2 / 3
2 始まりの話 1
しおりを挟む
私は有馬 咲。歳は20歳は過ぎているとだけ言っておく。
某半ブラック企業に就職してん十年。
支店の一部の人間は2週間の連勤を強いられていた。その中に私も含まれている。
そんな時、次期社長が抜き打ちで視察に来て実情を知った次期社長は上を切り、自分の腹心の部下を据え、臨時の人材も派遣し、連勤組に1週間の有給を取らせた。神がいた!
臨時の派遣の人に引き継ぎを済ませた後、1週間の有給の初日に私は死んだらしい。
次期社長の名誉の為に言うと、過労死ではない。
連勤の後は2日の連休をもらい、引き継ぎの為に出社していても、ちゃんと公休もあった。
その為、若干疲れは残っていても死ぬ程ではなかった。
ではなぜ死んだのか。
それは今、目の前でニコニコしている青年のせい!
「間違いで人を殺しといて、よくニコニコしていられますね?」
「人聞きの悪ことを言わないでくれるかの?お主は死んだわけではない。存在そのものが消滅したんじゃよ」
「なお悪いわ!!」
スパーン!と、なぜか手にあったハリセンで青年の頭を叩いた。
叩いた後に手にあったハリセンに驚いた。
「ぃったいのう。年寄りには優しくせんか」
「どこが年寄りよ!私とそう変わらない見た目でしょが!どっちかって言うと私より若いでしょうが!(見た目は!)」
私は怒り疲れてその場にドカッと座った。
「女性ならもう少し」
「あ゛?」
青年の言葉を遮り睨めば、青年は激しく首を横に振った。
その後は私の機嫌を取るように、お茶や茶菓子を差し出して、今の状況を説明しだした。
曰く、青年が創世神様から任された星が、同期の出来心のイタズラのせいで破滅しかけたとの事。
星の時を止め、創世神様に助けを求めたが
「無理だな。うん、これは無理」
と、即座に星を助けるのは無理だと言われた。
イタズラをした同期は、創世神様にこってり絞られ、任そうと思っていた星を別の人物に任せた。
同期はその別の人物の補佐を任されたが、信用されずに雑用を今もしているとのこと。
それでも青年は、任された星を見捨てられず、時間を巻き戻してはどうにかしようとした。
だけど結果は変わらず数百年。
何度も何度もやり直す事で、一つの小さな奇跡が起きた。
青年はこれで星を守れると思ったが、結果は破滅を数年遅らせるだけだった。
その事に心折れた青年の前に、
「お前の努力をずっと見ていたよ。よく頑張ったな」
そう言って青年の肩に手を置いた。そして
「そんなお前の努力に少しだけ力を貸そう」
その言葉に顔を上げた青年の前に、一人の女性の姿が映った水鏡があった。それが私、有馬 咲である。
「この者をこの世界、ルーベルに召喚するのだ」
その言葉に青年は眉をひそめた。
なぜならば、同期のイタズラが異世界からの魂の召喚で、その召喚された者によって一つの国が荒され、星を破滅に導いたからだ。
「お言葉ですが創世神様。それは」
「まぁ、聞け」
言葉を遮られた青年は、不満を隠す事はせずとも口を閉ざした。
「あれがしたイタズラは最早イタズラを越している。星が一つ、滅びかけたのだからな。
その報いを今も受けている。どんなに真面目に働いても未だに信用されていないのだからな」
そう言いながらも、創世神様の青年をみる目は優しかった。
それはすでに青年が同期を許していて、今も仲良くしているからだ。
同期も自分のした事の責任を取るため、仕事の合間に青年を手伝っている。
「あれが召喚した人物が悪かっただけで、全ての者が同じではないのは理解しているだろう」
問いかけと言うにはその言葉に疑問符はなかった。
青年が渋々ながらも頷くのを見て
「そして、この私自らが指名した人物だ。アレと同じな訳ないだろう」
青年はハッとして、創世神様を見た。そして映し出された咲を見て
「それでも少し、時間を下さい。僕自身で彼女を見極めたいです」
・・・・ちょっとタイム!!
「あんた一人称❝我❞じゃないの?それになんで普通に喋ってるのよ!爺くさい言葉使いは!」
私がまくし立てると
「あなたを見極める為に見ていた中で、ふぁんたじー小説なるものの神様のほとんどがその喋り方だったので、そのほうが雰囲気出るかなって」
てへっ?って感じの顔をしているけど可愛くないから!何よその理由!!
