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焦らし②
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4. 等閑視の屈辱
夕食後、新城はソファの隅に深く背を預け、流れるニュースに意識を固定しようと努めた。内腿の施術部位は、痛み止めを内服しているにもかかわらず、皮膚の奥でチリチリとした持続的な主張を続けている。
針の往復が残した傷跡が、神経を逆なでするような疼きとなって、新城の注意を執拗に惹きつけた。
リビングを満たしているのは、テレビの音声と、羽生のノートPCから響く規則的な打鍵音だけだ。テーブルに向かう羽生の横顔は、冷たいほど整っていた。
視線は画面から一度も逸れず、新城のほうへ向けられる気配はない。
新城は組んだ腕に力を込め、内側から溢れようとする熱を物理的に押し込めようと試みる。羽生がキーボードを叩く乾いた音が、静寂の中で、新城自身の乱れた鼓動を異常なまでに際立たせた。
新城:(この疼きを、別の何かに変換するな。……これはただの、施術の代償だ)
この感覚は痛みだと、新城は自分に言い聞かせる。
そうでなければならない、と。
だが、羽生が指一本触れてこないという事実が、新城のプライドを鋭く逆なでする。なぜ来ないのかという苛立ちと、――来ないと分かっていて待っている自分への嫌悪が、胸の中で激しく衝突していた。
ニュースが一区切りつき、CMへ移る短いジングルが鳴り響いた瞬間、打鍵音が止んだ。
新城の呼吸が、凍りついたように止まる。
しかし、羽生は新城を視界に入れることさえせず、静かに立ち上がった。その動作は、あくまで生活のルーティンをこなす同居人のものだ。羽生はリビングの隅にある操作盤へ向かい、風呂のスイッチを入れた。
「ピピッ」
無機質な電子音が、静かな室内に冷たく響く。
自分という生身の人間がこれほど熱を帯びている横で、羽生が「日常の瑣末なこと」を優先したという事実に、新城の理性の壁が軋んだ。自身の切実な渇きが「ただの日常」として等閑視された屈辱が、内腿に刻まれた赤い印の熱を容赦なく増幅させた。
5. 平静の偽装
スイッチを入れ終えた羽生は、そのまま迷いのない足取りでサイドテーブルへ戻り、再びPCの画面に向き直る。そして、キーボードに指を置く寸前。
新城の理性が悲鳴を上げるのを確信したかのように、針のような視線が新城を貫いた。
それは顔を避け、ガウンの隙間から覗く内腿の、あの「目」が刻まれた一点へ、真っ直ぐに落とされた。
新城の全身の神経が、その一点に逆流する。
新城:「……っ」
喉の奥で、断絶したような呼気が漏れた。理性の糸は、今にも千切れそうな音を立てて張り詰めている。
羽生は、その吐息を一瞬だけ聞き取ると、何事もなかったようにキーボードへ指を戻した。
新城は、ソファから立ち上がると、羽生の視線を背中に感じながら、静かにリビングを後にした。
洗面所へ向かい、鏡に映る自分の顔を見る。彼は、スウェットを脱ぎ捨てた。そして、内ももの施術部位を刺激しないよう、細心の注意を払って下着を脱いだ。鏡には、火照った肌と、完全に無防備な姿が映る。
新城は、タオルを温かい湯で湿らせて絞ると、手際よく拭き取りを始めた。一刻も早くこの熱から解放されたいという明確な目的が、その動きを一切の無駄なく迅速にさせていた。
温かいタオルの湿った熱が肌に触れる。温かさは血液を巡らせ、皮膚の感覚を逆に鋭敏にし始めた。
彼は、腹部、そして下腹部へとタオルを移動させる。
温かいタオルの湿った熱と、生地の摩擦が、体温が上昇した肌に触れる。皮膚の感覚が鋭くなり、汗を拭うという迅速な動作が、ひどく生々しく感じられた。彼は、タオルが下腹部や太ももの上部を拭うたびに、身体がゾクッと震えるのを自覚した。その刺激が、拒絶しようとする理性を嘲笑うかのように、熱をより深い場所へと引きずり込んでいく。
彼はタオルを止め、内ももの施術部位に視線を落とす。赤い印の上には、保護フィルムが厳重に貼られている。
