気が付いたら異世界で孤児だったけど、立派な宇宙海賊になってみせます~貧民惑星から始める転生成り上がり銀河無双~

渋谷千立

文字の大きさ
27 / 68

初めての大規模戦(前編)

しおりを挟む
「こちらケルベロス・スロット宙域駐留艦隊、提督リサだ。まもなく砲撃を実行する。各位、準備はいいな」

「マリナ、ハイペリオン発艦。ヘッジホッグの横につけ」

「りょうか~い。ハイペリオン、発艦しま~す」

「お前、顔赤くないか?まさか大事な仕事の前に飲んでんじゃないだろうな?」

「うわっ、ばれた。ちょっとだけだよ。でもこれくらいなら全然大丈夫。調子いいんだ、ホント」

「壊したらお前の取り分から差っ引くからな、ちゃんと気をつけろよ」

「えー、それだけは勘弁してよ。艦長、頼むよ~」

「仕方ねぇな、今回は大目に見てやる。今回だけだからな」



「よし。こちらヘッジホッグ、準備完了」

「準備完了」

「こちらもだ」

次々と準備完了の通信が入ってくる。

「よし。全機の準備完了を確認した。これより砲撃を開始する」

「帝国軍、レーザー砲撃開始!銀河の果てまで光を刻み込め!」

艦隊の主砲群が一斉に唸りを上げ、閃光の束が虚空を裂いた。

鋭い青白い光線が敵拠点へと一直線に伸び、その熱量とエネルギーが冷たい宇宙を焦がす。

轟音ではなく、鋭く鋭敏な振動が艦内に伝わる。まるで宇宙が一瞬息を呑んだかのようだった。

「敵主力に大きな損害を確認。残党が続々と出てくる!」

敵拠点から無数の艦影が湧き出るように現れた。よし、俺たちの出番だ。

「アイカ、脳波コントロールシステム作動。準備しろ」

「了解。脳波コントロールシステム作動。操縦権を艦長に移譲」

視界が広がる。艦のすべてが俺の頭の中に入ってくる。

「つっ」

頭痛がする。だが、前よりはましだ。

「艦長、大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。アイカ、攻撃開始!」

「了解。主砲レーザー、発射準備完了。ミサイルターレットも全開放。撃ちます」

鋭い青白い光線が敵艦を次々と焼き尽くし、運よく回避した敵も追尾ミサイルの餌食となる。

「ハイペリオン、前に出ろ!マリナ、出番だ!」

「りょ~かい!まかせて!」

ハイペリオンが敵艦に突進。敵の攻撃を巧みにかわしながら、すれ違いざまにレールキャノンを叩き込んでいく。

こんな時、マリナの腕前が本物だと改めて思い知らされる。



敵拠点からはまだ無数の艦が飛び出してくる。光の筋が空間を切り裂き、無秩序な軌道で散開する。

「敵、接近中。艦種混在──民間船改造型、小型強襲艇、中型砲艦確認。数、およそ三十!」

「……よし。これより交戦開始。アイカ、主砲レーザー、全門開放」

「了解。主砲ユニット、充電率96%、臨界到達まで3秒……2、1──撃ちます」

白熱する光柱が、空間を抉るように直進し、先頭の中型砲艦を真正面から貫いた。防御フィールドを突き破ったレーザーが艦体を粉砕、爆炎が宙域に拡散する。

「命中確認。1番艦撃沈。次、2、3、4番艦──ミサイルシークロック、カウント開始」

「補助兵装、全自動照準開放。アイカ、ミサイル防衛も頼む」

「迎撃システム、起動。対艦ミサイル、全門発射」

無数のミサイルがヘッジホッグから放たれ、四方に拡散していく。赤い光をまとい、敵艦を一機一機ロックオン。その追尾軌道は、まるで蛇の群れのようにうねる。

「敵艦、回避行動──しかし遅い!」

ミサイル群が爆発を巻き起こす。三体の小型艦が吹き飛び、もう一体は翼をもがれスピンしながら制御不能に。

「マリナ、ハイペリオン、前へ!敵の中央ラインを突っ切れ!」

「りょーかいっ!任せといてっ!」

ハイペリオンが加速。機体下部の姿勢制御ノズルが噴射を繰り返し、異様な機動で敵陣へ突っ込んでいく。

「こっちはこっちでやるよっ!」

敵の照準ビームが何本も飛び交う中、マリナは身をくねらせるように回避。シールドをギリギリでかすめるレーザーが装甲に焦げ跡を残す。

「ハイペリオン、レールキャノンチャージ、発射!」

超高密度の弾丸が敵艦に直撃。中央ブロックを貫通、内部から爆裂し、艦はくの字に折れ曲がって炎上。マリナが再び加速して離脱した直後、その艦が破片の雨になった。

「はぁ~、気持ちいぃ~!これだよこれっ!」

「喜んでる場合か、マリナ!数が減らねぇぞ!」

「おっけーおっけー、まだ弾はあるからね!」

その間にも、敵の小型艦が左右から包囲するように接近。

「アイカ、ドローン隊、出せ!360度防衛網構築!」

「はい。攻撃型ドローン、全ユニット展開」

ヘッジホッグの側面ハッチが開き、20機以上のドローンが飛び立つ。各々がレーザーガンとEMP弾頭を搭載し、群れをなして敵艦へと向かう。

光と音の洪水。ドローンたちの集中砲火が敵の機関部を狙い撃ち、次々と機能停止に追い込んでいく。

「EMP直撃、敵艦システムダウン確認。次、左舷艦へ展開します」

「艦長、前方に大型艦を確認。主力かと思われます」

「座標ロック、距離は?」

「4万キロ、接近中。エネルギー反応大──主砲チャージの兆候あり」

「先に撃たせるな。アイカ、主砲全門、リミッター解除!」

「了解、最大出力レーザー、照準ロック完了──撃ちます!」

撃ち出されたレーザーが宙域を引き裂き、巨大艦の砲塔部を直撃。次の瞬間、内部で連鎖爆発が発生し──

敵の主力艦が、光の泡に包まれるように崩れ落ちた。

「旗艦沈黙ッ!敵の陣形が崩れ始めてる!」

「──よし、今だ!全艦、突撃!」

ヘッジホッグが先陣を切り、残存する帝国艦・傭兵艦が続く。

この時、銀河の一点に、まさに“光と音の嵐”が巻き起こっていた。



「──これで、この辺りは片付いたか」

「はい。敵艦、レーダー反応なし。指定宙域の敵艦、全滅を確認しました」

「よし。マリナ、いったん戻って補給。再発進の準備もしとけ。アイカ、残弾とエネルギーチェック」

「了解。……残弾43%、エネルギー残量60%。戦闘継続は可能です」

「ハイペリオン、着艦完了。今から燃料と弾薬、補充するね~」

モニターに映るマリナの顔は、どこか満足げだった。派手に暴れた後だというのに、まだ余裕がある。

……まだまだ戦えそうだ。──戦いは、終わっていない。

「よし、これから味方の援護に向かうぞ」

味方の宙域に到着した瞬間、通信が飛び込んでくる。戦闘は、まだ激しさを保ったままだ。

「こちらヘッジホッグ。これより援護に入る」

「助かる! 生きのいいのが一機、暴れ回ってるんだ。そいつを任せてもいいか?」

「了解した。そいつは俺たちが仕留める。任せとけ」

「聞いたか、マリナ? ぶちかましてやれ」

「りょ~かい! さっきのぶん、もう一発いっちゃうよ!」

「ハイペリオン、補給完了。いってきま~す!」

ハッチが開き、ハイペリオンが加速して飛び出す。
火線の海に突っ込んでいくその機影は、まるで獣のようにしなやかだった。

「アイカ、マリナのサポートを頼む。他の艦、近づけるな」

「了解。全周レーダー展開、敵接近予測ルート制御完了。──虫一匹、近づかせません」

──さあ、次は第二ラウンドだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成
ファンタジー
「異世界転生して天下を統一したら元の世界に戻してあげる」 大学生の明彦(あきひこ)は火事で死亡した後、転生の女神にそう言われて異世界転生する。 だが転生したのはなんと14歳の女の子。しかも筋力1&武器装備不可! 降り立った場所は国は三国が争う中心地の激戦区で、頼みの綱のスキルは『相手の情報を調べる本』という攻撃力が皆無のサーチスキルというありさま。 とにかく生き延びるため、知識と口先で超弱小国オムカ王国に取り入り安全を確保。 そして知力と魅力を駆使――知力の天才軍師『諸葛孔明』&魅力の救国の乙女『ジャンヌ・ダルク』となり元の世界に戻るために、兵を率いたり謀略調略なんでもして大陸制覇を目指す!! ……のはずが、女の子同士でいちゃいちゃしたり、襲われたり、恥ずかしい目にあわされたり、脱がされたり、揉まれたり、コスプレしたり、男性相手にときめいたり、元カノ(?)とすれ違ったりと全然関係ないことを色々やってたり。 お風呂回か水着回はなぜか1章に1話以上存在したりします。もちろんシリアスな場面もそれなりに。 毎日更新予定。 ※過去に別サイトで展開していたものの加筆修正版となります。

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜

咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。 そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。 「アランくん。今日も来てくれたのね」 そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。 そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。 「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」 と相談すれば、 「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。 そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。 興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。 ようやく俺は気づいたんだ。 リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

処理中です...