「あと、喋っていてこの言葉使いが癖になっただけじゃ」
と爺くささよろしく、どこから取り出したのかティーカップだった物が湯呑みに変わっていて、ずずーとお茶を啜った。
私も、気持ちを落ち着かせる為にほうじ茶を要求して、ゆっくりと飲んだ。
某半ブラック企業に就職してん十年。
支店の一部の人間は2週間の連勤を強いられていた。その中に私も含まれている。
そんな時、次期社長が抜き打ちで視察に来て実情を知った次期社長は上を切り、自分の腹心の部下を据え、臨時の人材も派遣し、連勤組に1週間の有給を取らせた。神がいた!
臨時の派遣の人に引き継ぎを済ませた後、1週間の有給の初日に私は死んだらしい。
次期社長の名誉の為に言うと、過労死ではない。
連勤の後は2日の連休をもらい、引き継ぎの為に出社していても、ちゃんと公休もあった。
その為、若干疲れは残っていても死ぬ程ではなかった。
ではなぜ死んだのか。
それは今、目の前でニコニコしている青年のせい!
「間違いで人を殺しといて、よくニコニコしていられますね?」
「人聞きの悪ことを言わないでくれるかの?お主は死んだわけではない。存在そのものが消滅したんじゃよ」
「なお悪いわ!!」
スパーン!と、なぜか手にあったハリセンで青年の頭を叩いた。
叩いた後に手にあったハリセンに驚いた。
「ぃったいのう。年寄りには優しくせんか」
「どこが年寄りよ!私とそう変わらない見た目でしょが!どっちかって言うと私より若いでしょうが!(見た目は!)」
私は怒り疲れてその場にドカッと座った。
「女性ならもう少し」
「あ゛?」
青年の言葉を遮り睨めば、青年は激しく首を横に振った。
その後は私の機嫌を取るように、お茶や茶菓子を差し出して、今の状況を説明しだした。
曰く、青年が創世神様から任された星が、同期の出来心のイタズラのせいで破滅しかけたとの事。
星の時を止め、創世神様に助けを求めたが
「無理だな。うん、これは無理」
と、即座に星を助けるのは無理だと言われた。
イタズラをした同期は、創世神様にこってり絞られ、任そうと思っていた星を別の人物に任せた。
同期はその別の人物の補佐を任されたが、信用されずに雑用を今もしているとのこと。
それでも青年は、任された星を見捨てられず、時間を巻き戻してはどうにかしようとした。
だけど結果は変わらず数百年。
何度も何度もやり直す事で、一つの小さな奇跡が起きた。
青年はこれで星を守れると思ったが、結果は破滅を数年遅らせるだけだった。
その事に心折れた青年の前に、
「お前の努力をずっと見ていたよ。よく頑張ったな」
そう言って青年の肩に手を置いた。そして
「そんなお前の努力に少しだけ力を貸そう」
その言葉に顔を上げた青年の前に、一人の女性の姿が映った水鏡があった。それが私、有馬 咲である。
「この者をこの世界、ルーベルに召喚するのだ」
その言葉に青年は眉をひそめた。
なぜならば、同期のイタズラが異世界からの魂の召喚で、その召喚された者によって一つの国が荒され、星を破滅に導いたからだ。
「お言葉ですが創世神様。それは」
「まぁ、聞け」
言葉を遮られた青年は、不満を隠す事はせずとも口を閉ざした。
「あれがしたイタズラは最早イタズラを越している。星が一つ、滅びかけたのだからな。
その報いを今も受けている。どんなに真面目に働いても未だに信用されていないのだからな」
そう言いながらも、創世神様の青年をみる目は優しかった。
それはすでに青年が同期を許していて、今も仲良くしているからだ。
同期も自分のした事の責任を取るため、仕事の合間に青年を手伝っている。
「あれが召喚した人物が悪かっただけで、全ての者が同じではないのは理解しているだろう」
問いかけと言うにはその言葉に疑問符はなかった。
青年が渋々ながらも頷くのを見て
「そして、この私自らが指名した人物だ。アレと同じな訳ないだろう」
青年はハッとして、創世神様を見た。そして映し出された咲を見て
「それでも少し、時間を下さい。僕自身で彼女を見極めたいです」
・・・・ちょっとタイム!!
「あんた一人称❝我❞じゃないの?それになんで普通に喋ってるのよ!爺くさい言葉使いは!」
私がまくし立てると
「あなたを見極める為に見ていた中で、ふぁんたじー小説なるものの神様のほとんどがその喋り方だったので、そのほうが雰囲気出るかなって」
てへっ?って感じの顔をしているけど可愛くないから!何よその理由!!
「あと、喋っていてこの言葉使いが癖になっただけじゃ」
と爺くささよろしく、どこから取り出したのかティーカップだった物が湯呑みに変わっていて、ずずーとお茶を啜った。
私も、気持ちを落ち着かせる為にほうじ茶を要求して、ゆっくりと飲んだ。
8
あなたにおすすめの小説
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる