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1 子猫が「みゃ〜」と鳴けば
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ここは広大な花畑。
そこに子猫が一匹。
風にそよがれていい匂いが小さな鼻を擽る。
ぽかぽかのお日様日和。
耳先と尻尾の先だけがピンクで、体は真っ白、目は空を映したような水色。そんな小さな子猫が鳴いた。
「みゃ~」
すると、子猫の目の前にネコこねこハウスが現れた。
子猫は、突然現れたハウスになんの疑問もなくネコ用のトビラから中に入る。
ハウスの中は、小さな子猫用の小さな家とは思えないくらいに広く天井も高かった。
そこにキャトタワーやキャットウォーク、それ以外のネコ用の玩具が所狭しと動いている。
出入り口のトビラの反対側には大きな窓があり、その窓からお日様のぽかぽかな日差しがさし込んでいる。
そのぽかぽかした日だまりの場所に移動すると
「みゃ~」
と鳴いた。
すると今度は豪華な食事が現れた。
しかも、キャットフードではなく人間が食べるそれだった。
ハンバーグにオムライス、エビフライにポテトサラダ。おまけにデザートはプリンという、れっきとしたお子様ランチだ。
子猫用にどれも食べやすく小さく切ってある。
子猫はそれはそれは嬉しそうにハグハグと食べ始め、完食後はまん丸になったポッコリお腹を上に寝転んだ。
するとすぐに眠気が訪れ、寝転んだまま
「みゃ~ん」
とあくび混じりに鳴くと、子猫を包むように寝床が迫り上がり、子猫の背中にはふわふわのクッションの感触がした。
半分寝ぼけながら起き上がり、クッションをフミフミして自分が寝やすいように整えると、そのままコロンと丸まり完全に寝る体勢になった時
「寝るでない!己の役目を思い出せ!」
と、大声をあげる若い男性の声。その割に言葉は爺くさいが。そして鳴り響くドラの音。
小さな前足で耳を押さえながら鳴こうとしたが
「させるか!」
と言う言葉と共に首根っこをつままれ持ち上げられた。
そうされると力が抜けて抵抗出来ない。だから、眠くて座っている目だけで「おろせ」と若い男性を見た。
カワイイ子猫が睨んだってカワイイだけなのに、なぜか若い男性は少し腰が引けいる。
引けた腰のまま子猫を下ろす。寝床ではなく床に
そんな若い男性を子猫見上げる。
成人男性が、どうやって小さな子猫用トビラをくぐったかなんて疑問は、この男性には当てはまらない。そんな存在だ。
(くび、いたいな)
子猫はちょんちょんと前足で床を叩いた。
若い男性は??と首を傾げる。
子猫は、イラッとして子猫なりの全力でタシタシと床を叩いた。見る分にはかわいい光景だ。
「座れって事かの?」
ようやく理解した若い男性に子猫は頷いた。
そして若い男性が座るまでに、子猫はちゃっかり寝床に戻った。
「あ」
座った若い男性はそんな子猫に何か言おうとしたが、子猫のひと睨みで口を閉ざした。
若い男性が座った事で見上げる事がなくなった子猫は、そのまま若い男性を睨みながら
「わたしはねむいの!じゃましないで!」
と言うと、若い男性に邪魔される前に
「みゃ~」
と鳴いて防音シールドを張った。そして、またフミフミとクッションを整えると、クルンと丸まってそのまま寝た。
若い男性が防音シールドをバンバン叩いているが、その音は子猫の耳には入らない。
若い男性が何かを叫んでいるが、それも聞こえない。
防音シールドの周りをドラが鳴りながら回っているが、その音も聞こえない。
逆に若い男性が耳を押さえていた。
たっぷりと寝て起きようとした時、寝床に違和感を感じた。
まだ目を閉じたまま、寝床をその場でフミフミ。かたい?
