神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞

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39 今更ながらに知ったこと

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ライトの光だけを頼りに真っ暗な森を進む。時折、暗闇の中から魔獣や魔物が襲ってくるが、全てジェムの結界に妨げられ、俺まで届くことはない。

それで諦めてくれれば無駄な殺生はしないけれど、必要に攻撃してくるものは倒していく。

そんな中、俺はずっと気になっていることがある。結界があり安全な事もあり、戦闘中もつい、チラチラと空を見上げてしまう。

「ヨミ!いくら結界があっても戦闘中によそ見は危ないよ!」

ついに、ラグから注意がとんだ。

「ああ、分かってはいるだけど、、。なぁ、なんでこんな森の中でも月が見えるんだ?


そう、青い満月が鬱蒼と木が覆い茂っている森の中、しかも、光が無いと何も見えない真っ暗な森からでも見えているのだ。

視界の開けた場所でなら、雨なんかの悪天候でも半分の月が見えるのは、この世界がそういうものだからで納得していた。

そう言えば、神聖獣達の森でも月、見えてたなと、今更ながらに思い出した。

ラグは俺の視線の先を見て、

「もしかしてあの青いやつのこと?ヨミ、アレが月だとずっと思ってたの?あれは月じゃないよ」

ここに来ての新事実!ずっと月だと疑わなかった、というか、誰もが月だと思っていたものが月では無かった!

「え?あれって月じゃないのか?」

ラグだけではなく、レティ達からも呆れた目で見られた。

「下級神使になったのに、あれが何か気づかなかったの?」

レティの言葉に、じっと月を見てみると、何か違和感があったけど、それ以上はわからなかった。

「違和感は感じたけど、、それ以上は」

俺の言葉に

「あれは、冬の妖精の卵だよ。春夏秋冬で妖精の卵の色が違うから、人間はそれで季節を感じていたんだと思うよ」

とラグ。

「仮にアレが本物の月だとしたら、天候によっても色が代わるのはおかしなことだと、なんで思わないのよ?この大陸全土で天候が同じなわけないでしょ?」

レティの言葉に、確かにと思った。
同じ北でも、地域によって天候は違う。
なのに、天候でも月の色が代わる。
見る場所によって、月の色が変化するのはありえないことだ。

俺が納得していると

「妖精は大きく分けて二種類いる。季節の妖精と属性の妖精だ。天候による色は、その属性の妖精の色だ」

ラグとは反対側の肩に止まったジェムがそう説明してくれた。

「もしかして、昼間でもあれが見えていたこと、ヨミは気づいてないなの?」

ルルの言葉に

「いや、それには気づいていたよ。そして常に満月なこともね。でも、そういうものなのかなと思って気にはしてなかった」

「いや、気にしろよ!太陽は登ったり沈んだりしているのに、月だけがずっとあるのはおかしいだろう!」

俺の言葉に、ネオが突っ込んだ。
突っ込まれて初めて、それもそうかと思った。

この世界に来てだいぶ経った。

ずっと月だと思っていたものが実は月ではなかったと、今初めて知った。

「因みに、月はちゃんとあるよ。星と同じくらい小さいから、人間には見分けられないかもだけど」

と、ラグがこれまた新事実を暴露した。
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