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4  実はこんなやり取りがあった

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コア部屋で色々していた時、いきなり壁一面に透明な画面がいくつも現れた。色々な色の珠が画面には映っていた。多分ダンジョンコアなんだろうと思っていたら、俺の目の前にある黒いコアが映ってる画面から声がした。

[マスターの誕生だ。ねぇねぇ、ボクのマスターにもなって?一緒に遊ぼう]

[ずるいぞ、くろ!それならぼくもなって欲しい!遊びたい!]

ウインドウから子供の声がして、ぼくも、わたしもと騒ぎ出した。いきなりの事に付いていけずにいると、銀色のコアの画面から

「皆、静かに!青のマスターが困ってる。まずは説明しないと」

他のコア達より少しお兄さんかな?って声が響きざわざわしていた声が止んだ。
そして、黒いコアの代わり、俺の目の前に現れると

「初めまして、青のマスター。突然の事で困ってるよね?今、説明するね。本来、僕たちダンジョンコアにはそれぞれマスターが居るはずなんだ。

でもなんでか僕たちのマスターは、僕たちの前に現れてくれない。僕たちのマスターが、マスターになってくれないと、ダンジョンがうまく機能しなくて、モンスター達が勝手に暴れだして大変なことになるの。だから僕たちが代わりに管理してるんだけど、やり方がわからない。

昔マスターの居た、金のダンジョンをお手本に、それぞれで管理してるんだけど、古くからあるダンジョンほど、人喰いや、物騒ダンジョンと呼ばれるダンジョンになって、人が来なくなるの。
人が来なくなると、モンスターが溢れすぎてダンジョンが壊れてしまう。

壊れたら、モンスターが外に出てしまう。そして、ダンジョンが壊れたら、僕たちも壊れるから暴走したモンスターを止められない。唯一、マスターの居た金のダンジョンも、周りの影響を受けて、人が来なくなって壊れてしまった」

たくさんある画面を見回し、確かに金のコアが無いことを確認した。

「青のマスター、疑問思わない?僕たちの声や仕草が幼いって」

確かに、俺が生まれるずっと前からあるダンジョンもあるはずなのに、年齢にて4~5歳位の子供の声ばかり、銀色にしても10歳前後の子供の声だ。頷くと、

「それには理由があって、マスターが居ないからなんだ。僕たちはマスターから色々な事を学んで成長する。だから、マスターが居ないと成長出来ない。せいぜい他のコア達迄しか育たないんだ。

僕は、まだ金のマスターが居た時に出来たから、金のマスターに少しだけ管理して貰えたから、皆よりは成長出来た。金や僕がどんなにコア達に管理の仕方を教えても、理解出来ないから、人間にとって危険なダンジョンを作っちゃうコアもいる。ねぇ青のマスター、僕たちのマスターにもなって?」

確かに危険なダンジョンより、安全なダンジョンの方がいいが、これ全部を俺一人で管理するの?
改めて見回して見た。かなり広い部屋なのに、壁一面に画面がこれでもかと映ってる。多分この数だ、他国のダンジョンもあるだろう。もしかしたら、この世界にあるダンジョン全てかもしれない。、、、無理!!

「さすがに、この数は、、」

無理と断ろうとすると、すすり泣く声があちらこちらから聞こえた。か細い声で、「マスター、おねがい」とか「やっとみつけたのに」とかそれはそれは心を抉るような泣き声が聞こえてくる。まるで迷子の子供のような、親を求める子供のような声に折れそうになった時、

「ましゅたーはぼくのでしゅ!あげましぇん!」

と赤ちゃんの声がしたと思ったら全ての画面が消えた。声のした下を向くと、青いコアがピカピカと瞬いていた。

「今の声は、お前か?何したの?」

「ましゅたーはぼくのでしゅ。あげましぇん!」

同じ言葉を繰り返された。

「うん。よく分かんないけど、分かったから何したか教えて?」

「みんにゃのつうちんをきょぜつしました。もうつうちんしてこれましぇん!」

少しドヤってる声が、妙に可愛く思えた。

「むっ?ひつこいでしゅね。でも、ましゅたーはあげましぇん」

なにやらコア同士でやり取りがあるらしいが、生まれたばかりの俺のコアがなんか強い?何百年とあるダンジョンコアも居るのに、完全に俺のコアが押してる。

「コア?銀のコアだけでもいいから通信通してもらえないか?」

「ましゅたーは、、ひっく、ぼくの、、うぇ」

「ちょっ、まっ、泣くな!話をするだけ、なっ?話すだけだから」

「う〰️」

唸りながらも、俺のお願いを聞いてくて

「あっ、青のマスター!良かった。通じた」

俺のコアが威嚇するみたいにビカビカ光ってるが、俺は疑問を銀のコアに聞いた。

「ここのコアは生まれたばかりなのに、お前達を押さえ込んでたよな?何でだ?」

「マスターが居るからだよ。居ない僕たちはどうしても力負けするの。青のマスター、青のコアを説得し僕たちのマスターにもなって欲しい。じゃないと他のコア達が癇癪起こしちゃうかも?やっと見つけたマスターだもん。お願いね」

お願いねって言われても、俺のコアを見るとなんでだろう?ただの珠で表情なんて無いのに、拗ねてるのがわかる。完全にへそを曲げていて、今は何を言っても聞き入れてもらえそうもないが、

「なぁ、コア?皆で仲良く出来ないか?」

「・・・・」

やっぱりダメっぽい。俺はコアを撫でて

「そろそろ行かないと、仲間が心配する。また後で必ず来るから、それまでに仲良く出来ないか考えてくれるか?」

本物の赤ちゃんだったらこんなこと言ってもわからないだろうが、俺のコアなら分かってくれると、なんとなくそう思えた。
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