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純粋どくだみ茶

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18.火龍の神殿

17.幼生の狩り

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今日は、神殿からいくつかの山を越えた森の中にいる。
ベティは、森に火龍の幼生のレアとディオネを連れて来た。

理由は、火龍の幼生のレアとディオネに初めての魔獣狩りをさせるためだ。
まだ、魔獣と闘うには早い感じもするが物は試しという訳だ。
龍として生まれたらそこから魔獣と闘う宿命なので、それを考えると逆に遅いとも思える。

以前、この辺りを飛んだ時にゴブリンが数体歩いているのを見かけたので、レアとディオネの初の狩りに丁度よい狩場だとベティは考えていた。

「レアとディオネには、狩りの初歩を教えてはみたが、こやつらが分かったとは思えん。だめならわしが手を貸すのじゃ。」

「まずは"おねーちゃん"がやってみせるからの。よーく見ておるのじゃ。」

ベティは、人化したままの姿で狩りを行った。
森の中で火龍に変身すると身動きが取れなくなるのと、火龍の姿を見た瞬間にゴブリンが逃げてしまうからだ。

探査でゴブリンを探す。

おっ。いたいた。

ディオネは頭の上、レアは、左肩の上に乗っていた。
ベティは、わざと警戒をせずに歩いた。そのため森の中に足音がよく響いた。
ゴブリンもベティの足音に気が付いたようで、2体のゴブリンがこちらに向かってきた。

2体のゴブリンは、手に剣を持っているが、ろくに手入れもされていない剣でベティを威嚇していた。
レアとディオネは、周囲の雰囲気を読んだのか、小さな羽で空を飛びはじめた。
身軽になったベティは、ゴブリン向かって早歩きで進み出ると"覇者の槍"の"柄"でゴブリンの頭を叩いた。

"ゴン"

「ギャ。」

ゴブリンが簡単に倒れた。ベティの力量と比べてしまうとゴブリンは最弱だった。
もう1体のゴブリンが警戒している。

「逃げるでないぞ、お前達は、レアとディオネの狩りの練習台になってもらうのだ。」

ゴブリンが剣を振りながら後ずさりし始めた。

「こやつ逃げる気だな。」

一気に間合いを詰めてゴブリンの頭に"覇者の槍"の"柄"を叩き込む。

"ゴン"

「ブヘ。」

ベティは、ゴブリンを2体確保した。

「レアとディオネ。お前達は、ゴブリンを相手に闘うのじゃ。その偉そうなブレスを吐いてみよ。」

端から見たら残酷に思えるかもしれないが、狩りをして生きている以上、絶対に経験しなければならない大切な事なのだ。
1体のゴブリンが起き上がった。
レアがゴブリンに向かってブレスは吐いた。
ブレスは小さいが、ゴブリンの上半身が焼け始めた。
ゴブリンが火だるまになって暴れたがやがて動かなくなった。

もう1体のゴブリンも起き上がった。
ゴブリンは、近くに転がっていた剣を手に取りディオネへと向かってきた。
ディオネがブレスを吐くが、ゴブリンにかわされてしまった。
ゴブリンもディオネへ剣を振ったが、飛んでいるディオネには全く当たらない。

ディオネがゴブリンに向かって再度ブレスを吐いた。
ゴブリンの首から上が燃え上がった。
ゴブリンは、剣を四方八方に振っていたが、やがて地面に倒れて動かなくなった。

「まずは、こんなものか。レア、ディオネ、よくやった。」

ベティは、レアとディオネに初めての狩りが成功したことを褒め称えた。
その後、ゴブリン数体をレアとディオネに狩らせて経験を積ませた。

「火龍といえど、こうやって弱いゴブリンから相手をさせないと簡単に死んでしまうからの。」



そろそろ帰ろうかと思った頃、目の前に1体のオークが現れた。

「丁度よい、おまえらこのオークを狩ってみせるのじゃ。」

レアとディオネは、オークの正面へと向かった。

「バカもの、わざわざ上面から闘おうとするでない。」

「飛べることを生かして上から行くのじゃ。」

レアとディオネは、オークから距離を取ってオークの頭上に回り込んだ。
レアとディオネは、同時にブレスを吐いた。
オークの頭は、あっという間に火だるまになった。
しかし、巨体だけあってなかなか倒れない。

オークは、森の木々の間をよろめきながら逃げようとしたが、レアとディオネが、オークの背中に向かって一斉にブレスを吐いたため、全身が火だるまになって地面に倒れていった。

「おっ。初陣でオークを倒すとは殊勝じゃ。」

ベティの元へレアとディオネが帰ってきた。

「よくやった。ただな、魔獣と人族を間違ってはいかんぞ。」

「くれぐれも人族は襲うな。」

「どんな魔獣にも勝てるようになるには、あと何年かかるかの。わしは、運よく生き残ったからこうやってお前達に狩りを教えられる立場になったがの。お前らも早く一人前の龍になるんじゃ。」

レアとディオネの初めての魔獣狩りは無事に終わった。
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