初恋音物語

海音

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初恋音物語#8みんなの前で

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#8みんなの前で

「お腹すいたぁ~、ってもう昼じゃん!!」

未来は目覚めて早々大声を上げた

「おはよう」
「おはよう」

海音と凛が未来にあいさつをする

「おはよう~」

未来もあいさつを返した

「凛、せっかく来てくれたのに寝ちゃってごめんね。海音も来てくれてありがとう」

未来は笑顔を見せた

「また....作った」

凛は呟いた

「もう、嘘つかなくて大丈夫だよ」

凛は悲しい顔をして言った。

「完璧だったのに」

未来は周りに聞こえないくらいの声で呟いた。

「よくわかったね、凛」

「でも....無理なんだよ!!私は凛みたいに人気者じゃないから!偽って笑顔でも作らないと生きていけないんだよ!!」

未来は声を上げた。

「そっ...そんなこと..」

凛は言葉が見つからずに黙ってしまった

「私、今でもあの時あのまま死んじゃいたかったなって思ってる!!でも、凛と海から音のおかげで変われるって思えた!...でも、結局変われなかった!!」

「どうして...どうして....死なせてくれないの?私にとって生きることは死ぬことより辛いのに」

(2人ともごめんね)

(でも、こうでもしないとまた2人に迷惑かけちゃうから)

「出てって!!」

未来は大声で叫んだ

海音と凛は黙って病室を出て行った。


(やっとだ、これでまた独りぼっちだ)

未来は心の中でそう言った。


「初音さん、検査をしますのでこちらにいらして下さい」

看護師に呼ばれ未来は病室を出た


「はいじぁ検査始めますね」

「はい」

未来はお医者さんに冷たい返事をした。


一通り検査を終えた未来にお医者さんが

「ちょっと、笑顔になってみてください」

と、言った

「えっ?」

未来は困惑したが、言われた通りに笑顔を作ろうとした


(笑顔ってどうやって作るんだっけ)

未来の頭にそんな事がよぎった

「できません」

未来はそう言った

「どうしてかね?」

尋ねるお医者さんに

「わからないんです、笑顔の作り方が」

未来はそう答えた

「そうか、まぁそのうち自然に笑えるようになるよ」

お医者は笑顔でそう言ってくれた

未来はその言葉に何の感情も抱けなかった。

そこからは毎日のように検査をして、精神ケアの為と言って感動するようなアニメを観させられたり、人が死ぬドラマを観させられて、毎回感想シートに感想を書かされたり。

でも、書く内容は観なくとも決まっている

「何も思わなかった」


今日は中学生同士の恋愛を描いた青春アニメを観させられた

いつも通り感想シートとシャーペンと消しゴムを渡された

「羨ましい」

未来はそう書いていた、いつもとは違う感想

アニメの内容は今の未来とは正反対だった。


(本当の事書いちゃった)

未来は後になって自分がした事を後悔した

(偽らなきゃいけないのに)

