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2章〜フォレスト王国王都〜

63、発情期?聞いて来るなリティアっ!!

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 その日フェアディは私が寝るまでには帰って来なかった。

 でも私が朝起きた時にはもう居た。

 何か寝たらとりあえずあの本のことは気にしなくていいかという気持ちになった。

 あ、でもあの本は売る。皆見るべきモノだと思うの。何か内容が深い?と感じたんだよね。

「フェアディ、何で昨日森に行ったの?」
『っっ!!秘密だ!!』

 フェアディの顔が赤い。いや、顔が毛に覆われているから何となくなんだけどね?

「何で?何で秘密なの??」
『秘密なものは秘密なんだ!!』
「大丈夫!私は精神年齢大人だって知ってるよね?何でもどんとこい!!」
『いやいやいや。我は言いたくないのだが』

 ん?私は前世とか話していないよ。そう。でもティーアママが説明会をした事があるから皆分かっている。

「なんだその反応……。別に言ってもいいだろうフェアディ。リティア、フェアディは発情期だったんだぞ」
「発情期??」
『コムク!!言うなぁっ!!』

 はつじょうき。初の蒸気?いや発情期。発情期!?

 神獣に発情期なんてあるのか。

 それよりフェアディがこんなに取り乱しているのを初めて見た。

「恥ずかしいの?」
『恥ずかしいに決まっている!!』
「ええぇ。でも自然の摂理ではないの?」
「いやそうなんだが……我はこんなことを契約している者に知られたく無かった。あああぁぁ」

 そうしてフェアディは燃え尽きた。


 ……恥ずかしがる必要はよく分からないけど何だか可哀想だからそっとして置いた。

 誰しも触れられたくない事はあるだろうからね。

 これは私なりの優しさなのです!!

 いろいろ質問している時点で優しくないというのは受け付けない!発情期がどんなものなのか気になったんだもの。

 
 
「……なんだかフェアディが大人しい気がするんだがどうしたんだ?」

 朝食を食べている時にノークさんにそう指摘された。 

 おお、鋭いね!

「今フェアディは燃え尽きてるの。だからそっとして置いてあげて?」
「はぁ?お、おう。分かった」

 ノークさんは聞き返そうとしたけどフェアディの視線によりそれを断念した。

 フェアディ、完全には燃え尽きていなかったんだね。

 いやそれとも知られたくがない故の火事場の馬鹿力なのか?

「そ、それよりリティア、すまないっ!」
「何が」

 ノークさんが王の顔をして私を見て来た。

 話を誤魔化したのかと思ったけど至極真っ当な真面目な話らしい。

「デッポールの精神が崩壊した。言い訳じみてるが、あいつは小心者で、少しの拷問ですぐ吐くから精神が崩壊することは普通ありえないんだ」
「へぇ」
「え?いやもっと言うことないのか?」

 う~ん。そもそもデッポールの事自体ノークさんが言うまで忘れてたんだよね……。なのに何か言えと言われてもなぁ。

「うん。ない。別に((私あいつどうでもいいから))いいよ~」
「リティアは優しいな」


 え?どこが?


 否定したいけど出来ない!!何故かって?それは皆も肯定するようにウンウンと頷いているからだよ。

 絶対ここで否定してもそんな事ないよ~で済まされてしまうんだよね。もう経験済みだから知ってる。

 
 
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