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23、オーギュスタン砦
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イギリス兵とフランス兵の白兵戦の様相を見せているオーギュスタン砦の戦い。「石弓も出してみました」という感じで矢が飛ぶ。百年戦争は総力戦ではなく小競り合いばかりの戦闘だったのか?そういう印象を客に与えようというのか、というのはこちらの早とちりでタルボット司令官の掛け声とともに石弓が本格的に使用されだした。何で石弓で兵士が吹っ飛ばされたのか、誰も説明できない。吹っ飛ばされて起き上がる兵士もいたが起き上がることなることなく力尽きた兵士もいた。「ラ・ピュセルはどうした」新選組!の土方歳三のような声を上げたフランス兵士。「誰か来た」遠くに響きわたりながらも優しい声がした。「フランス軍よ、この旗のために戦うのです。戦いは今からフランスが勝ちます」両軍に驚きの声。「ジャンヌだ」「女なのか」「戦場に現れたのか。」 「本当にいたのか」タルボットは怪訝そうに向こう側を眺めた。「ジャンヌだと。フランス軍の方の血迷った女が来たというのか」「血迷ってなどいません」「いや、田舎娘がこのような血なまぐさい地に来るとはまともでないなによりの証よ。その勇気に免じて最高の攻撃をしてやろう。兵士として見事な死を選ぶがよい」無数の騎士たちが剣を掲げて襲いかかってきた。ジャンヌの胴のプレートめがけて剣を叩きつける。激しい打撃音。丈夫に作ってあるのかダメージはないようだがジャンヌはひるんだ。何度も剣が当たった。剣の強さを試しているのではないのだから相手の弱いところを狙ったらよさそうなものなのだが英兵たちはそういうことはしなかった。騎士道というより女の子をいたぶろうとしているようにしか見えない。何度も叩かれているうちにジャンヌの表情が険しさを増していった。予想していた戦いよりも状況が陰惨でうまくいかないことにいら立っているのか自分自身に神の加護があるのか不安になっているのか、それはわからなかった。英兵役の剣の打撃が嶋田版よりも強くなっている印象があった。ダメージがない事を確認して歯を食いしばったジャンヌは旗を持ちながら英兵を睨みつけた。英兵が固まった。英兵よりも一回り小さいジャンヌが必死に敵兵士に体当たりした。「ひっ?」ハツカネズミが猫を追い詰めたような感じ。英兵から剣を奪って地面に突き刺す。「ば、馬鹿な」何人か逃げるように後退する。英軍が退却した。戦場の中を吹いた風の演出が良かった。「あの子の中に何か猛獣が潜んでいるんじゃないか」岩渕さんがそんなことをふと言った。なんだかうれしそうに。旗しか手にない状態でよくこんな一人で突撃できるもんだなと冷静に思う。彼女の勇気のなせる業なのか、イングランド軍の戦意が衰えつつあるのかはわからない。とにかく中世の戦争も恐ろしいものだと思った。
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