知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞

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39 邪神の最後とエミルの死

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気がついた時には、私の中に何かが入ってきてた。その時から私は、心の深いところに閉じ込めらていた。

私じゃない私が、姉からも妹からも私物を奪っていくのを見ていた。

(やめて!そんなひどいことしないで!、、だれか、わたしをとめて)

あまりの酷さに、いつしか私はうずくまり、目を閉じ、耳を塞いだ。

それからどのくらい過ぎたのか、ふと優しく爽やかないい匂いがした。顔を上げると、猫獣人の男の子が見えた。

私じゃない私がその子を“番”だと言った。嬉しかった。番なら私を見つけて、助けてくれるかもと思った。

でも、番の子は私を拒否した。そのショックで、私じゃない私が、私自身を取り込むスピードが早くなり、私は闇に包まれた。

もうダメだと思ったとき、温かいぬくもりに包まれた。そして耳元で、「ごめんね」と悲しそうに呟いた番の子の声が聞こえたと思ったら、背中に何かが刺さる感覚がした。

そのとたん、私じゃない私が苦しみだし、私を包んでいた闇に隙間ができた。私はその隙間に手を伸ばした。


ーーーー

俺は手にしたナイフに破邪の魔法をかけ、エミルを抱きしめると同時に背中に刺した。

本当のエミルに届くかわからなかったけど、色々な思いをのせて、エミルに謝った。

「ごめんね」

と。破邪の魔法が効いたのか、邪神が苦しみ出し、俺の腕のなかで暴れた。しかし逆に、俺はその腕に力を入れ、絶対に離さなかった。

「“ぐっ、離せ!なぜ簡単に番を殺せる!しかも、破邪の魔法まで!この世界の神はどこまで私の邪魔をする!離せ!”」

「簡単に、殺せるわけないだろう!助ける道を探した!お前からエミルを救う方法を探した!父上達だって協力してくれた!でも!神であるお前が完全に復活しては、俺達の手におえなくなる!こうするしかもう、方法がなかった!無かったんだ、、」

だんだんと暴れる力も弱くなり、立っていられなくなったのか、下に重心がかかり、俺はエミルと一緒にしゃがみこんだ。しかし、その手は決して離さなかった。完全に、邪神が消えるまで

「“どこで、私は間違えた?邪神になんてなりたくなかった。こんな醜い姿になりたくなかった”」

「・・・」

知らない、そんなこと。ただわかってるのは、俺がこの手で、番を刺している事実だけだ。そうさせたのが、この邪神だという事だけだ。

邪神に対する憎しみよりも、いまは番の命が今このときも、一刻一刻と消えている事への、喪失感で力が抜けそうになるのを、我慢する事に必死だった。

「“ふん。気の利かない男だね。泣いている女を慰める言葉の一つもないとは”」

邪神が何か言っているけど、もう俺にはそれに答えるだけの余裕がなかった。だけど、突然一人の男が俺達の前に現れた。

『なに俺以外の男から、慰められようとしているんだ?って、俺がいえた義理ではないか。ごめんな、クレハ』

「“テオ、、なんでここに”」

『うん。君が邪神になったって聞いて、慌てて出張先の世界から帰って来た。クレハ、ごめんな。君の話もろくに聞かずに君を傷つけた。出張先の世界の友達に、君との事を話したら怒られたよ。俺が悪いって。帰ったらちゃんと話し合えって。でももう遅かった、俺のせいで邪神にさせてごめん』

「“・・聞いてもいい?なんで、あんなに近い距離でユーリと話してたの?”」

『あー、あれな。あれは俺の距離感がそもそも近いらしい。ユーリ以外には、近すぎだからもう少し離れろって言われるから離れるんだけど、ユーリは何も言わないからそのままの距離で話してるだけだったんだ』

「“近すぎるって言われてたなら、自分で気をつけててよ。だったらよく、ユーリの髪に触れてたのはなんで?”」

『近い距離で話してると、よくユーリの髪が俺のボタンに絡まるから、それをほどいてただけだ』

「“なんか、いちいち嫉妬してなのがバカらしくなったわ。ユーリもだけど、テオもテオだよ。変に嫉妬しないで、話し合えば良かったね、私達”」

『そうだな。少年も悪かったな。俺達の事で巻き込んで』

つまりは、ただの痴話喧嘩に壮大に巻き込まれただけだった。ただただやるせない、そんな感じだ。

「なか、ないで。ルイス、殿下。最後に、お目に、かかれて、良かった。、、お願い、聞いて、もらって、いいですか?」

「エミル?本物?」

エミルは小さくうなずいた。

『クレハがその子を解放したんだろう。でも、完全にはもう解放してあげられないみたいだけどな』

テオという男神を見てから、またエミルを見た。

「お願いって?」

「お姉様、達に、ごめんなさいって、、それと、お父様、と、お母様、には、親、不幸で、ごめんな、さいと、兄や、弟にも、ごめんな、さいって、伝えて、もらえますか?」

「ああ、伝えよう。俺もごめんな。俺のせいでこんなことになって」

「ううん。殿下の、せいじゃ、ないです。もう、ご自分を、責めないで、、お会い、できて、よ、か、った」

「エミル?エミル!エミル!!」

俺の叫びに、皆が集まった。そして、エミルの死に皆が涙した。

『グヴァルガ。クレハとこの子の魂、回収成功した。本当に、助けられるのか』

『ああ、ここにはこんなに神が集まってんるだ。やってやれないことはないさ。すぐに戻ってきてくれ』

男神はそっと、この場を去った。

エミルの葬式の後、俺は学園を自主退学し、しばらく部屋に閉じ籠った。
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