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とろける琥珀と石油王
ルイのお仕置き*
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ルイは着替えを終えたユーシーを連れてタクシーでホテルへ向かった。覚えのあるホテルは、ルイと過ごしたあのホテルだった。
「泊まるの?」
「うん。帰りは明日の昼の飛行機を取ってあるから」
「そっか」
またここへやってくる日が来るなんて思わなかった。手続きを終えて乗り込んだエレベーターにも覚えがある。
ルイはユーシーの手を引いて部屋までエスコートしてくれた。まだあれから半年も経っていないのに、随分と昔のことのように思えた。
部屋に着くなり、ルイはユーシーを抱きしめた。
「ユーシー。うぅ、会いたかった。ユーシー、愛してる」
振り回すしっぽが見えそうなくらい、ルイはユーシーを抱きしめ、擦り寄る。本当に大きな犬みたいで、ユーシーは思わず頬を緩めた。
「ふふ、甘えん坊だな」
「ユーシー、してもいい?」
「いいよ」
「嬉しい。たくさん愛させて、ユーシー」
「あ、ふ」
ルイの唇は額、瞼、頬に触れ鼻先に触れ、唇を食む。こんなに性急に求められるのは初めてだった。ルイはいつも、優しくゆっくりとユーシーに触れるのに。
「ユーシー、すきだよ」
唇を味わい、舌を絡める動きにルイの必死さが伝わってきて、なんだかもう全部許してしまってもいい気がした。
吐息が混ざり合う距離、濡れた唇同士が触れ合いそうな距離で、ユーシーは言葉を紡ぐ。
「ふふ、ルイ、なぁ、フェラさせて」
「してくれるの?」
ルイの温かな手はユーシーの頬を包んで簡単には離しそうになかった。
「ん」
ユーシーは頷く。仲直りだ。あてつけみたいにレイとジンとしてしまったけれど、今はもうルイのことしか考えられなかった。
「シャワー、浴びたらね。お風呂に行こうか」
見上げるユーシーの頭を、ルイは優しく撫でてくれた。
ガラス張りのシャワールームで身体を洗った後、ユーシーはルイの前に膝をつき、そのままルイの猛りを口に含んだ。
「ん、む、はぁ」
「上手だよ、ユーシー」
「はぁ、顎、外れそ」
口でするのも久しぶりだ。硬く反り返るルイの猛りはユーシーの口だけでは収まりきらず、喉奥まで使わなければならなかった。
「ユーシー、上手だね。ジンとレイさんにもした?」
「ん」
ユーシーは小さく頷く。今更誤魔化すつもりもない。お仕置きされるならそれでも構わなかった。今はとにかく、ルイに触れていたかった。
「そっか」
頭を動かして出し入れするたびに喉がひくつく。
「いきそう。出していい?」
ユーシーは返事の代わりに見上げていた目を伏せる。
「ふふ、ユーシーの口、狭くて、熱くて、気持ちいいよ」
ルイは大きな手でユーシーを撫でてくれた。
「出すよ、ユーシー」
ごぽ、と音を立てて出されたルイの熱い精液を、ユーシーは受け止め、飲み込んだ。何度も脈打って放たれたルイの熱い白濁が、腹の中へと落ちていくのがわかる。
ユーシーは夢中で受け止めた。ルイがくれるものはぜんぶ欲しかった。そんなユーシーの髪を、ルイの手が優しく撫でてくれた。
吐精が落ち着いたところで、ルイはユーシーの喉から猛りを引き抜く。
咳き込むユーシーの背を撫でて、ルイはユーシーに口づけを落とした。
「上手だったよ、ユーシー」
ユーシーを見下ろす笑みは、よく知っている笑みだった。
「ルイ、早く、入れて」
「ふふ、待って、お尻、準備しないと」
ルイは大理石の床に座り込んでユーシーを抱き寄せる。シャワールームの隅に座り込んだルイは、ユーシーの痩せた尻をその大きな手で包むように掴んだ。
「ん、いい、って」
支度なんてもうしてある。だからすぐにでも繋がれるのに。
「ねえユーシー、お尻、柔らかいよ?」
わかっているだろうに、ルイの甘やかな声が耳元に響く。ルイはユーシーの痩せた尻肉を割り開き、長い指ですっかり解けた蕾を撫でる。
