神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞

文字の大きさ
50 / 55

45 どっちが本当の姿?

しおりを挟む
レティからの圧に耐えること数分

着替え終わったラグ達がまたベッドに集まった。皆が集まったのを確認すると、レティが

「で?説明してくれる?」

俺はまず、寝っ転がったままのレティの体を起こした。そして

「まず、レティはラグ達の姿を見てどう思う?」

俺の言葉に、ラグ達も皆の姿を改めて見た。

「ちゃんと人化出来ていると思うわよ?、、なに?ワタシの人化、どこかおかしかったの?」

レティの言葉に答える前に、俺はベティに話しかけた。

「その前に、ベティ。確かさっきは12歳位の姿だったよな?」

そう、起きた時に見たベティの姿は12歳前後だった。だけど、着替えから戻ってきた時は、ラグ達と同じくらいの年齢の姿になっていたのだ。

「私だけ違うはなんか、、寂しかったので」

と、少し恥ずかしそうに言った。そんなベティの言葉に

(と言うことは、姿は変えられる?)

ベティの言葉に光明を見いだした俺は

「おかしいか?と言われたらおかしい!と声高に言う!顔はいいんだよ、顔は」

レティもだけど、神だからか皆、見た目はいい。

ラグは、整った顔立ちをしているけど、ヤンチャで元気な男の子

ジェムは、知的でクールな男の子

ルルは、可愛らしい顔立ちに、ゆるふわな髪の女の子

ネオは、ラグ同様整った顔立ちだけど、ガキ大将な男の子

ベティは、ルルリカ様を思わせる怜悧な美人で、髪はストレートな女の子の姿をしている。

そしてレティは、、、、

「何で?そんな中性的なキレイな顔をしているのに!何で体がガチムチなんだよ!」

俺の叫び声に、ラグとネオがレティの上半身部分のタオルの結び目を解いた。

ジェムは、下半身が露出しないように下の部分をしっかりと持っている。

そして現れたレティの上半身を見て

「うわぁ~」

「これは、、」

「キャッなの!」

「アンバランスだな」

「、、、レティは人と言う者をちゃんと理解してますか?」

ルルは恥ずかしそうに手で顔を覆ったけど、ちゃっかり指の間から見てきた。

そして、一番辛辣なのはベティだった。
だけど、あえてベティの言葉を肯定した。

「ベティの言うとおりだ。いいか、幼い子供にガチムチな体の子は居ない!レティが、セドリックさんの騎士団の一部の人達に熱視線を向けていたのは分かっていた。人の好みに口を出す事はないし、セドリックさん達に迷惑をかけているわけじゃないから何も言わなかった」

俺は一呼吸置いてから

「言わなかったが、これには口を出させてもらうからな!ガチムチな体が良いなら、大人になってからにしてくれ!それなら顔と体がアンバランスでも、もう何も言うまい!だが!!子供の姿の時にはせめて子供らしい体躯にしててくれ!頼む!!」

俺の必死な訴えに、当事者のレティだけではなく、ラグ達も引いてた。

「わっ、わかったわよ。それから、ワタシは体躯のいい男性を好きと言うわけではないわよ?こんな言葉遣いだけど、恋愛対象はちゃんと女の子よ?ワタシはほら、ヘビじゃない?ヘビって体全体で移動するし、獲物を仕留めるのも絞めるでしょ?だから、こういう体が理想なのかなって思っただけよ」

レティは苦笑しながら言った。
そして、言いながらもラグ達同様、子供らしい体に変えていった。

「別に型に嵌める必要ないだろう?確かにレティの動物の姿はヘビだけど、レティ自身がヘビそのモノのってわけじゃないじゃん。普通のヘビは人化しないしな」

俺の言葉に、レティだけでなくラグ達も目を見開いていた。

「え?何でそんなに驚いてるんだ?動物の姿って俺達育成者が考えた姿であって、ラグ達の本当の姿ってわけじゃないだろう?むしろ人化した姿の方が、ラグ達の本当の姿って感じ?人化はラグ達自身で考えた姿なんだし」

未だに放心しているラグ達をどうしようかと考えていたら

「そっか、そういう考え方もあるんだ」

ラグの呟きに他の皆も「そっか、そうだよな」と頷きあっていた。

ラグ達の認識が変わったからか、ひっそりとラグ達のステータスの❝人化❞が❝動物化❞に変化していた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...