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純粋どくだみ茶

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18.火龍の神殿

09.龍神。

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ベティの体調が思わしくない。
ここ何日か寝込んでしまい、火龍の神殿には行っていなかった。
食いしん坊のベティが飯を食べないのだ。ベティが飯を食べないなど余程体調が悪いとしか思えない。

回復魔法をかけてみたが体調は戻らなかった。
ベティは、頭が痛いと訴えていたので、髪をかき分けて見てみると、頭の上に小さなこぶらしき
ものができていた。

あれ、この頭のこぶを最近見た記憶があるぞ。
ああ。水神様の頭にあったあれだ。
しかし、水神様の頭にはもっと立派なものが生えていた。
俺は、水神様の角を掴んでしまい"求婚するのか"と怒られてしまったが。

気になったので、体調がよくなった頃を見計らってベティを連れて水神様のところへ向かった。
実は、水神様の神殿に向かう参道から路地裏に入った小道に小さなピッツァ屋を開店した。
その店に食材を運ぶために転移石を置いてあるので水神様の神殿へはいつでも行けるのだ。

「それで、今日来た理由は"火龍の頭にできたこぶが何か知っているか"だったな。」

俺は、ベティの体調について水神様に説明を行った。
水神様は、前回、街中で出会った時のような子供の姿でなく、色気を振りまく大人の女性の姿をしていた。
その後、水神様の質問に答えるべく知っていることを全て話始めた。

「火龍は、エルネス王国の火龍の神殿で"認証の珠"に触れて無事認証されたのだな。」

「はい、珠の中で炎が燃え盛っていました。」

俺は、目の前で起きた認証の珠の光景を話した。

「以前、人族を守るために魔族国の魔獣や魔族と戦ったのだな。それも万を超える数と。」

「はい、そうです。」

魔族国との戦争でベティが魔獣を葬った話もした。

「しかも龍神でなければ使えないはずの"龍神の業火"を既に何度も使っていると。」

水神様は、龍神でなければ使えないスキルを龍神になる前から使用していたベティに呆れていた。

「そして今は、火龍の神殿で信徒に崇められていると。」

「はい、エルネス王国の村々を回って魔獣討伐を行っていたそうですが、それが人々の心を動かしたようで、今は神殿に信徒さんや観光客が列を作って参拝に訪れているようです。」

火龍神殿の現状も話した。

「ふむふむ。なるほどな。」

水神様は、もうベティの体調が悪い理由が分かったようだ。

「わしも以前、この火龍と同じ症状になったことがあっての、今から500年ほど前じゃ。」

「つまりじゃ、そこの火龍は"龍"から"龍神"に昇華したのじゃ。」

「そのうち、わしの頭にあるような立派な角が生えてくるぞ。」

「そこの火龍は、龍神になるために必要な道を全て通ったのじゃ。」

「しかし、龍の歳で104歳で龍神とはな。龍が龍神になるには、かなり険しい道のりのはずなのじゃが。わしですら龍神になれたのは300歳を超えてからじゃったぞ。」

「その歳で龍神になる条件を全て満たすとは。」

水神様は、ベティの龍神への道のりがあまりに早すぎると呆れていた。

「火龍よ。本来なら水龍であるわしがおぬしと懇意にすることなどありえぬのだがな。」

水神様は、少し考えていたがベティの顔を覗き込んで何かを決心したようだ。

「仕方ない、榊殿の仲間であるお前に龍神のなんたるかを教えてやる。じゃから毎週わしのところに来るのだ。」

「ただし、手土産は忘れるでないぞ。」

水神様は、ベティに龍神の心得を教えてくれるというのだ。こういう時に面倒を見てくれる大先輩の存在はとてもありがたい。

「よろしいのですか水神。」

ベティは、いつもの調子で水神様に返答した。

「バカ者。水神様じゃ。わしは龍神の先輩じゃ"様"を付けぬか。」

「しっ、失礼しました。水神様。」

やっぱり水神様に怒られてしまったか。
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