達への祈りを捧げ、生きる者達への明日への糧となるよう精一杯努力する所存です。」

「本日は、このような場所にご降臨いただき誠にありがとうございました。」

「さあ、皆さん。本物の"女神アルティナ様"が目の前にいらしゃっいます。」

「一緒に食事ができることなどおそらく人生に一度あるかどうかです。」

「存分に楽しんでください。」

床に土下座をしていた神官や神官塀が恐る恐る席に戻り食事を始めた。
"女神アルティナ様"は、にこやかな表情で神官達との会話を楽しんでいた。


「榊さんお話があります。」

ミリアーナとエリカが真面目な顔で話しかけてきた。

「私は、教会の司教様の命令で榊さんを懐柔して教会に連れてくるようにと言われていました。」

「私は、ミリアーナ様が命令を反故にしないか監視と見知った情報を教会へ伝える役を仰せ使っていました。」

「しかし、榊さんのところへ"女神アルティナ様"が度々ご降臨されて、そこでの会話から今の教会の行いに疑問を持ってしまいました。」

「そして今日の出来事です。」

「本来なら現場の指揮を行う神官長様も司祭様も早々に逃げてしまいました。」

「この教会は誰のための教会なのか分からなくなりました。」

「私は、今をもって司祭様からの命令を反故にすることにしました。」

「そして、教会を立て直すために全身全霊を持って邁進する所存です。」

ミリアーナとエリカは、教会の立て直しをすることにしたようだ。

「ちなみに、ミリアーナとエリカが教会からの命令で俺達のチーム入ったのは始めから知っていたよ。」

「しかも懐柔させるために"女の武器"を使ってもよいという話も知ってた。」

その事を聞かされてミリアーナは、顔を真っ赤にしていた。

「いやー。ミリアーナさんがいつ俺のベットに来てくれるのかと待っていたのに一向に来ないので辛抱するのが大変だったんだから。」

するとミリアーナさんから俺の頬にビンタが飛んできた。

「全て知っていたんですね。悩んで悩んで大変な思いをしていたのに。榊さん大嫌いです。」

ミリアーナさんは、怒って礼拝堂に行ってしまった。
まあ、別れにはこれくらいが丁度いいかな。

「エリカさん。これから教会の再建が大変だと思いますが、ミリアーナさんを助けてあげてください。」

「了解です。リーダー。」

そう言うと、エリカは俺の唇に唇を重ねてきた。

エリカは、少し赤くなった顔でウィンクをして礼拝堂に行ってしまったミリアーナを追っていった。
さて、転移門を守っているベティとアレスと交代するか。
クリスを伴って転移門に向かった。

王都城下は、壊れた家、焼けた家が無数に立ち並んでいたが、夜の星々はそんなことなどお構いなしに綺麗に瞬いていた。
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