新城はタオルを避け、フィルムの上から自分の指先で、赤い孔雀の目の輪郭をそっと押した。温かいタオルで拭いた直後の敏感な肌で、フィルムの下から伝わるチリチリとした痛みと、確かな熱を感じる。
新城は、新しい下着を慎重に身に着け、熱が冷めきっていないことを自覚しながら、新しいスウェットを手に取った。羽生がまだPC作業に戻っているという苛立ちを抱えながら。
新城は、リビングの隣の書斎へ滑り込んだ。デスクの資料を静かに整理して、羽生がシャワーを浴びている間の数分間を、「乱れた心」を「整頓」する強迫的な作業に費やそうとしたのだ。
その強迫的な作業を始めて数分、リビングの奥から浴室のドアが閉まる音が響いた。
新城は、書斎の資料を投げ出すようにデスクに置き、ドアをそっと閉めると、音もなくリビングへと戻った。
窓辺へ歩み寄り、ひんやりとした夜の空気を求めて窓を開け、タバコに火をつける。羽生が完全に不在となったこの瞬間、新城は「理性の限界」を認め、最後の、および最も無力な鎮静剤に手を出した。
深く煙を吸い込む。冷気と煙草の熱が交錯しても、スウェット下の内もものじんとした疼きと、羽生への切実な焦燥は、一時の煙では鎮まらない。
新城はタバコを吸い終え、灰皿を片付けると、キッチンで水を一口飲んだ。洗面所で丁寧に歯磨きをした。「完璧な清潔」をもって、羽生に対する「平静の偽装」を完成させる、教授としての最後の足掻きだった。
就寝にはまだ早く、新城はソファに腰掛け、サイドテーブルのスマホを手に取り、画面をスクロールし始めた。スマートフォンの比較サイト。数字の羅列を、彼は脳内を埋め尽くすための無機質な記号として見つめ、強制的に平静を偽装した。
6. 強制終了の夜
数分後。リビングのドアが開いた。シャワー後の清潔な湯気を纏った羽生が部屋に入ってくる。
羽生の身体からは、エボニーのシャンプーの香りがほのかに漂っていた。その香りは、新城の全身を包み込んでいる施術後の焦燥や、体内の異常な熱とは対照的で、ひどく理性的で、遠い場所にいるように感じさせた。
羽生は新城のそばに立ち止ると、そのスマホを弄る横顔を一瞬だけ優しく見つめた。その視線は、内ももの印を穿つような熱をあえて削ぎ落とし、恋人を気遣う無害な色だけを、選び取ったものだった。
羽生:「先生、まだ起きてたの。明日は僕、午前中から講義があるから、今日は長かったし、そろそろ一緒に休もうか。」
新城はスマホの画面から顔を上げることなく、ひきつるような、短い生返事で応じた。
新城:「……ああ、そうだな。」
羽生は新城がスマホを握りしめている指先に一瞬視線を落とし、それ以上何も言わなかった。羽生は部屋の照明を落とし始め、リビングを間接照明だけの、静かで穏やかな空間に変えていく。
羽生:「おやすみ、先生。ゆっくり休んでね。」
羽生は、新城の肩に、何の含みもない、純粋な労りのキスを一つ落とすと、それ以上の追及を完璧に断絶して寝室へと向かう。
新城の身体は、そのキス一つで、期待外れの苛立ちと、抗いようのない熱に全身を焼き尽くされそうになった。
新城は立ち上がり、ゆっくりと寝室へ向かう。羽生はすでに布団に入り、規則正しい寝息を立て始めていた。本当に、眠っている。
羽生に無視されたという事実は、新城の身体に刻まれた赤い印の熱を容赦なく増幅させた。内ももの疼きは、施術の痛みというより、満たされない欲望の痙攣へと変質している。
新城は仰向けになり、全身の力を抜く。羽生の背中に向けて、熱い吐息を一つ吐き出した。
新城:「……お前、本当に、それでいいのか。――いや、いいはずがない。」
喉の奥で、誰にも聞こえないほどの声が震えた。
羽生は、寝息を乱さない。
新城は、身体の内部から湧き上がる熱と、内ももの疼きに耐えられなくなり、布団の下で、無意識に自分の右手を熱を持つ下腹部に這わせた。
スウェットの下、指先が触れる腹の奥がじわじわと熱を帯びる。満たされない熱は、波のように下腹部を打ち続けた。
新城:(だめだ、これは、お前の挑発に屈することになる……!)
