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21、覚えてないこと
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取っ付きにくい子ではあるけれど、このクラスで一番最初に話しかけてくれた。
ないがしろにするわけにはいかないし、健太と仲がいいのは彼氏の友達ってわけで、友達の友達は友達っていうのと同じなわけで。
仲良くしておいた方がいいとは分かってるけど、、、もしかして、健太のことが本当に好きなんじゃ?
夏帆ちゃんすごくかわいいしモテそうだから、あっさり取られちゃったりして。
いや、それはないかも。
健太は私のこと大好きだし。
「あっ!そうだ!みなちゃんと健太って、初めて会ったのはいつ?」
「えっ........」
答えようとして、どう言えばいいのか分からず考え込んでしまった。
そういえば、いつだったっけ?
「私には言いたくない話だった?」
夏帆ちゃんは困ったような顔をして俯いた。
「そういうわけじゃないんだけど...」
「でも、健太は話してくれたよ?」
「え?健太が?」
「うん!入学式に....」
夏帆ちゃんが話し始めた時、横に誰かが立っていることに気がついた。
私は反射的に健太だったらどうしようと思ってなかなか振り向くことが出来ない。
「話があるから、ちょっとついてきて」
この声は、両手で数えられるほどしか声を聞いたことがない七海くんの声だ。
安心して七海くんを見上げると、少し怒ったように私を乱暴に立たせて手を引きながら連れていかれた。
「ちょっ...七海くん!?もう、先生来ちゃうよ!」
「会議あるって言ってたでしょ。あと30分は来ないよ」
やっと手を離してもらえたと思ったら、そこは裏庭で人通りがほとんど無い場所だった。
確かここは、学校内で有名な告白スポットで、告白されるわけじゃないのにドキドキした。
「みなちゃん、健太と初めて会ったの覚えてないでしょ?」
ドストレートに悩んでいた部分を貫かれて「そ、そんなこと」と否定してしまった。
「絶対、みなちゃんは覚えてないよ。俺は全部健太から聞いてる。さっき、困ってただろ、聞かれて」
「ほ...本当に?全部知ってる?」
「うん。知ってる」
「なら教えて!今さら、健太に覚えてないなんて言えなくて...」
「うん。そのつもりでここまで連れてきた。いつまでもこのままじゃ、健太がかわいそうだから」
あくまで健太のためだと主張しつつ、七海くんは話してくれた。
私が覚えてないこと。
覚えているふりをして健太と仲良くなって付き合っていること。
ないがしろにするわけにはいかないし、健太と仲がいいのは彼氏の友達ってわけで、友達の友達は友達っていうのと同じなわけで。
仲良くしておいた方がいいとは分かってるけど、、、もしかして、健太のことが本当に好きなんじゃ?
夏帆ちゃんすごくかわいいしモテそうだから、あっさり取られちゃったりして。
いや、それはないかも。
健太は私のこと大好きだし。
「あっ!そうだ!みなちゃんと健太って、初めて会ったのはいつ?」
「えっ........」
答えようとして、どう言えばいいのか分からず考え込んでしまった。
そういえば、いつだったっけ?
「私には言いたくない話だった?」
夏帆ちゃんは困ったような顔をして俯いた。
「そういうわけじゃないんだけど...」
「でも、健太は話してくれたよ?」
「え?健太が?」
「うん!入学式に....」
夏帆ちゃんが話し始めた時、横に誰かが立っていることに気がついた。
私は反射的に健太だったらどうしようと思ってなかなか振り向くことが出来ない。
「話があるから、ちょっとついてきて」
この声は、両手で数えられるほどしか声を聞いたことがない七海くんの声だ。
安心して七海くんを見上げると、少し怒ったように私を乱暴に立たせて手を引きながら連れていかれた。
「ちょっ...七海くん!?もう、先生来ちゃうよ!」
「会議あるって言ってたでしょ。あと30分は来ないよ」
やっと手を離してもらえたと思ったら、そこは裏庭で人通りがほとんど無い場所だった。
確かここは、学校内で有名な告白スポットで、告白されるわけじゃないのにドキドキした。
「みなちゃん、健太と初めて会ったの覚えてないでしょ?」
ドストレートに悩んでいた部分を貫かれて「そ、そんなこと」と否定してしまった。
「絶対、みなちゃんは覚えてないよ。俺は全部健太から聞いてる。さっき、困ってただろ、聞かれて」
「ほ...本当に?全部知ってる?」
「うん。知ってる」
「なら教えて!今さら、健太に覚えてないなんて言えなくて...」
「うん。そのつもりでここまで連れてきた。いつまでもこのままじゃ、健太がかわいそうだから」
あくまで健太のためだと主張しつつ、七海くんは話してくれた。
私が覚えてないこと。
覚えているふりをして健太と仲良くなって付き合っていること。
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