「なんで!なんで!なんで!!」

未来は泣き叫んだ

脚を必死に動かしてベットと固定されている鎖を取ろうとしたり、腕を血が出るまで掻き毟ったり

看護師に抑えられても、必死に続けた。


死にたい、その一心で。


未来の呼吸はどんどん荒くなっていき、やがて普通に呼吸をするのも難しくなっていった

それでも未来は動き続けて、未来は意識を失った。


数時間後


未来は目を覚ました、横に目をやるとそこにはお母さんが椅子に座っていた

お母さんは何も言わずに未来の頭を撫でようとした

「触るなっ!」

未来はお母さんの腕をつきはねた。

「笑ってよ...心の底から、自分に嘘をつかないで...」

お母さんは顔を抑えて泣いていた

「嘘じゃないよ」

追い討ちを掛けるように未来ははっきりと言った

未来は入院着の袖をまくって掻き毟った傷痕を見せつけながら

「この傷も自殺しようとしたのも全部本当だよ!なにも知らないくせに勝手な事を言うな!!」

未来は強い口調で言った。

「偽らなきゃ....偽らなきゃ生けていけないんだよ!」

未来は初めて胸の内をお母さんに言った。

お母さんは何も言わなかった

でも、その頬には大粒の涙が流れていた。


お母さんは何も言わずに未来に抱きついた

未来はお母さんを突きはねようとしても何故か力が入らない

未来は為す術もなく、されるがままにお母さんに抱きしめられていた。

「し..死ぬんだったら....最後に...笑って見せてよ..」

お母さんは泣きながら言った


「私だって...」

未来は何かを言いかけた

(ダメだ、本当の事を言ったら)

未来は心の中で繰り返し言い続けて自分を説得しようとしていた

(ダメだダメだダメだ)

何度言い聞かしても口が勝手に開いてしまいそうになる


「私だって!本当は心の底から笑って、泣いて..でも、もうできないんだよ!それをしたら...みんなに迷惑を掛ける、だから周りに合わせて笑顔を作って...生きていかなくちゃいけないんだよ!でもそんな生き方するくらいなら....死んだ方が良い..」

未来は叫ぶように言った

「海音とも凛とも最初から出逢わなければ良かったんだ..苛められて、独りで嗚咽しているくらいの方が性に合ってるんだ」

未来は下を向いた

そのまま、未来はベットに倒れ込んで布団で顔を隠した。


(まただ...結局は....)

未来の枕は涙で濡れていた。


次の日


未来は昨日の事が嘘かのように明るく振る舞った。

看護師さんやカウンセラーの先生もびっくりするほどの回復ぶりだった

「先生~」

っと、何も用事がないのに笑ってみせたり、今まで一言も話さなかった同い年の子と話してみたり

そうして1日が終わった

未来は疲れてベットに倒れ込んだ

「うまくできたかな」

未来は独り言を溢す。


「ねーねー」

不意に掛けられた声に未来は思わず振り向いた、そこにはしゃがんでベットを覗き込んでいる女の子の姿があった

「あなたは...誰?」

自然と声が出た

するとその女の子は笑って

「私は仲村好亜、好亜って呼んで!」

「い..あ...?」

「そう!好亜!!」

好亜は嬉しそうに言う

「えっと...私は初音未来」

未来も自己紹介をする

「もー知ってるよ!ドアの所に書いてあったから」

好亜は本当に楽しそうだった

「でも、何でこんな時間に?見つかったら怒られちゃうよ」

未来は好亜に尋ねた

「だって....友達になりたかったんだもん!」

好亜は頬を膨らませて言う

「友達...私と..?」

未来は不思議そうな顔をする

「そうだよ」

「ダメ....?」

好亜は悲しそうな顔をする

「そうなことないよ、友達になろ」

未来は慌てて言う

「良かった!」

好亜は嬉しそうに笑った


その後しばらくの間、未来と好亜は他愛もない話をして笑っていた。

気がつけば窓から明るい日差しが差し込んでいた

「もー朝かー」

未来がそんな事を言うと

「私もそろそろ自分の部屋に戻らないと」

好亜はそう言って立ち上がると

「今日の夜も来て良い?」

未来に聞いた

「良いよ!楽しみにしてるね!!」

未来は笑顔で答えた

「やったー!私も楽しみ!!」

そういって好亜は未来の部屋から出て行った


(どえして...私なんかと..でも、楽しかったな)


未来の顔にふと笑みが溢れた。


(早く会いたいな)

そんな気持ちが未来の中に芽生えていた

いつも通りのカウセリングで

「友達はいる?」

そんな質問をされた。

大した質問ではない今までも数回聞かれている

今までは

「いない」

その一択だった、でも今回は

「いる」

そう答えた

「誰?」

カウンセラーの質問に未来は

「言いません」

そう言い切った

「どうして?」

「言いたくないから」

(これは私と好亜だけの秘密だから...)