新城は、欲望の赴くままに指を滑らせてしまいそうになる衝動に、全身の筋肉を硬直させて耐える。指を滑らせてしまえば、もう戻れないと、新城は分かっていた。
新城は、限界だった。このままでは、彼は理性ではなく、欲望の衝動で、眠っている羽生に手を伸ばしてしまうだろう。
彼は身体を硬い板のようにし、ベッドの中で握りしめた手を、ゆっくりと、静かに引き抜いた。
新城は、低い声で唸るように呟き、その熱から逃れるための最後の理性の砦に手を伸ばした。
新城:「……っ、くそ。」
彼はベッドサイドテーブルの引き出しを開け、仕舞ってあった睡眠導入剤の錠剤を、水なしで一錠、口に放り込んだ。
施術の熱と羽生の焦らしが重なった結果ではない。――これ以上、自分の判断が羽生の手に渡る前に、主導権を切断するための、強制的な理性の蓋だった。
新城は、数分後、薬の重い作用に意識が遠のくのを感じながら、熱い皮膚と疼く内ももを抱え、強制的に意識を途絶えさせた。
夕食後、新城はソファの隅に深く背を預け、流れるニュースに意識を固定しようと努めた。内腿の施術部位は、痛み止めを内服しているにもかかわらず、皮膚の奥でチリチリとした持続的な主張を続けている。
針の往復が残した傷跡が、神経を逆なでするような疼きとなって、新城の注意を執拗に惹きつけた。
リビングを満たしているのは、テレビの音声と、羽生のノートPCから響く規則的な打鍵音だけだ。テーブルに向かう羽生の横顔は、冷たいほど整っていた。
視線は画面から一度も逸れず、新城のほうへ向けられる気配はない。
新城は組んだ腕に力を込め、内側から溢れようとする熱を物理的に押し込めようと試みる。羽生がキーボードを叩く乾いた音が、静寂の中で、新城自身の乱れた鼓動を異常なまでに際立たせた。
新城:(この疼きを、別の何かに変換するな。……これはただの、施術の代償だ)
この感覚は痛みだと、新城は自分に言い聞かせる。
そうでなければならない、と。
だが、羽生が指一本触れてこないという事実が、新城のプライドを鋭く逆なでする。なぜ来ないのかという苛立ちと、――来ないと分かっていて待っている自分への嫌悪が、胸の中で激しく衝突していた。
ニュースが一区切りつき、CMへ移る短いジングルが鳴り響いた瞬間、打鍵音が止んだ。
新城の呼吸が、凍りついたように止まる。
しかし、羽生は新城を視界に入れることさえせず、静かに立ち上がった。その動作は、あくまで生活のルーティンをこなす同居人のものだ。羽生はリビングの隅にある操作盤へ向かい、風呂のスイッチを入れた。
「ピピッ」
無機質な電子音が、静かな室内に冷たく響く。
自分という生身の人間がこれほど熱を帯びている横で、羽生が「日常の瑣末なこと」を優先したという事実に、新城の理性の壁が軋んだ。自身の切実な渇きが「ただの日常」として等閑視された屈辱が、内腿に刻まれた赤い印の熱を容赦なく増幅させた。
5. 平静の偽装
スイッチを入れ終えた羽生は、そのまま迷いのない足取りでサイドテーブルへ戻り、再びPCの画面に向き直る。そして、キーボードに指を置く寸前。
新城の理性が悲鳴を上げるのを確信したかのように、針のような視線が新城を貫いた。
それは顔を避け、ガウンの隙間から覗く内腿の、あの「目」が刻まれた一点へ、真っ直ぐに落とされた。
