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第276話 王都到着
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「何故、その名前を知っているのか聞いても良いか?」
セムネイルは驚きながらも、少女を怖がらせないように優しく問い掛けた。
「スラムの牢屋に入れられてた、お姉さんが教えてくれたの」
「そうだよ。 えっと、お兄さんと同じ黒髪だった」
セムネイルは身に覚えのない話に首を傾げる。
(どういう事だ? 黒髪……魔族か? だが、何故俺の存在を知っている)
「そうか……。 他に何か聞いてるか?」
セムネイルの正体を口にした少女が頷く。
「うん。 牢屋から出たら、欲望と狭間の魔王が助けてくれるから安心してって」
「僕も聞いた。 何のことか分からなかったけど、お兄さんの事だったんだね」
子供達は本当だったと喜び、置いてけぼりのセムネイルは更に首を傾げる。
(ん~……? 本当に分からん。 いや、王都のスラムとやらに行けば良いか)
「よし、なら早く家に帰ろう。 ポチ、皆を乗せてやれ」
「はい! では、気を付けて私の背中に乗って下さいね~」
ポチは頭を地面へと着け、子供達が乗りやすいようにする。 そして、子供達は大はしゃぎでポチの方へと向かった。
「さて……おい」
「ひっ?! あ……お、俺は、その」
子供達に向ける声色から、一気に変貌した低く殺気の籠もったセムネイルの声に奴隷商人はガタガタと震える。
「お前は南の街ミンガムにあった奴隷市場の商人か?」
「え……? あ、そ、そうです」
「そうか、まだ糞の生き残りが居たのか。 よし、死ね」
「ひっ、た、たすっ?!」
セムネイルは男が生きている価値の無い生き物だと判断し、音も無く抜いた魔剣デザイアで細切れにする。
子供達には聞こえないよう、見えないように放たれた斬撃は奴隷商人を瞬時にこの世から消し去った。
「馬車も消しとくか。 本当に……忌々しい」
次に馬車を粉々にし、後でオルガに渡す為に馬を4次元の穴へと落とす。
「待たせたな。 全員乗ったか? よし、ポチ出発だ!」
「ふふ、皆さんしっかり掴まっていて下さいね。 ポチ、行きます!」
ポチの背中に乗る子供達は興奮し、笑顔を浮かべるばかりであった。
◆◇◆
「すごーい!」
「はやーい!」
「かっこいーー!」
「ふはははは! ポチは速いだろ!」
セムネイルと子供達はポチの背中に乗り、凄まじい速度で王都へと向かっていた。
「最後の村を過ぎたから、もう少しで着く筈だ。 後少しで家に帰れるぞ」
セムネイルの周りを少年達が囲み、高速で流れる景色に大興奮する。
既に、セムネイルは子供達と打ち解けており自らの成長を感じていた。
(くっくっくっ、4次元に帰ったら妻達に話さないとな)
すると、後ろの席に座る少女の腹が鳴り恥ずかしそうに俯いた。
「お、腹が減ったな。 飯にしよう! ほれ、食え食えー!」
セムネイルは直ぐ様に4次元から地竜のサンドイッチを取り出し子供達に配った。
子供達は恩人であるセムネイルを全く疑う事なく、渡されたサンドイッチを頬張る。
「おっっっいしー!?」 「なにこれー!」
「おいしすぎる!」 「このお肉……凄い」
各々が初めて食べる未知のサンドイッチに感動し、咀嚼しては叫んでいた。
「ふはははは! それは地竜のステーキを挟んだサンドイッチだ。 二度と食えんかもしれんからな、腹いっぱい食えよ」
「竜のお肉!?」 「もう食べれないの?!」 「お、俺もう一個食べる!」 「私も!」
子供達は取り合うように地竜のサンドイッチを頬張り、幸せそうに笑うのであった。
◆◇◆
日も陰り、夕方に差し掛かった頃。
遂に巨大な城壁が見えてきた。
「お、アレが王都か?」
セムネイルの膝に座る少女が頷く。 他の子供達は腹も膨れ、快適な鞍の席で昼寝をしていた。
「うん、そうだよ」
「よし、皆着いたぞー!」
ポチの背中はルグの作った高性能な鞍のおかげで、全く揺れない快適なベットなのだろう。
子供達はセムネイルの声に目を擦りながら起き出して、城壁を見て叫んだ。
「やったー!」 「お母さんに会える!」
「ありがとう、お兄さん」 「家に帰ったら、兄ちゃんや姉ちゃんに凄くカッコいい竜に乗ったの話さないと!」 「誰も信じないかも」 「それでもいいよ! カッコいいポチに乗ったのは絶対に忘れないもん!」
「ふはははは! ポチよ、聞いたか? カッコいい竜だとさ」
「ふふ、幼子とは本当に可愛らしいですね」
思い思いに喜ぶ子供達の声を聞きながら、セムネイルとポチは笑うのであった。
セムネイルは驚きながらも、少女を怖がらせないように優しく問い掛けた。
「スラムの牢屋に入れられてた、お姉さんが教えてくれたの」
「そうだよ。 えっと、お兄さんと同じ黒髪だった」
セムネイルは身に覚えのない話に首を傾げる。
(どういう事だ? 黒髪……魔族か? だが、何故俺の存在を知っている)
「そうか……。 他に何か聞いてるか?」
セムネイルの正体を口にした少女が頷く。
「うん。 牢屋から出たら、欲望と狭間の魔王が助けてくれるから安心してって」
「僕も聞いた。 何のことか分からなかったけど、お兄さんの事だったんだね」
子供達は本当だったと喜び、置いてけぼりのセムネイルは更に首を傾げる。
(ん~……? 本当に分からん。 いや、王都のスラムとやらに行けば良いか)
「よし、なら早く家に帰ろう。 ポチ、皆を乗せてやれ」
「はい! では、気を付けて私の背中に乗って下さいね~」
ポチは頭を地面へと着け、子供達が乗りやすいようにする。 そして、子供達は大はしゃぎでポチの方へと向かった。
「さて……おい」
「ひっ?! あ……お、俺は、その」
子供達に向ける声色から、一気に変貌した低く殺気の籠もったセムネイルの声に奴隷商人はガタガタと震える。
「お前は南の街ミンガムにあった奴隷市場の商人か?」
「え……? あ、そ、そうです」
「そうか、まだ糞の生き残りが居たのか。 よし、死ね」
「ひっ、た、たすっ?!」
セムネイルは男が生きている価値の無い生き物だと判断し、音も無く抜いた魔剣デザイアで細切れにする。
子供達には聞こえないよう、見えないように放たれた斬撃は奴隷商人を瞬時にこの世から消し去った。
「馬車も消しとくか。 本当に……忌々しい」
次に馬車を粉々にし、後でオルガに渡す為に馬を4次元の穴へと落とす。
「待たせたな。 全員乗ったか? よし、ポチ出発だ!」
「ふふ、皆さんしっかり掴まっていて下さいね。 ポチ、行きます!」
ポチの背中に乗る子供達は興奮し、笑顔を浮かべるばかりであった。
◆◇◆
「すごーい!」
「はやーい!」
「かっこいーー!」
「ふはははは! ポチは速いだろ!」
セムネイルと子供達はポチの背中に乗り、凄まじい速度で王都へと向かっていた。
「最後の村を過ぎたから、もう少しで着く筈だ。 後少しで家に帰れるぞ」
セムネイルの周りを少年達が囲み、高速で流れる景色に大興奮する。
既に、セムネイルは子供達と打ち解けており自らの成長を感じていた。
(くっくっくっ、4次元に帰ったら妻達に話さないとな)
すると、後ろの席に座る少女の腹が鳴り恥ずかしそうに俯いた。
「お、腹が減ったな。 飯にしよう! ほれ、食え食えー!」
セムネイルは直ぐ様に4次元から地竜のサンドイッチを取り出し子供達に配った。
子供達は恩人であるセムネイルを全く疑う事なく、渡されたサンドイッチを頬張る。
「おっっっいしー!?」 「なにこれー!」
「おいしすぎる!」 「このお肉……凄い」
各々が初めて食べる未知のサンドイッチに感動し、咀嚼しては叫んでいた。
「ふはははは! それは地竜のステーキを挟んだサンドイッチだ。 二度と食えんかもしれんからな、腹いっぱい食えよ」
「竜のお肉!?」 「もう食べれないの?!」 「お、俺もう一個食べる!」 「私も!」
子供達は取り合うように地竜のサンドイッチを頬張り、幸せそうに笑うのであった。
◆◇◆
日も陰り、夕方に差し掛かった頃。
遂に巨大な城壁が見えてきた。
「お、アレが王都か?」
セムネイルの膝に座る少女が頷く。 他の子供達は腹も膨れ、快適な鞍の席で昼寝をしていた。
「うん、そうだよ」
「よし、皆着いたぞー!」
ポチの背中はルグの作った高性能な鞍のおかげで、全く揺れない快適なベットなのだろう。
子供達はセムネイルの声に目を擦りながら起き出して、城壁を見て叫んだ。
「やったー!」 「お母さんに会える!」
「ありがとう、お兄さん」 「家に帰ったら、兄ちゃんや姉ちゃんに凄くカッコいい竜に乗ったの話さないと!」 「誰も信じないかも」 「それでもいいよ! カッコいいポチに乗ったのは絶対に忘れないもん!」
「ふはははは! ポチよ、聞いたか? カッコいい竜だとさ」
「ふふ、幼子とは本当に可愛らしいですね」
思い思いに喜ぶ子供達の声を聞きながら、セムネイルとポチは笑うのであった。
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