「ん、レイさんと、した、から」
「ジンとは?」
「ジンも」
確かめるようなルイの声に、ユーシーは淡々と答える。
「ユーシー、僕とだけ、してって言ったよね?」
ルイの元へ行くと決めたときにルイとした約束だ。もちろん忘れたわけではない。
「ん」
ユーシーはルイを見上げる。目いっぱい煽ってやる腹づもりだった。
「お仕置き、しろよ」
ユーシーの中で入り混じる期待と不安が、琥珀色の瞳に映っていた。それを受け止め、ルイは澄んだアイスブルーを細める。
「悪い子だね、ユーシー」
ルイの低い囁きに、背筋が痺れるようだった。手ひどく躾けられるのなら、それでも良かった。
「レイさんに中で出されたの?」
「ん、あ、いっぱい、出された」
ルイの指が、無遠慮に蕾へと捩じ込まれる。そのまま指を引っかけるようにして蕾を拡げられた。
中からは、ユーシーの温度に馴染んだ白濁が垂れ落ちてくる。
「ほんとだ、溢れてくるよ、レイさんの」
「っあ、だめ、やだ、ぁ」
ユーシーは駄々を捏ねる子供のように声を上げる。腹から熱いものが出ていってしまうのが寂しかった。
「どうして? 僕以外のザーメン、要らないでしょ?」
ルイの低い声が耳元に吹き込まれる。ユーシーは子どもみたいにイヤイヤと首を横に振る。
「っあ、やだ、なか、寂しい」
「中に欲しい?」
「ん、欲しい、出して、ルイ」
「いいよ、溢れるまで出してあげる」
薄暗い欲を孕んだルイの声は、ユーシーの頭の芯まで痺れさせた。
「あ、う」
「愛してるよユーシー」
食われるような深く荒いキスに、ユーシーは酔いしれる。
「ベッドへ行こうか」
ユーシーはルイの声に頷くだけだった。
「んあ、やら、なん、れ」
ユーシーはすっかりとろけた声を上げる。背中に触れるシーツには体温が馴染み、うっすらと滲む汗で湿っていた。だらしなく開かれた脚の間、ユーシーの蕾はルイを深々と飲み込んでいた。
「お仕置きだって言ったよね」
ルイの静かな声が降ってくる。ルイに中を埋められているのに、ルイは緩やかに腰を揺らすばかりで、決定的な快感にならない。いつもならねだればユーシーの願いを叶えてくれるのに、今日は違った。
「んうぅ、るい」
ルイは平気なのだろうか。ユーシーはもう揺さぶられたくて仕方ないのに。ユーシーが見上げたアイスブルーはどこか楽しげにユーシーを見下ろしていた。
「腰が揺れてるよ、ユーシー」
「だって、こんなの」
お仕置きというには、あまりに甘く優しい時間だが、これをお仕置きと言うのなら、ルイは相当怒っているのだろう。
こんなの生殺しだと思う。
やはり怒っているのだろうか。約束を破ったのは自分だ。罰は甘んじて受けるつもりだが、これはいけない。決定的な快感は与えられず、緩やかな熱がユーシーを冒し、腹では快感が暴れていた。
「なあ、もっと。ルイ、動いて。ぐちゃぐちゃにして。俺、ずっとルイとしたかった」
ユーシーが漏らしたのは、素直な言葉だった。ずっとしたかった。ちゃんと言えなくて、ユーシーはずっと胸の奥に押し込めていた。
吐き出してしまうと、胸の奥が軽くなった。
「ユーシー」
ルイが微笑む。眉を下げたその笑みは、いつものルイだった。
「ごめんね、意地悪しちゃった」
「俺もごめん。もう、ルイとしかしない」
「ふふ、嬉しい」
見えたルイの笑みは、もういつもの柔らかな笑顔だった。
「仲直りしようか、ユーシー」
「ん」
どちらからとなく顔を寄せて、唇が重なる。触れるだけの口づけは、秘めやかな音を立てて終わった。
「動くね、ユーシー。掴まって」
ルイの手がユーシーの手を取り、首元へと導く。ユーシーはしっかりとしがみついた。ルイの身体の下に隠すみたいに閉じ込められる。ユーシーはルイの独占欲がちらつくこの体勢が好きだった。
ルイの動きは、今までになく荒々しいものだった。ユーシーにその形を教え込むような力強い律動は、浅瀬から奥まで、余さず擦って前立腺を弾いて、奥の襞を叩いた。
シーツに押し付けられたユーシーは、ようやく与えられた快感に甘く啼いた。
「っは、ぅあ、るい、るい」
「ユーシー、気持ちいい?」
ユーシーは何度も頷いた。待ち望んだ、ルイに与えられる快感は、頭の芯までユーシーを浸していく。
「ふふ、中、喜んでる」
「るい」
「ユーシー、かわいい」
「るい、すき」
「僕も、大好きだよ、ユーシー」
ユーシーの奥の窄まりが、叩かれるたびにルイに吸い付く。奥にほしい。ユーシーはもう、奥で味わう快感を知っている。
「ルイ、奥、きて」
荒い吐息混じりに、ユーシーはルイを誘う。
「ここ、入っていいの?」
「ん、いい、はい、れよ」
素っ気ないのに欲しがりなユーシーの言葉に、ルイは笑うと無遠慮に腰を叩きつける。
容赦の無いストロークの大きなピストンで、ルイはユーシーの最奥を叩く。誰のものか教えるような、獣じみた律動だった。
「はは、吸い付いてくる」
ユーシーの奥はルイに容赦なく打ち据えられる。
何度も叩かれ緩んだ最奥に、ルイの先端がはまった。
ユーシーの喉が高く鳴って、熱い迸りが腹を濡らした。
「っふ、ユーシー、わかる?」
ルイに小刻みに揺すられ、飛びかけた意識は中を擦られ生まれる快感に引き戻される。
ぐぽ、ぐぽ、と奥の襞を何度も捲り上げるルイの猛りに最奥をいじめられ、ユーシーは快感の波に呑まれた。
「出すよ、ユーシー」
ユーシーは頷く。早く中に熱いものを注がれたかった。
ルイが腰を押し付け、身体がより深く繋がる。ユーシーは腹の奥を押し上げられて小さく啼いた。
ルイが息を詰め、奥にどぷどぷと熱い白濁が放たれる。熱いものが柔い粘膜を打つのを、ルイが脈打つのを感じて、ユーシーの内に湧くのは喜びだった。
心も身体も満たされていく。
吐き出した白濁を塗り込むように、ルイがゆっくりと腰を揺らす。
うねるユーシーの中としゃぶりつく最奥で、ルイはすぐに芯を持った。
「っあ、また、おっきく」
「ユーシーの中が離してくれないから」
ルイの甘い声に、ユーシーの肌は羞恥に染まる。不可抗力だ。ルイもそんなのわかっているのに。
ルイはゆったりとユーシーを突き上げた。
「きもちい、なか、ぁ、ぐちゃぐちゃ、なって」
「ふ、そうだね、ユーシーの中、僕のザーメンでぐちゃぐちゃになってる」
「うあ、るい」
ルイが動くたびに、じゅぽ、と音がする。既に何度も中に出され、繋がった場所は泡立った精液で汚れていた。
逞しいルイのペニスが、ゆったりとユーシーの最奥を突く。ルイの精液が満ちたユーシーの腹を、ルイの猛りが掻き回す。
「ん、うねって、そんなに締めたら、すぐいっちゃいそうだ」
うねる中で、ぐじゅぐじゅと白濁が掻き回される。
「ふふ、ほら、ユーシー、奥に出すよ」
「ん、う、出して」
甘えるように吸い付く最奥を優しくねっとりと捏ねながら、ルイは誘われるままに白濁を放つ。
ユーシーはそれにすら感じて、中を震わせ、達した。
「るい、るい、いって」
ユーシーは吐精せずに絶頂を迎えた。
「ふふ、きゅんきゅんしてる、中だけでいってるの?」
ルイの指先がユーシーのひくつく薄い腹を撫でる。
「ん、いって、ぅ」
「はは、溢れてきちゃった」
「るい、うれし」
「あぁ、ふふ、止まらないね、僕も嬉しいよ、ユーシー」
ルイがゆったりと腰を回す度、ユーシーの身体は鋭く跳ねる。腰がガクガクと揺れ、勃ち上がった性器が腰の動きに合わせて揺れ、不規則にぷしゃ、と潮を吹いた。
「るい、るい」
譫言のように繰り返すユーシーの髪を、ルイの手が撫でてくれる。
「かわいいよ、ユーシー。もう、どこにも行かないで」
「ん、いかね、から、いっぱい、愛して」
ルイの答えの代わりに落ちてきた口づけを、ユーシーは夢中で受け止めた。
いつのまにか夜が明けていた。部屋はすでにうっすらと明るい。
ユーシーが目を覚ましたのは、ルイの腕の中だった。ルイはユーシーを抱きしめて眠っている。
まだ目覚める様子のないルイを見て、ユーシーは昨夜ルイにたくさん愛されたことを思い出した。最近構ってもらえなかった分まで愛情を注がれて、ユーシーは満たされた気分だった。
まだ尻にはルイが入っているような気がする。思い出すだけで昨夜の熱が蘇って腹が甘く疼いた。
ユーシーは目の前にあるルイの鎖骨の辺りをちゅうちゅうと吸って赤い跡をつけた。昨日はルイが欲しくて、こんな触れ合いをしている余裕などなかった。
ユーシーは布団に潜り、萎えてなお大きさのあるルイの性器を揉み、口に含む。先端から、根元へ、喉を開いて、奥まで咥え込んだ。萎れても大きな性器は、ユーシーの口の中で徐々に膨らんでいく。
ユーシーは昨夜散々腹の中を掻き回したルイの性器に唾液を絡めて頬張る。粘膜と舌で愛撫すると、ルイのものは緩く芯を持った。
「おはよう、ユーシー」
不意に聞こえたルイの声にユーシーは口を離して声の主を見上げる。
「おはよ」
ユーシーの視線の先には、優しい笑みで布団の中を覗き込むルイが見えた。
「ふふ、お腹減ったの?」
ルイの大きな手が、慈しむようにユーシーの髪を撫でていく。
「ルイのザーメン飲ませて」
ユーシーが物欲しげに吸い上げると、ルイはユーシーの頭をもう一度撫でた。
「昨日いっぱいのませちゃったからでるかな」
ユーシーはすっかり張り詰めた先端を口に含み、裂け目を舌先でくすぐるとルイがアイスブルーを細める。
「頑張るね。いっぱい飲んで」
ルイはユーシーの動きに合わせて緩く腰を揺すり、芯を持った猛りでユーシーの口の中を擦る。
「んむ」
ルイの性器はすっかり張り詰めて、ユーシーの舌の上で跳ねる。
「ふふ、上手だね、ユーシー」
ルイの嬉しそうな声に、ユーシーも頬を緩めた。
溢れる唾液をたっぷりと絡めて、舌で幹を擦って。舌に感じるルイの反応に煽られ、ユーシーは夢中で頭を動かす。
「いきそう。出していい?」
ルイの甘やかなお伺いに、ユーシーは頷いてみせる。
ユーシーの舌の上でルイが脈打ち、熱いものが放たれる。生臭くて苦くて熱い、ルイの白濁を受け止め、ユーシーは迷わず飲み込む。
「んぷ、はあ」
満足したユーシーが口を離すと、ルイが労うみたいに頭を撫でてくれた。
「帰ろうか、ユーシー」
「ん。アダムにお土産買わねーと」
「そうだね。朝ごはんを食べたら、少し買い物に行こうか」
ユーシーは頷く。ルイにたくさん満たされて、わがままを聞いてもらって。すっかりルイに絆されている自分に気付いたが、それも悪くないと思えた。
ルイの大きな手のひらがユーシーの頬を撫でる。愛をくれるルイの温かな手に、ユーシーは甘えるみたいに擦り寄った。
それから。ルイとともにフランスに戻ったユーシーは、ルイの部屋に入り浸ることが増えた。
ある日のルイの執務室。デスクの下に潜り込んだユーシーは、ワーキングチェアに掛けたルイの下腹に顔を埋めて奉仕していた。
「ユーシー、苦しくない?」
「うん」
「してみたかったけど、これは、刺激が強いな」
ユーシーの黒い絹のような髪を、ルイが撫でていく。
「会議中じゃなかったら、いつでもおいで」
「んむ、会議中は、だめ?」
ルイの先端を舌先でくすぐりながら、ユーシーはルイを見上げる。
「会議に支障が出そう」
ユーシーの琥珀色の瞳に映るルイの困った顔は新鮮で、なんだか愛おしく思えた。
「じゃあいいよ。それ以外にする」
「ふふ、いい子。そろそろいきそうだ。飲んでくれる?」
「ん」
ユーシーはルイの猛りを深々と咥え込み、奉仕する。リズミカルに頭を動かして、喉奥まで使ってルイを頂へと導く。
ルイが息を詰めて、ユーシーの口の中で熱が爆ぜる。舌に打ち付けるのは熱いルイの欲望だ。ユーシーは一滴も零さずそれを受け止め、喉を鳴らして飲み込んだ。
ユーシーが口を離すと、唇から先端へ、銀の糸が橋をかけた。
白く汚れたユーシーの唇を、ルイの指先が拭う。
「ユーシー、おいで」
ルイはユーシーを膝の上に引き上げた。ルイの膝の上に乗せられて、ユーシーはルイと鼻先を突き合わせる。
「ユーシー、愛してるよ。ずっと僕のそばにいてね」
そっと額を合わせ、ルイはユーシーの唇を啄む。
「ルイのザーメン飲んだところなのに」
「嫌?」
「ルイがいいなら、いいよ」