新城の全身の神経が、その一点に逆流する。
新城:「……っ」
喉の奥で、断絶したような呼気が漏れた。理性の糸は、今にも千切れそうな音を立てて張り詰めている。
羽生は、その吐息を一瞬だけ聞き取ると、何事もなかったようにキーボードへ指を戻した。
新城は、ソファから立ち上がると、羽生の視線を背中に感じながら、静かにリビングを後にした。
洗面所へ向かい、鏡に映る自分の顔を見る。彼は、スウェットを脱ぎ捨てた。そして、内ももの施術部位を刺激しないよう、細心の注意を払って下着を脱いだ。鏡には、火照った肌と、完全に無防備な姿が映る。
新城は、タオルを温かい湯で湿らせて絞ると、手際よく拭き取りを始めた。一刻も早くこの熱から解放されたいという明確な目的が、その動きを一切の無駄なく迅速にさせていた。
温かいタオルの湿った熱が肌に触れる。温かさは血液を巡らせ、皮膚の感覚を逆に鋭敏にし始めた。
彼は、腹部、そして下腹部へとタオルを移動させる。
温かいタオルの湿った熱と、生地の摩擦が、体温が上昇した肌に触れる。皮膚の感覚が鋭くなり、汗を拭うという迅速な動作が、ひどく生々しく感じられた。彼は、タオルが下腹部や太ももの上部を拭うたびに、身体がゾクッと震えるのを自覚した。その刺激が、拒絶しようとする理性を嘲笑うかのように、熱をより深い場所へと引きずり込んでいく。
彼はタオルを止め、内ももの施術部位に視線を落とす。赤い印の上には、保護フィルムが厳重に貼られている。
新城はタオルを避け、フィルムの上から自分の指先で、赤い孔雀の目の輪郭をそっと押した。温かいタオルで拭いた直後の敏感な肌で、フィルムの下から伝わるチリチリとした痛みと、確かな熱を感じる。
新城は、新しい下着を慎重に身に着け、熱が冷めきっていないことを自覚しながら、新しいスウェットを手に取った。羽生がまだPC作業に戻っているという苛立ちを抱えながら。
新城は、リビングの隣の書斎へ滑り込んだ。デスクの資料を静かに整理して、羽生がシャワーを浴びている間の数分間を、「乱れた心」を「整頓」する強迫的な作業に費やそうとしたのだ。
その強迫的な作業を始めて数分、リビングの奥から浴室のドアが閉まる音が響いた。
新城は、書斎の資料を投げ出すようにデスクに置き、ドアをそっと閉めると、音もなくリビングへと戻った。
窓辺へ歩み寄り、ひんやりとした夜の空気を求めて窓を開け、タバコに火をつける。羽生が完全に不在となったこの瞬間、新城は「理性の限界」を認め、最後の、および最も無力な鎮静剤に手を出した。
深く煙を吸い込む。冷気と煙草の熱が交錯しても、スウェット下の内もものじんとした疼きと、羽生への切実な焦燥は、一時の煙では鎮まらない。
新城はタバコを吸い終え、灰皿を片付けると、キッチンで水を一口飲んだ。洗面所で丁寧に歯磨きをした。「完璧な清潔」をもって、羽生に対する「平静の偽装」を完成させる、教授としての最後の足掻きだった。
就寝にはまだ早く、新城はソファに腰掛け、サイドテーブルのスマホを手に取り、画面をスクロールし始めた。スマートフォンの比較サイト。数字の羅列を、彼は脳内を埋め尽くすための無機質な記号として見つめ、強制的に平静を偽装した。
6. 強制終了の夜
数分後。リビングのドアが開いた。シャワー後の清潔な湯気を纏った羽生が部屋に入ってくる。
