奇病患者は綺麗に歌う

まこと

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6話

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涙を流しながら眠る華河。うなされているのか、顔色も悪く、段々と呼吸も荒くなっている。
これは危険だ___そう考え、華河を起こそうとする。

「おい、華河!起きろ!おい!」

「っはぁ、はぁっ、はぁっ」

一向に起きる気配がない。それどころか呼吸はさらに早くなり、顔色は青白くなってしまっている。
このままではまずい。過呼吸を起こして、最悪死んでしまうかもしれない。

「…っ、華河!!」

「っ、ぁ、はぁ、あ、サ、トル…?どうしたの…?」

「どうしたもこうしたもあるか!お前、うなされて過呼吸起こしかけてたんだぞ!」

「ぇ、そう、だったの…げほっ、ぅえ"、…」

「…華河、落ち着け。深呼吸できるか?ほら、ゆっくりでいいから」

そう言い聞かせながら、背中を優しくさすってやる。そうすると少し落ち着いたのか、呼吸も正常に戻ってきた。

「はぁ…は…ぁ、りがと…サトル…」

「華河、何があった?」

「ぇ…?」

まだ少し苦しいのか、小さく咳き込む華河。
それに構わずに問いかける。

「随分うなされてたぞ?悪い夢でも見たのか?」

「…別に、サトルに、関係…ないでしょ…?」

関係ない訳がない。

「関係ある。お前は俺の患者だ。
お前に何かあったら俺が何とかしなければいけないからな」

「…わかったよ」

諦めたのか、華河は渋々話し始めた。
だがそれは、想像していたものよりも壮絶なものだった。

「俺ね、親に虐待されてたんだ」

虐待を受けていた事には特に驚きはしなかった。事前に情報を見ていたから。

「俺、生まれた時から奇病があった訳じゃないんだ。…ただ、片目が真っ赤だったんだ。
俺の親は何よりも世間体気にする人達でさ、自分の子の片目真っ赤で、しかもその目だけが開いて生まれてきたっていうんだから、そりゃあそうなっちゃうよね。
でも学校には行かせてもらえてたし、いじめもされてなかったし、兄ちゃんが1人だけいたんだけど、兄ちゃんだけは優しくしてくれてたんだ。ご飯の残りとか持ってきてくれてさ。
…それは同情だって後から気づいたけどね
初めて奇病が発症した時の反応どうだったと思う?
「こんなもの、俺の弟じゃない!」って、
その後は従兄弟の家に押し付けられたんだ。
でも従兄弟達はすっげー良くしてくれてたんだ。1週間も経ってない間だったけど、楽しかったな…
皮肉なものだよね、人っていい思い出はすぐ忘れちゃうのに、やな思い出はずっと覚えてる」

その言葉に、俺は何も言う事ができなかった。
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