「クスクス。子猫よ、擽ったいぞ」
そんな声と共に体を首元からお尻までゆっくりと撫でられる。
「うん?起きたのではないのか?」
ゆっくりと目を開け見上げると、そこには若い男性が見えた。
自分の今いる場所を確認するために視線を下げれば、胡座をかいた若い男性の膝の上。
若い男性は優しく撫でる手を止め、今度は子猫の喉元を擽る。
ニコニコと笑顔の若い男性。
子猫はその手を払い除けたかったが、若い男性の撫でテクは極上で、我慢していた喉がゴロゴロと鳴りだした。
「くっ、くつじょく!、、、、、あ~、そこそこ、、じゃないわ、わたし!、、、あ~、てをとめないで~」
と、完全に若い男性の手のひらの上で、ゴロゴロと喉を鳴らしながら溶けていた。
たっぷりと撫でられ、なぜか毛艶がツヤツヤになった子猫。
「さて、落ち着いた所でオナハシアイをしようかの?」
「そのまえに、なんでわたしはひざのうえにいたのよ。シールドは?」
少しでも怒られる案件を伸ばしたい子猫の問に
「我に破れるものなど、お主が張れる訳なかろう」
と、ニヤッと口の端を上げた。
その後は、顔を戻しお説教タイムに突入した。
そこに子猫が一匹。
風にそよがれていい匂いが小さな鼻を擽る。
ぽかぽかのお日様日和。
耳先と尻尾の先だけがピンクで、体は真っ白、目は空を映したような水色。そんな小さな子猫が鳴いた。
「みゃ~」
すると、子猫の目の前にネコこねこハウスが現れた。
子猫は、突然現れたハウスになんの疑問もなくネコ用のトビラから中に入る。
ハウスの中は、小さな子猫用の小さな家とは思えないくらいに広く天井も高かった。
そこにキャトタワーやキャットウォーク、それ以外のネコ用の玩具が所狭しと動いている。
出入り口のトビラの反対側には大きな窓があり、その窓からお日様のぽかぽかな日差しがさし込んでいる。
そのぽかぽかした日だまりの場所に移動すると
「みゃ~」
と鳴いた。
すると今度は豪華な食事が現れた。
しかも、キャットフードではなく人間が食べるそれだった。
ハンバーグにオムライス、エビフライにポテトサラダ。おまけにデザートはプリンという、れっきとしたお子様ランチだ。
子猫用にどれも食べやすく小さく切ってある。
子猫はそれはそれは嬉しそうにハグハグと食べ始め、完食後はまん丸になったポッコリお腹を上に寝転んだ。
するとすぐに眠気が訪れ、寝転んだまま
「みゃ~ん」
とあくび混じりに鳴くと、子猫を包むように寝床が迫り上がり、子猫の背中にはふわふわのクッションの感触がした。
半分寝ぼけながら起き上がり、クッションをフミフミして自分が寝やすいように整えると、そのままコロンと丸まり完全に寝る体勢になった時
「寝るでない!己の役目を思い出せ!」
と、大声をあげる若い男性の声。その割に言葉は爺くさいが。そして鳴り響くドラの音。
小さな前足で耳を押さえながら鳴こうとしたが
「させるか!」
と言う言葉と共に首根っこをつままれ持ち上げられた。
そうされると力が抜けて抵抗出来ない。だから、眠くて座っている目だけで「おろせ」と若い男性を見た。
カワイイ子猫が睨んだってカワイイだけなのに、なぜか若い男性は少し腰が引けいる。
引けた腰のまま子猫を下ろす。寝床ではなく床に
そんな若い男性を子猫見上げる。
成人男性が、どうやって小さな子猫用トビラをくぐったかなんて疑問は、この男性には当てはまらない。そんな存在だ。
(くび、いたいな)
子猫はちょんちょんと前足で床を叩いた。
若い男性は??と首を傾げる。
子猫は、イラッとして子猫なりの全力でタシタシと床を叩いた。見る分にはかわいい光景だ。
「座れって事かの?」
ようやく理解した若い男性に子猫は頷いた。
そして若い男性が座るまでに、子猫はちゃっかり寝床に戻った。
「あ」
座った若い男性はそんな子猫に何か言おうとしたが、子猫のひと睨みで口を閉ざした。
若い男性が座った事で見上げる事がなくなった子猫は、そのまま若い男性を睨みながら
「わたしはねむいの!じゃましないで!」
と言うと、若い男性に邪魔される前に
「みゃ~」
と鳴いて防音シールドを張った。そして、またフミフミとクッションを整えると、クルンと丸まってそのまま寝た。
若い男性が防音シールドをバンバン叩いているが、その音は子猫の耳には入らない。
若い男性が何かを叫んでいるが、それも聞こえない。
防音シールドの周りをドラが鳴りながら回っているが、その音も聞こえない。
逆に若い男性が耳を押さえていた。
たっぷりと寝て起きようとした時、寝床に違和感を感じた。
まだ目を閉じたまま、寝床をその場でフミフミ。かたい?
「クスクス。子猫よ、擽ったいぞ」
そんな声と共に体を首元からお尻までゆっくりと撫でられる。
「うん?起きたのではないのか?」
ゆっくりと目を開け見上げると、そこには若い男性が見えた。
自分の今いる場所を確認するために視線を下げれば、胡座をかいた若い男性の膝の上。
若い男性は優しく撫でる手を止め、今度は子猫の喉元を擽る。
ニコニコと笑顔の若い男性。
子猫はその手を払い除けたかったが、若い男性の撫でテクは極上で、我慢していた喉がゴロゴロと鳴りだした。
「くっ、くつじょく!、、、、、あ~、そこそこ、、じゃないわ、わたし!、、、あ~、てをとめないで~」
と、完全に若い男性の手のひらの上で、ゴロゴロと喉を鳴らしながら溶けていた。
たっぷりと撫でられ、なぜか毛艶がツヤツヤになった子猫。
「さて、落ち着いた所でオナハシアイをしようかの?」
「そのまえに、なんでわたしはひざのうえにいたのよ。シールドは?」
少しでも怒られる案件を伸ばしたい子猫の問に
「我に破れるものなど、お主が張れる訳なかろう」
と、ニヤッと口の端を上げた。
その後は、顔を戻しお説教タイムに突入した。
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