ダンジョンの管理人になりました

菻莅❝りんり❞

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5 初仕事は思うようにいかない

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と、長くなってしまったがあったことを話した。

「もしかしたら、このスタンビードはコア達が通信を一方的に切られ、その後も通じない事で、子供の癇癪みたいなものを起こしての事ではないかと。俺が他のコア達と話すか、マスターになるかで治まるんじゃないかと」

俺の話しに驚いていた領主様は我に返るなり

「色々聞きたい事はあるがまずは、今すぐダンジョンに行き、コアを説得しスタンビードを止めよ!」

俺達は直ぐにダンジョンに戻り、俺だけコア部屋に行き、コアを説得したり、なだめたり、時にはあやしたりと、色々してようやく機嫌を直させ、他のコア達のマスターになるとこも認めさせて、一斉通信でマスターになることを伝えた。ギリギリでスタンビードを止められ、コア部屋を出てシューベルト様達に伝え、領主様に報告を頼んだ。

俺はと言うと、ダンジョンマスター(管理人)としての初仕事の為に残った。まずは、コア達の整理からだ。
この世界は大きく分けて4つの大陸で出来ている。なので、コア達にそれぞれの大陸別に並び変えてもらった。

まず、俺達がいる大陸。プリベラ(正面)には、7つの画面が並んだ。黄色、黄緑、水色、桃色、浅葱色(青系)、赤紫、薄紅色。そして、青の計8つのコアがある。

次にビラン大陸。ビラン(右側面)には、9つの画面。
 銀、緑、赤、紫、橙色、緋色、藍色、深緑、群青のコア。

次はノトール大陸。ノトール(左側面)には、6つの画面。
 茶色、浅緋色(赤系)、青紫、赤茶色、黄土色、黄赤(黄色系)色のコア。

最後にインベノ大陸。インベノ(後方)には、4つの画面
 黒、紫紺(紫系)、茜色、朱色のコア。

しかし後6つ、何処の大陸(壁)にも行かなく、正面の壁の下の方で迷子のように這っていて、

「ますたー、わたしたちどこにいけばいい?」

「マスター、ぼくどこ?」

どこだろう?と、言いながら壁を行ったり来たりしていた。
色は、暗緑色、紺色、真紅、瑠璃色(青系)、桔梗色(紫系)、灰色のコアだ。

「お前達はどういう所にあるだ?」

「わたしは、そらだよ!」と真紅。

「ぼくは、たぶんここの海」と正面に瑠璃色。

「あたしは、ここのうみ?」と右側面に桔梗色。

「ボクはこの海かな」と左側面に紺色。

「ワタシは、ここの海よ」と後方に灰色。

「ぼくはしんかい」と暗緑色。

と一斉に喋りだした。全ては聞き取れなかったが、辛うじて、海と言う単語は聞こえたので、4つがそれぞれの壁に移動したのでそこの海にあるんだろうと推察できる。問題は残り2つ。

「一斉に喋られても俺は聞き取れない。一人?一つか?、一つずつ順番に喋ること。皆もだぞ。いいな?」

『は~い』

『分かった~』

返事だけはいいな?まぁ、理解してもらえたと思っとこう。

「で、4つはそれぞれの海にあるでいいのな?」

『そうだヨー!』

うん。そこまで大声出さなくてもいいよ。

「悪いが、真紅と暗緑色はもう一度言ってくれるか?まずは真紅から」

また一緒に喋りだしそうだったので、慌ててこちらから指名した。返事だけで理解してなかった!

「わたしはそら」

うん?そら、、そら、、空か!!はぁ~あ?

「真紅?そらって空?」

俺は指を上に向けて聞いた。

「うん、そら!あっそうか、わたしはてんじょうにいればいいんだね」

正面の壁のやや下に居た真紅はパッと天井に移動した。、、、首が痛くなるなこれ。

「ぼく、ぼくにも聞いて!はやく!」

暗緑色がはやく、はやくと言うので、真紅に聞きたい事があったが後にして、

「暗緑色は、何処にいるの」

「ぼくはね、しんかいだよ!」

しんかいって深海だよな?空といい、深海といい、どうやって行くんだよ?しかも暗緑色は「ぼくはどこにいればいいの?」と呑気に聞いてくるし。

壁の広さ分目一杯広がってる画面は、見ているだけでチカチカする。それに上下左右全ての壁に画面があるのは、監視されてるようでいいきはしない。

「えーと、銀、その画面ってもう少し小さくなれないか?」

「どのくらい小さくななればいい?」

銀色が少しずつ画面を小さくしていった。しかし、銀色が小さくなった隙間を近くのコアが埋めていく。

「こら!大きくなるな!俺は小さくなれって言ったんだ。銀が今大きさを確認してるんだから、邪魔しない!」

「うっ、うっぇ、わーん。ますたーにきらわれたー。またひとりぼっち、いやだー」

幼い子供は一人が泣けば、周りに伝染して全員が泣く。泣き声の大合唱が鳴り響いてる。
俺は、耳を押さえ宥めようと声を張るが、泣き声が大きすぎてかき消される。俺は銀のコアの画面に近づき、

「銀、済まないが俺にはこれ以上どうすれば良いか分からない!子供の宥めかたを聞きに俺は出る!少しの間、こいつら頼む!」

「はい。でも早く戻ってきてくださいね」

「ああ!」

俺は耳を押さえながら、後ろの扉から外に出た。
扉を閉めればもう泣き声は聞こえない。深く息を吐いた。すると、見知った顔が驚いて固まっていた。
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