ふたりは微笑み合う。外の寒さなど感じさせない温かな部屋で交わされるのは、恋人同士の睦言だ。
ユーシーがまだ知らないルイの本当を知ることになるのは、もう少しだけ先のことだった。
「泊まるの?」
「うん。帰りは明日の昼の飛行機を取ってあるから」
「そっか」
またここへやってくる日が来るなんて思わなかった。手続きを終えて乗り込んだエレベーターにも覚えがある。
ルイはユーシーの手を引いて部屋までエスコートしてくれた。まだあれから半年も経っていないのに、随分と昔のことのように思えた。
部屋に着くなり、ルイはユーシーを抱きしめた。
「ユーシー。うぅ、会いたかった。ユーシー、愛してる」
振り回すしっぽが見えそうなくらい、ルイはユーシーを抱きしめ、擦り寄る。本当に大きな犬みたいで、ユーシーは思わず頬を緩めた。
「ふふ、甘えん坊だな」
「ユーシー、してもいい?」
「いいよ」
「嬉しい。たくさん愛させて、ユーシー」
「あ、ふ」
ルイの唇は額、瞼、頬に触れ鼻先に触れ、唇を食む。こんなに性急に求められるのは初めてだった。ルイはいつも、優しくゆっくりとユーシーに触れるのに。
「ユーシー、すきだよ」
唇を味わい、舌を絡める動きにルイの必死さが伝わってきて、なんだかもう全部許してしまってもいい気がした。
吐息が混ざり合う距離、濡れた唇同士が触れ合いそうな距離で、ユーシーは言葉を紡ぐ。
「ふふ、ルイ、なぁ、フェラさせて」
「してくれるの?」
ルイの温かな手はユーシーの頬を包んで簡単には離しそうになかった。
「ん」
ユーシーは頷く。仲直りだ。あてつけみたいにレイとジンとしてしまったけれど、今はもうルイのことしか考えられなかった。
「シャワー、浴びたらね。お風呂に行こうか」
見上げるユーシーの頭を、ルイは優しく撫でてくれた。
ガラス張りのシャワールームで身体を洗った後、ユーシーはルイの前に膝をつき、そのままルイの猛りを口に含んだ。
「ん、む、はぁ」
「上手だよ、ユーシー」
「はぁ、顎、外れそ」
口でするのも久しぶりだ。硬く反り返るルイの猛りはユーシーの口だけでは収まりきらず、喉奥まで使わなければならなかった。
「ユーシー、上手だね。ジンとレイさんにもした?」
「ん」
ユーシーは小さく頷く。今更誤魔化すつもりもない。お仕置きされるならそれでも構わなかった。今はとにかく、ルイに触れていたかった。
「そっか」
頭を動かして出し入れするたびに喉がひくつく。
「いきそう。出していい?」
ユーシーは返事の代わりに見上げていた目を伏せる。
「ふふ、ユーシーの口、狭くて、熱くて、気持ちいいよ」
ルイは大きな手でユーシーを撫でてくれた。
「出すよ、ユーシー」
ごぽ、と音を立てて出されたルイの熱い精液を、ユーシーは受け止め、飲み込んだ。何度も脈打って放たれたルイの熱い白濁が、腹の中へと落ちていくのがわかる。
ユーシーは夢中で受け止めた。ルイがくれるものはぜんぶ欲しかった。そんなユーシーの髪を、ルイの手が優しく撫でてくれた。
吐精が落ち着いたところで、ルイはユーシーの喉から猛りを引き抜く。
咳き込むユーシーの背を撫でて、ルイはユーシーに口づけを落とした。
「上手だったよ、ユーシー」
ユーシーを見下ろす笑みは、よく知っている笑みだった。
「ルイ、早く、入れて」
「ふふ、待って、お尻、準備しないと」
ルイは大理石の床に座り込んでユーシーを抱き寄せる。シャワールームの隅に座り込んだルイは、ユーシーの痩せた尻をその大きな手で包むように掴んだ。
「ん、いい、って」
支度なんてもうしてある。だからすぐにでも繋がれるのに。
「ねえユーシー、お尻、柔らかいよ?」
わかっているだろうに、ルイの甘やかな声が耳元に響く。ルイはユーシーの痩せた尻肉を割り開き、長い指ですっかり解けた蕾を撫でる。
「ん、レイさんと、した、から」
「ジンとは?」
「ジンも」
確かめるようなルイの声に、ユーシーは淡々と答える。
「ユーシー、僕とだけ、してって言ったよね?」
ルイの元へ行くと決めたときにルイとした約束だ。もちろん忘れたわけではない。
「ん」
ユーシーはルイを見上げる。目いっぱい煽ってやる腹づもりだった。
「お仕置き、しろよ」
ユーシーの中で入り混じる期待と不安が、琥珀色の瞳に映っていた。それを受け止め、ルイは澄んだアイスブルーを細める。
「悪い子だね、ユーシー」
ルイの低い囁きに、背筋が痺れるようだった。手ひどく躾けられるのなら、それでも良かった。
「レイさんに中で出されたの?」
「ん、あ、いっぱい、出された」
ルイの指が、無遠慮に蕾へと捩じ込まれる。そのまま指を引っかけるようにして蕾を拡げられた。
中からは、ユーシーの温度に馴染んだ白濁が垂れ落ちてくる。
「ほんとだ、溢れてくるよ、レイさんの」
「っあ、だめ、やだ、ぁ」
ユーシーは駄々を捏ねる子供のように声を上げる。腹から熱いものが出ていってしまうのが寂しかった。
「どうして? 僕以外のザーメン、要らないでしょ?」
ルイの低い声が耳元に吹き込まれる。ユーシーは子どもみたいにイヤイヤと首を横に振る。
「っあ、やだ、なか、寂しい」
「中に欲しい?」
「ん、欲しい、出して、ルイ」
「いいよ、溢れるまで出してあげる」
薄暗い欲を孕んだルイの声は、ユーシーの頭の芯まで痺れさせた。
「あ、う」
「愛してるよユーシー」
食われるような深く荒いキスに、ユーシーは酔いしれる。
「ベッドへ行こうか」
ユーシーはルイの声に頷くだけだった。
「んあ、やら、なん、れ」
ユーシーはすっかりとろけた声を上げる。背中に触れるシーツには体温が馴染み、うっすらと滲む汗で湿っていた。だらしなく開かれた脚の間、ユーシーの蕾はルイを深々と飲み込んでいた。
「お仕置きだって言ったよね」
ルイの静かな声が降ってくる。ルイに中を埋められているのに、ルイは緩やかに腰を揺らすばかりで、決定的な快感にならない。いつもならねだればユーシーの願いを叶えてくれるのに、今日は違った。
「んうぅ、るい」
ルイは平気なのだろうか。ユーシーはもう揺さぶられたくて仕方ないのに。ユーシーが見上げたアイスブルーはどこか楽しげにユーシーを見下ろしていた。
「腰が揺れてるよ、ユーシー」
「だって、こんなの」
お仕置きというには、あまりに甘く優しい時間だが、これをお仕置きと言うのなら、ルイは相当怒っているのだろう。
こんなの生殺しだと思う。
やはり怒っているのだろうか。約束を破ったのは自分だ。罰は甘んじて受けるつもりだが、これはいけない。決定的な快感は与えられず、緩やかな熱がユーシーを冒し、腹では快感が暴れていた。
「なあ、もっと。ルイ、動いて。ぐちゃぐちゃにして。俺、ずっとルイとしたかった」
ユーシーが漏らしたのは、素直な言葉だった。ずっとしたかった。ちゃんと言えなくて、ユーシーはずっと胸の奥に押し込めていた。
吐き出してしまうと、胸の奥が軽くなった。
「ユーシー」
ルイが微笑む。眉を下げたその笑みは、いつものルイだった。
「ごめんね、意地悪しちゃった」
「俺もごめん。もう、ルイとしかしない」
「ふふ、嬉しい」
見えたルイの笑みは、もういつもの柔らかな笑顔だった。
「仲直りしようか、ユーシー」
「ん」
どちらからとなく顔を寄せて、唇が重なる。触れるだけの口づけは、秘めやかな音を立てて終わった。
「動くね、ユーシー。掴まって」
ルイの手がユーシーの手を取り、首元へと導く。ユーシーはしっかりとしがみついた。ルイの身体の下に隠すみたいに閉じ込められる。ユーシーはルイの独占欲がちらつくこの体勢が好きだった。
ルイの動きは、今までになく荒々しいものだった。ユーシーにその形を教え込むような力強い律動は、浅瀬から奥まで、余さず擦って前立腺を弾いて、奥の襞を叩いた。
シーツに押し付けられたユーシーは、ようやく与えられた快感に甘く啼いた。
「っは、ぅあ、るい、るい」
「ユーシー、気持ちいい?」
ユーシーは何度も頷いた。待ち望んだ、ルイに与えられる快感は、頭の芯までユーシーを浸していく。
「ふふ、中、喜んでる」
「るい」
「ユーシー、かわいい」
「るい、すき」
「僕も、大好きだよ、ユーシー」
ユーシーの奥の窄まりが、叩かれるたびにルイに吸い付く。奥にほしい。ユーシーはもう、奥で味わう快感を知っている。
「ルイ、奥、きて」
荒い吐息混じりに、ユーシーはルイを誘う。
「ここ、入っていいの?」
「ん、いい、はい、れよ」
素っ気ないのに欲しがりなユーシーの言葉に、ルイは笑うと無遠慮に腰を叩きつける。
容赦の無いストロークの大きなピストンで、ルイはユーシーの最奥を叩く。誰のものか教えるような、獣じみた律動だった。
「はは、吸い付いてくる」
ユーシーの奥はルイに容赦なく打ち据えられる。
何度も叩かれ緩んだ最奥に、ルイの先端がはまった。
ユーシーの喉が高く鳴って、熱い迸りが腹を濡らした。
「っふ、ユーシー、わかる?」
ルイに小刻みに揺すられ、飛びかけた意識は中を擦られ生まれる快感に引き戻される。
ぐぽ、ぐぽ、と奥の襞を何度も捲り上げるルイの猛りに最奥をいじめられ、ユーシーは快感の波に呑まれた。
「出すよ、ユーシー」
ユーシーは頷く。早く中に熱いものを注がれたかった。
ルイが腰を押し付け、身体がより深く繋がる。ユーシーは腹の奥を押し上げられて小さく啼いた。
ルイが息を詰め、奥にどぷどぷと熱い白濁が放たれる。熱いものが柔い粘膜を打つのを、ルイが脈打つのを感じて、ユーシーの内に湧くのは喜びだった。
心も身体も満たされていく。
吐き出した白濁を塗り込むように、ルイがゆっくりと腰を揺らす。
うねるユーシーの中としゃぶりつく最奥で、ルイはすぐに芯を持った。
「っあ、また、おっきく」
「ユーシーの中が離してくれないから」
ルイの甘い声に、ユーシーの肌は羞恥に染まる。不可抗力だ。ルイもそんなのわかっているのに。
ルイはゆったりとユーシーを突き上げた。
「きもちい、なか、ぁ、ぐちゃぐちゃ、なって」
「ふ、そうだね、ユーシーの中、僕のザーメンでぐちゃぐちゃになってる」
「うあ、るい」
ルイが動くたびに、じゅぽ、と音がする。既に何度も中に出され、繋がった場所は泡立った精液で汚れていた。
逞しいルイのペニスが、ゆったりとユーシーの最奥を突く。ルイの精液が満ちたユーシーの腹を、ルイの猛りが掻き回す。
「ん、うねって、そんなに締めたら、すぐいっちゃいそうだ」
うねる中で、ぐじゅぐじゅと白濁が掻き回される。
「ふふ、ほら、ユーシー、奥に出すよ」
「ん、う、出して」
甘えるように吸い付く最奥を優しくねっとりと捏ねながら、ルイは誘われるままに白濁を放つ。
ユーシーはそれにすら感じて、中を震わせ、達した。
「るい、るい、いって」
ユーシーは吐精せずに絶頂を迎えた。
「ふふ、きゅんきゅんしてる、中だけでいってるの?」
ルイの指先がユーシーのひくつく薄い腹を撫でる。
「ん、いって、ぅ」
「はは、溢れてきちゃった」
「るい、うれし」
「あぁ、ふふ、止まらないね、僕も嬉しいよ、ユーシー」
ルイがゆったりと腰を回す度、ユーシーの身体は鋭く跳ねる。腰がガクガクと揺れ、勃ち上がった性器が腰の動きに合わせて揺れ、不規則にぷしゃ、と潮を吹いた。
「るい、るい」
譫言のように繰り返すユーシーの髪を、ルイの手が撫でてくれる。
「かわいいよ、ユーシー。もう、どこにも行かないで」
「ん、いかね、から、いっぱい、愛して」
ルイの答えの代わりに落ちてきた口づけを、ユーシーは夢中で受け止めた。
いつのまにか夜が明けていた。部屋はすでにうっすらと明るい。
ユーシーが目を覚ましたのは、ルイの腕の中だった。ルイはユーシーを抱きしめて眠っている。
まだ目覚める様子のないルイを見て、ユーシーは昨夜ルイにたくさん愛されたことを思い出した。最近構ってもらえなかった分まで愛情を注がれて、ユーシーは満たされた気分だった。
まだ尻にはルイが入っているような気がする。思い出すだけで昨夜の熱が蘇って腹が甘く疼いた。
ユーシーは目の前にあるルイの鎖骨の辺りをちゅうちゅうと吸って赤い跡をつけた。昨日はルイが欲しくて、こんな触れ合いをしている余裕などなかった。
ユーシーは布団に潜り、萎えてなお大きさのあるルイの性器を揉み、口に含む。先端から、根元へ、喉を開いて、奥まで咥え込んだ。萎れても大きな性器は、ユーシーの口の中で徐々に膨らんでいく。
ユーシーは昨夜散々腹の中を掻き回したルイの性器に唾液を絡めて頬張る。粘膜と舌で愛撫すると、ルイのものは緩く芯を持った。
「おはよう、ユーシー」
不意に聞こえたルイの声にユーシーは口を離して声の主を見上げる。
「おはよ」
ユーシーの視線の先には、優しい笑みで布団の中を覗き込むルイが見えた。
「ふふ、お腹減ったの?」
ルイの大きな手が、慈しむようにユーシーの髪を撫でていく。
「ルイのザーメン飲ませて」
ユーシーが物欲しげに吸い上げると、ルイはユーシーの頭をもう一度撫でた。
「昨日いっぱいのませちゃったからでるかな」
ユーシーはすっかり張り詰めた先端を口に含み、裂け目を舌先でくすぐるとルイがアイスブルーを細める。
「頑張るね。いっぱい飲んで」
ルイはユーシーの動きに合わせて緩く腰を揺すり、芯を持った猛りでユーシーの口の中を擦る。
「んむ」
ルイの性器はすっかり張り詰めて、ユーシーの舌の上で跳ねる。
「ふふ、上手だね、ユーシー」
ルイの嬉しそうな声に、ユーシーも頬を緩めた。
溢れる唾液をたっぷりと絡めて、舌で幹を擦って。舌に感じるルイの反応に煽られ、ユーシーは夢中で頭を動かす。
「いきそう。出していい?」
ルイの甘やかなお伺いに、ユーシーは頷いてみせる。
ユーシーの舌の上でルイが脈打ち、熱いものが放たれる。生臭くて苦くて熱い、ルイの白濁を受け止め、ユーシーは迷わず飲み込む。
「んぷ、はあ」
満足したユーシーが口を離すと、ルイが労うみたいに頭を撫でてくれた。
「帰ろうか、ユーシー」
「ん。アダムにお土産買わねーと」
「そうだね。朝ごはんを食べたら、少し買い物に行こうか」
ユーシーは頷く。ルイにたくさん満たされて、わがままを聞いてもらって。すっかりルイに絆されている自分に気付いたが、それも悪くないと思えた。
ルイの大きな手のひらがユーシーの頬を撫でる。愛をくれるルイの温かな手に、ユーシーは甘えるみたいに擦り寄った。
それから。ルイとともにフランスに戻ったユーシーは、ルイの部屋に入り浸ることが増えた。
ある日のルイの執務室。デスクの下に潜り込んだユーシーは、ワーキングチェアに掛けたルイの下腹に顔を埋めて奉仕していた。
「ユーシー、苦しくない?」
「うん」
「してみたかったけど、これは、刺激が強いな」
ユーシーの黒い絹のような髪を、ルイが撫でていく。
「会議中じゃなかったら、いつでもおいで」
「んむ、会議中は、だめ?」
ルイの先端を舌先でくすぐりながら、ユーシーはルイを見上げる。
「会議に支障が出そう」
ユーシーの琥珀色の瞳に映るルイの困った顔は新鮮で、なんだか愛おしく思えた。
「じゃあいいよ。それ以外にする」
「ふふ、いい子。そろそろいきそうだ。飲んでくれる?」
「ん」
ユーシーはルイの猛りを深々と咥え込み、奉仕する。リズミカルに頭を動かして、喉奥まで使ってルイを頂へと導く。
ルイが息を詰めて、ユーシーの口の中で熱が爆ぜる。舌に打ち付けるのは熱いルイの欲望だ。ユーシーは一滴も零さずそれを受け止め、喉を鳴らして飲み込んだ。
ユーシーが口を離すと、唇から先端へ、銀の糸が橋をかけた。
白く汚れたユーシーの唇を、ルイの指先が拭う。
「ユーシー、おいで」
ルイはユーシーを膝の上に引き上げた。ルイの膝の上に乗せられて、ユーシーはルイと鼻先を突き合わせる。
「ユーシー、愛してるよ。ずっと僕のそばにいてね」
そっと額を合わせ、ルイはユーシーの唇を啄む。
「ルイのザーメン飲んだところなのに」
「嫌?」
「ルイがいいなら、いいよ」
ふたりは微笑み合う。外の寒さなど感じさせない温かな部屋で交わされるのは、恋人同士の睦言だ。
ユーシーがまだ知らないルイの本当を知ることになるのは、もう少しだけ先のことだった。
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