末っ子神様の世界に転生した何の取り柄のない平凡な俺がちょっとだけ神様の手伝いをする

菻莅❝りんり❞

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創造神の神像に報告をしたら、ピカピカと二回光った。多分OKということだろう。

トレスト王国を出て、深い森を抜け、やってきました最初の町。町と言うにはどこもかしこもボロボロだ。しかも瘴気が充満している。

俺はすぐに浄化の魔法を使い、町を浄化した。因みにこの浄化魔法は、試練の時に変質したままだ。異世界の共同作業みたいになっている。

浄化のお陰で空気は軽くなったが、町はボロボロのまま。だけど、人はいたみたいだ。瘴気がなくなり、日も差してきたことで、何事と出てきたみたいだ。

俺達は足早にその場を後にした。その後も、行けども行けども、瘴気だらけ。一応人はそれなりに住んでいた。前半の町はよかった。瘴気がある時は、ゴーストタウンみたいだけど、無くなれば人が出てきたし。

だけど、少し大きな街になると、出るわ出るわのごろつき祭りに、死体の山。お経と言っても、「南無阿弥陀仏」のところしか知らないので、南無阿弥陀仏と唱えながら、浄化の魔法を使った。

すると、死体の山は光の粒になり、跡形もなく消えていった。死体が消えたことで、ごろつき達は逃げていった。

この元国をレジーがおさめ、俺達の新しい故郷になるのだからと、トーダに言われ、中央の元王都を除く全ての街町を浄化して回った。

気づくと、年も明けて3の刻。元王都以外の浄化が終わった。ごろつきの排除は追々するそうだ。

街町を回りながら、元王都の情報も仕入れてみたけど、誰も知らなかった。国の崩壊後は、町から出ると殺されると、言い伝えられていたので、誰も町の外にはでなかったとの事だ。

何の情報もなく、元王都に入った。至るところに人なのか、死体なのか、わからないけどいた。瘴気も今までとは比較にならないくらい濃かった。

俺はお経を唱えながら、浄化の魔法を使い、襲ってくるごろつきを、トーダ達が退けていく。

そうして、たどり着いた王宮跡地。そこには一人の人にたいして、大勢の人が襲いかかっていた。
しかし、誰一人彼に傷を負わせることはできず、殺されていった。しかも彼は笑いながら人を殺している。

その様が前世の記憶と重なった。間違いない、彼がアイツだ。遅れて鑑定くんも、彼だと認めた。

「トーダ、あのイカれたやつだ。あれが目標だ。念のために、単独のサンクチュアリを発動して」

俺は小声でトーダ達に指示した。俺も適当に簡易サンクチュアリの魔石をまいた。

「今から浄化の魔法を使う。多分あいつはこっちに攻撃をしてくると思うから、対応をお願い。絶対に死なないでね」

トーダ、アレン、ラインの順で俺の頭をポンと叩き、

「当たり前だ。ミクリも気を付けろよ。アレン、ライン。戦闘準備だ!」

「「おう!」」

俺はトーダ達が警戒態勢になったのを確認して、お経と共に浄化の魔法を使った。

すると、彼が不快感を顔にだし、こっちを見た。まるで獲物を見つけたようなにやけ顔になり、気づくと、トーダ達の前にいた。

しかし、さすがはトーダ。いち早く反応し、彼の攻撃を止めた。おどろいていたアレン達も、意識を切り替えて、攻撃を開始した。

俺は、俺の持てる全てのイメージと魔力を込めて、浄化に集中した。時折、マジックポーションを飲み、魔力を回復させながら、休むこと無く浄化の魔法をかけ続けた。

どのくらい経っただろう。トーダ達も傷だらけになりながらも、彼を俺に近づけさせないようにしていた。

するとそれは突然きた。彼の動きに迷いが出始めたのだ。

「ころ、して。ぼくを、ころ、して。もう、誰かを、あやめる、のは、いやだ」

それはおそらく、本来の彼なのだろう。神様達の話では、前世のあいつは魂でこちらにきて、こちらの人の体を乗っ取っているとこ事だった。
本来の彼は、心の優しい人だったのかも知れない。

俺は、本来の彼を助けたいとの思いも込めて、最大で浄化をかけた。
すると二つの声が重なりながら、叫んだ。

彼の体から、黒いもやのようなものが出て消えていった。彼自身もまた、光の粒になって薄くなっていった。
俺がおどろいていると、神様の声が聞こえた。

「ミクリさん、お疲れ様です。無事、あの人の魂は父が消滅させました。そして彼ですが、あのまま生きていても、自殺をしてしまいそうだったので、こちらへ連れていきます。魂の消耗の激しいので、ゆっくり休ませることにします。ご自分を責めないでくださいね、ミクリさん。ちゃんとミクリさんは彼を助けました」

神様の言葉も、今の俺には気休めにしか聞こえなかった。しかし、

「ミクリさんと、いうのですね。神様との会話、聞こえてました。助けてくれてありがとうございます。僕の心が弱いだけで、ミクリさんがご自分を責める必要はないのです。いつかまた会えたら、その時は友達になってください」

俺は泣くのを我慢するので精一杯で、声にだせず、何度もうなずくことで彼に答えた。
彼は、笑顔で

「ありがとうございます。ではまたいつか、会いましょう」

と手を振って、笑顔のまま消えていった。
トーダ達の「よく頑張ったな」の言葉で、俺は我慢出来なくなり、大声で泣いた。

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