未来は胸の内でそう呟いた

「どうして言いたくないの?」

しつこく聞いてくるカウンセラーに

「どうして言わなきゃいけないんですか?」

冷たい目をして言った。

「知りたいから」

カウンセラーの人は答えた

「知ってどうするんですか?私の事なんて何にも知らないくせに綺麗事を言うな!」

未来は怒鳴るように言った

カウンセラーの人は一瞬身構えて後、すぐに身体の力を抜いてこう言った

「寄り添ってあげたいから」

「未来ちゃんの言う通り私は未来ちゃんの事を何も知らないかもしれないし何も理解してあげられないかもしれない、でも、だからこそ一番近くで寄り添っていてあげたい」

「すぐにとは言わない、いつか未来ちゃんの心の拠り所になれたら良いなって」


「い..あ..」

未来は消え入りそうな声で言った

「ん?」

聴き取れなかったカウンセラーの人が聞き返してきた

「い..い..あ...」

未来は気持ちと相反するように口が動かなかった

(頑張れ!私!!)

未来は心の中で自分を励ました

「好亜」

やっと出た、言いたかった言葉だ


カウンセラーの人は予想外の答えだったのか一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐに笑顔に戻って

「良い友達を見つけたね!」

と、言った。


消灯後


「未来!」

楽しみにしていた声が未来の耳に聞こえた

「やっときた!好亜!」

早く好亜とお話したくて仕方がなかった未来は喜びの笑みを浮かべる

それを見た好亜も笑った。

未来は今日あった事を話し始める

「今日ねカウンセラーに’友達はいる?’って聞かれてね」

「いる」

「って答えたんだ」

「いつもは''いない"って答えてたのに、これも好亜のおかげだよ!ありがとう!」

未来は笑ってみせた

「カウンセラーさん...驚いてなかった?」

ちょっと暗い声で好亜は尋ねた

(そういえば...)

未来はカウンセラーさんの反応を思い出した

「もしかして...言われるの嫌だった?..」

未来が申し訳なさそうに言うと

「ううん!なんでもない!」

好亜は笑った。


「我慢しないで....」

未来の言葉に好亜の笑顔は消えた

「そんなこと...」

「無理しないで!」

未来は強い声色で好亜の言葉を遮った

「ごめんなさい...でももう嫌なの私せいで周りの人が不幸になっていくのは!...耐えられない..。私ね昔は”よく笑うね”って周りの人達から言われてたのでも小学2年生の時にお父さんが事故で亡くなっちゃって..その時から笑えなくなった、そうしたら友達もいなくなって気づいたら独りぼっちになってた。独りになるだけならまだ良かった、でも中学生になってからは苛められるようになって、もう何もかもわかんなくてどうでもよくなっちゃって....」

「あっ、ごめんなさい..また、抑えられなくて」

未来は我に帰ったように話をやめた

「もっと、聴かせてよ」

好亜は優しい声でそう言った

「どうして...?」

消え入りそうな声で未来が聞くと

「うまく言葉にできないけど..私と未来ってなんかすごく似てる気がするから!」

好亜は笑った

「本当に良いの?」

好亜はこくんとうなずいた

「私、本当は根暗で人前で話したりとか自分の意見を言ったりとかするのは苦手なの、でもそうじゃいけないと思って周りと合わせて笑ってみたりしてるうちに気づいたらそれが当たり前になって...でも、それでも苛められて...でもね、それでも見捨てずに助けようとしてくれた子がいたの...すっごく嬉しかった、救われた気がした....結局ダメだったけどね」

未来は苦笑した

「もしかして..その助けてくれた子って...”かいと”って子?」

未来は核心を突かれ動揺した

「やっぱりか~」

好亜はニヤニヤし始めた

(なんか前にも似たような事があったような..)

未来はそう思いつつ

「たっ、、ただの友達だからっ!」

っと必死に誤魔化そうとするが、もう手遅れだった

「彼氏さんでしょ」

好亜に言われ未来は認めざるを得なかった

「ねーねー、未来の彼氏さんってどんな人なの?」

好亜は食いつくように質問してきた

「えっと...私が初めて好きになった人」

未来の頬は紅くなっていた

「へ~」

好亜のニヤニヤは増すばかりだ

「もー!恥ずかしい!!」

未来はベットの隅に寄せてあった布団で顔を隠した。

「もー恥ずかしがっちゃって~」

好亜に言われるほどどんどん顔が紅くなっていく

「彼氏さんとは普段どんなお話してるの?」

その言葉に未来は自分の言った言葉を思い出す

(出てって)

(酷いこと言っちゃったな)

「おーいおーい」

好亜の呼び掛けで自分がぼーっとしていたことに気がついた

「あっそうだ!」

好亜は何かを閃いたように言うと未来のスマホを手に取った

「えへへー、彼氏さんとのトーク履歴を見てやるっ!」

と、言った好亜は未来のスマホを操作してメッセージアプリを開こうとした

「ちょ..!ちょっとやめてー!」

未来は慌てて止めに入るが時すでに遅し、未来のスマホには海音とのトーク画面が表示されていた

未来は慌ててスマホを取り上げた

「もー!!」

未来は頬を膨らます

「えーもっと見たかったのに」

好亜は残念がるように言った

「あっ、私明日朝からカウンセリングがあるから、今日はもう行くね」

「わかった、おやすみ」

「おやすみ~」

そう言って好亜は自分の病室えと戻って行った。


(今日は久しぶりに本当の事を話せたきがする)

未来はとても安心した気持ちになって、気持ち良く眠りについた。





いつも通り、カウンセリングが始まった

(そういえば、伊亜も今日は朝からカウンセリングって言ってたからもしかしたらどっかで会えるかな)

なんて事を考えていると、診察室のドアの窓から好亜らしき人が通りすぎるのが見えた

「あっ...」

未来は立ち上がってドアを開けた

「好亜ー!」

未来は大きく手を振った

振り返った好亜は一瞬未来の方を見てから冷酷な表情で

「チッ」

と、舌打ちをして去って行った

「えっ....?」

あまりの驚きに未来は言葉が出なかった

好亜は強張った未来の表情など気に一つしなかった

「どうして.....」

未来はその場に崩れ落ちるように座り込んだ

未来の目からは大粒の涙が数滴、頬をつたっていた

(ダメだ。)

未来は走り出した、独りになりたかった

走って、走って、転んでも、あてもなく走った

階段を駆け上がって、屋上へ出る扉に思いっきりぶつかった。

扉には鍵が掛かっていて開きそうにない、下からは後を追ってきたカウンセラーや看護師さんの声が聞こえる

「やめて....こないでっ!!」

未来は叫びながら体を扉にぶつけ続けた

追手の声が間近に迫ってきた時にようやく扉が開いた。

未来は覚束無い脚で屋上の柵を越える

冷たい風が未来の髪を揺らす

「気持ち良い....」

背後から私を止める声が聞こえる

「うるさいなーw」

未来は笑顔で振り返った

「ははっ!」

未来は高らかに笑って言った

「今までありがとうございました」

「さようなら」

そう言うと未来はそのまま倒れるようにした飛び降りようとした

「未来っ!」

未来は手を掴まれた

「ごめんない...ごめんなさい..」

そう言って涙を流しながら未来の手を掴んでいたのは

好亜、だった...

「離してっ!」

未来は体を揺らして手を外そうとする

「絶対に離さないからっ!」

そう言って好亜は力一杯未来を引っ張った。

柵の内側に引っ張り上げられた未来は

「あとちょっとだったのに、余計なことしないでよ!」

と、好亜に怒鳴った。

好亜は少し黙った後に

パチンッ!

未来の頬を強く叩いた

未来は何も言わずに黙った

それを見た好亜は

「死んじゃダメ!私が悲しむから!」

叫ぶように言った

「えっ.....」

困惑して溢れた言葉

「わかんない」

未来はそう言った

「どうして、私が死んだら悲しむの?」

「それは....」

好亜は突然の質問にうまく言葉を出せずにいると

「やっぱり」

未来はそう言ってゆっくりと立ち上がって再び柵を越えようとした

「所詮....所詮結局は上っ面の綺麗事なんだよ....大丈夫とか..見方だよとか...好き..とか...全部..」

柵を両手で掴みながら言った

好亜は何もできずにいる

「でも、ありがとう」

「たとえ嘘でも、そう言ってくれて」

未来は柵に足を掛けた


その時


「未来!!!!!!」

「未来!!!!!!」

海音と凛だった。

「もー2人まで来ちゃったら、お別れできなくなっちゃうじゃない..」

未来は掠れた声で言う

柵に触れた手の甲には大粒の涙が滴り落ちていた

(どうして.....)

「ダメ.....」

未来は今にも体がみんなの方へ走り出しそうで柵を強く握りしめた

でも、身体は正直だった。

未来はみんなの方に思いっきり走っていた、みんなが未来を抱きしめてくれる

(体が勝手に....私はこんな事望んでないのに)

(うっ...頭痛い)

その痛みはどんどん強くなっていき、我慢できないほどの痛みで未来は地面に這いつくばるように蹲った

「大丈夫」

みんなが心配をしてくれる

「でも、このまま死ねるなら」

「そんな事言っちゃダメ!!」

未来の言葉に好亜が言った、凛も続くように

「そうだよ未来、また一緒に遊びに行くんだから、絶対」

「私の為にそんな事を言わないで..」

苦し紛れに未来は言う

「未来の為なんかじゃない!私は私の為に言ってるの!!また未来と一緒にお喋りしたり遊びに行ったりしたいから!!!」

「そうだ未来、みんな未来のことが大好きなんだ。だから...」

「生きろ」ってそう言いたいの?

言葉が詰まった海音を追い詰めるように言う

「じゃあどうやって!生きれば良いのか教えてよ!もう...わかんないよ!!」

未来は自分を殺すかのように屋上の床を殴った

「やめて未来!!」

好亜が未来の腕を掴んだ

「やめて!」

未来が振り払おうとしても好亜は強く掴んで離さなかった

「気持ち悪いんだよ!」

「えっ....」

未来がそう言った途端に好亜は手の力が抜け落ちて行くのを感じてそのまま未来に振り飛ばされてしまった

好亜はそのまま飛ばされて柵にぶつかった

好亜は柵に寄り掛かったまま動かない

周りが好亜に駆け寄ると

「私は大丈夫だから」

とだけ言った

「あっ...」

未来も自分がしてしまった事の重大さに気づいて好亜に近づく

「ごめんなさい」

未来は謝った

「私は大丈夫だから...ちょっと昔の事思い出しちゃっただけ..」

好亜は頭を抑えながら言った

「でも...」

どうしたら良いのかわからない未来に好亜は言った

「じゃあもう、自殺なんてしようとしないで」

「えっ...」

未来は何を言っているのかわからなかった。

「もう死のうとなんてしないって約束してくれないと絶交だから!」

叫ぶように言った好亜に思わず未来は後退りをした。

「どうして...?」

未来の頭の痛みは増していく一方

(プツン)

心の中で何かが切れた気がした。

そのまま未来は意識を失いその場に倒れた




どれくらいの時間がたったのかはわからない。

未来は気がつくと自分の病室のベットの上にいた

何人かの人が私を覗き込んでいる

未来はぼやけた目を擦って自分を覗き込んでいる人を見た

「誰..ですか?」

「えっ」

未来の言葉に周りは静まり返った

「覚えてないのか..?」

海音が心配そうに言う

「なんのことですか?」

未来が首を傾げた

「いや...なんでもない..」

海音は話をはぐらかした。

「えーっと、みなさんはどのような御用件で?」

「えーっと...お見舞いにきたの」

空気を読んで凛が言った

「未来は高熱でこの病院に運ばれたの今は起きたばっかで混乱してるかもしれないけど、すぐ落ち着くと思うから大丈夫!」

凛は未来を勇気付けるように言った

「わかりました」

未来は少し首を傾げて言う。









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