羽生の身体からは、エボニーのシャンプーの香りがほのかに漂っていた。その香りは、新城の全身を包み込んでいる施術後の焦燥や、体内の異常な熱とは対照的で、ひどく理性的で、遠い場所にいるように感じさせた。
羽生は新城のそばに立ち止ると、そのスマホを弄る横顔を一瞬だけ優しく見つめた。その視線は、内ももの印を穿つような熱をあえて削ぎ落とし、恋人を気遣う無害な色だけを、選び取ったものだった。
羽生:「先生、まだ起きてたの。明日は僕、午前中から講義があるから、今日は長かったし、そろそろ一緒に休もうか。」
新城はスマホの画面から顔を上げることなく、ひきつるような、短い生返事で応じた。
新城:「……ああ、そうだな。」
羽生は新城がスマホを握りしめている指先に一瞬視線を落とし、それ以上何も言わなかった。羽生は部屋の照明を落とし始め、リビングを間接照明だけの、静かで穏やかな空間に変えていく。
羽生:「おやすみ、先生。ゆっくり休んでね。」
羽生は、新城の肩に、何の含みもない、純粋な労りのキスを一つ落とすと、それ以上の追及を完璧に断絶して寝室へと向かう。
新城の身体は、そのキス一つで、期待外れの苛立ちと、抗いようのない熱に全身を焼き尽くされそうになった。
新城は立ち上がり、ゆっくりと寝室へ向かう。羽生はすでに布団に入り、規則正しい寝息を立て始めていた。本当に、眠っている。
羽生に無視されたという事実は、新城の身体に刻まれた赤い印の熱を容赦なく増幅させた。内ももの疼きは、施術の痛みというより、満たされない欲望の痙攣へと変質している。
新城は仰向けになり、全身の力を抜く。羽生の背中に向けて、熱い吐息を一つ吐き出した。
新城:「……お前、本当に、それでいいのか。――いや、いいはずがない。」
喉の奥で、誰にも聞こえないほどの声が震えた。
羽生は、寝息を乱さない。
新城は、身体の内部から湧き上がる熱と、内ももの疼きに耐えられなくなり、布団の下で、無意識に自分の右手を熱を持つ下腹部に這わせた。
スウェットの下、指先が触れる腹の奥がじわじわと熱を帯びる。満たされない熱は、波のように下腹部を打ち続けた。
新城:(だめだ、これは、お前の挑発に屈することになる……!)
新城は、欲望の赴くままに指を滑らせてしまいそうになる衝動に、全身の筋肉を硬直させて耐える。指を滑らせてしまえば、もう戻れないと、新城は分かっていた。
新城は、限界だった。このままでは、彼は理性ではなく、欲望の衝動で、眠っている羽生に手を伸ばしてしまうだろう。
彼は身体を硬い板のようにし、ベッドの中で握りしめた手を、ゆっくりと、静かに引き抜いた。
新城は、低い声で唸るように呟き、その熱から逃れるための最後の理性の砦に手を伸ばした。
新城:「……っ、くそ。」
彼はベッドサイドテーブルの引き出しを開け、仕舞ってあった睡眠導入剤の錠剤を、水なしで一錠、口に放り込んだ。
施術の熱と羽生の焦らしが重なった結果ではない。――これ以上、自分の判断が羽生の手に渡る前に、主導権を切断するための、強制的な理性の蓋だった。
新城は、数分後、薬の重い作用に意識が遠のくのを感じながら、熱い皮膚と疼く内ももを抱え、強制的に意識を途絶えさせた。
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