6 / 47
6、幼なじみの健太くん 七海side
しおりを挟む
基本的に教室にいたい。
教室でクラスメイトが話していることを他人事のように聞きながら、窓から空を眺めていたい。もしくは本を読みたい。
こうしてれば、誰も話しかけてこなくて安心する。
「なぁ!おいっ、七海ちょっと聞いて!」
最近、健太はニヤニヤしていることが多い。
「なに、またニヤニヤして」
確か誰かに会いに行くと言って教室を出ていったはず。たぶん、みなちゃん。
「みながかわいくってかわいくって!」
「ふーん」
健太に好きな人が出来たことにはすぐ気づいていたけど、こんなに毎日かわいいかわいいと言われては少々気になってくるというもの。
「今日のみなちゃんはどこがかわいかったの」
極力興味が無いように装って、本に向かって聞く。
「さっきの授業の教科書借りてたから今返しに行ったんだよ!そしたらさ、絶対に今寝てたろ!?って顔でお役に立てて良かったですって!!」
こっちはその『絶対に今寝てたろ!?』って顔を見てないから分かんないけど。
「ほっぺに寝あととかついててさーあ!もう!抱きしめたくなったよね!俺、頑張った!」
ようするに、キュンキュンしたんだね健太は。
「かーわいいな!もう!あー!かわいい!!」
「そ~だね」
「俺、みなの代わりに七海抱きしめるわ!」
「失礼か。普通は代わりとか堂々と言わないでしょ」
「もういいから!ぎゅー」
クラスメイトの視線もちらほらと感じる。健太モテるもんね。
「あー!!みな本当にかわいいかわいい!」
「わかったから」
そろそろ離して、と健太の腕をポンと叩く。
「七海ぃ。いい匂いすんなぁ」
「気持ち悪いよ。もういいでしょ」
「俺はいつになったらみなを抱きしめられるんだァ!」
「みなちゃんじゃない人抱きしめてその欲求満たすのやめてくれない。そのうちキスされそう」
健太はぎゅっと腕に力を込めて体を揺さぶる。
「うわぁぁ!キスもしたいぃ!」
健太は自分が満足するまでやめないつもりかもしれない。
「みなちゃんにこんなところ見られたらまずいんじゃないの?」
ハッとしたように体を離して廊下を見る。みなちゃんがいないことに明らかにホッとしていた。
「...そんなに気になるなら抱きしめないでよ」
そう言いながら思わず笑いがこみ上げてきた。
健太は素直でかわいくて小動物のように愛でたくなる。
「七海も好きだからやだ!」
こんなことばっかり言って、人は健太に魅せられていく。
自分もその1人で、健太は自分がいないとなにもできないと思っている。
自分と同じくらい、もしかしたらそれ以上に健太は自分のことが大好きだと確信していた。
教室でクラスメイトが話していることを他人事のように聞きながら、窓から空を眺めていたい。もしくは本を読みたい。
こうしてれば、誰も話しかけてこなくて安心する。
「なぁ!おいっ、七海ちょっと聞いて!」
最近、健太はニヤニヤしていることが多い。
「なに、またニヤニヤして」
確か誰かに会いに行くと言って教室を出ていったはず。たぶん、みなちゃん。
「みながかわいくってかわいくって!」
「ふーん」
健太に好きな人が出来たことにはすぐ気づいていたけど、こんなに毎日かわいいかわいいと言われては少々気になってくるというもの。
「今日のみなちゃんはどこがかわいかったの」
極力興味が無いように装って、本に向かって聞く。
「さっきの授業の教科書借りてたから今返しに行ったんだよ!そしたらさ、絶対に今寝てたろ!?って顔でお役に立てて良かったですって!!」
こっちはその『絶対に今寝てたろ!?』って顔を見てないから分かんないけど。
「ほっぺに寝あととかついててさーあ!もう!抱きしめたくなったよね!俺、頑張った!」
ようするに、キュンキュンしたんだね健太は。
「かーわいいな!もう!あー!かわいい!!」
「そ~だね」
「俺、みなの代わりに七海抱きしめるわ!」
「失礼か。普通は代わりとか堂々と言わないでしょ」
「もういいから!ぎゅー」
クラスメイトの視線もちらほらと感じる。健太モテるもんね。
「あー!!みな本当にかわいいかわいい!」
「わかったから」
そろそろ離して、と健太の腕をポンと叩く。
「七海ぃ。いい匂いすんなぁ」
「気持ち悪いよ。もういいでしょ」
「俺はいつになったらみなを抱きしめられるんだァ!」
「みなちゃんじゃない人抱きしめてその欲求満たすのやめてくれない。そのうちキスされそう」
健太はぎゅっと腕に力を込めて体を揺さぶる。
「うわぁぁ!キスもしたいぃ!」
健太は自分が満足するまでやめないつもりかもしれない。
「みなちゃんにこんなところ見られたらまずいんじゃないの?」
ハッとしたように体を離して廊下を見る。みなちゃんがいないことに明らかにホッとしていた。
「...そんなに気になるなら抱きしめないでよ」
そう言いながら思わず笑いがこみ上げてきた。
健太は素直でかわいくて小動物のように愛でたくなる。
「七海も好きだからやだ!」
こんなことばっかり言って、人は健太に魅せられていく。
自分もその1人で、健太は自分がいないとなにもできないと思っている。
自分と同じくらい、もしかしたらそれ以上に健太は自分のことが大好きだと確信していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる