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第296話 似た者同士
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「確かに広いな。 よし、ちょっと待っててくれ。 セリス、グラ。 年の為に見張りを頼む」
「はい、誰も入れません」
「任せて。 とりあえず、ササガ達も入れないでおくわね」
セムネイルは4次元の扉を潜り、扉の入り口にセリスとグラが立ちはだかる。
「いや、そんな警戒しなくても入らねぇよ。 まぁ、どうやって扉出してんのか気になるが……」
ササガは苦笑いを浮かべ、妻のキャシーはリンやノラと楽しそうに雑談をしていた。
「リーダー、これから何が起きるんだ?」
「そもそも、こいつらの事を信用して大丈夫なのか?」
「いや、キャシーに優しくしてくれるんだ。 大丈夫だろ」
「「確かに」」
ササガの仲間達が騒ぐが、勝手に自己解決しており心配は無さそうだ。
「俺にも分からんが……お前達は本当にキャシー基準だな。 まぁ、俺もだがな! ははは!」
セリスとグラはササガ達の様子に警戒を緩め、キャシー達の方を見る。
「あら、じゃあノラさんが住んでたのは西の草原じゃない? 私が住んでた集落の近くに、狼獣人達の集落があったのよ」
「へー、そうなのか! 俺の集落が襲われた時は、俺もまだ子狼だったからな~。 キャシーみたいなエルフに会った記憶は無いな!」
「草原のエルフは森のエルフと違って、様々な土地に住んでるんですね」
「そっか、森のエルフは定住するもんね。 リンさんの集落はどの辺なの?」
キャシーの問いかけにリンは首を傾げる。
「えっと……分からないです。 世界樹がある森としか」
「世界樹か~……う~ん、東の方かなぁ。 エオルニア教国の亜人狩部隊達に殺されたお父さんが、昔そんな話をしてた気がする」
「ありがとうございます、キャシーさん。 世界樹の集落が無事なのかも分からないですが……やっぱり皆にまた会いたいですね」
リンが目に涙を浮かべ、寂しそうに呟くのを見たノラはリンの背中を叩いた。
「何言ってんだリン! セムネイルにそう言えば良いぞ! 俺達の雄はちゃんと考えてくれるぞ!!」
「ノラさん……えへへ、そうですよね。 ありがとうございます」
ノラの励ましにリンは笑顔になり、その光景を見ていたセリスは驚きの声を上げた。
「ノラ……そんな事を言える様になったのですね。 流石は貴方様の妻姉妹です」
「あはは……まぁ、確かにノラちゃんは一番年下の子供って感じだもんね」
ノラの成長に2人が感嘆の声を上げていると、4次元の扉が開いた。
「すまん待たせ……た? ん、どうしたんだ2人共」
帰って来たセムネイルは、セリスとグラが目に涙を溜めているのを見て首を傾げるのであった。
◆◇◆
「リン、任せろ。 Bランクに上がったら、王都にあるエオルニア教会に乗り込んで司教から情報を捻り出してやる」
「はい! えへへ、ノラさんの言う通りでした」
セムネイルはリンから事情を聞き、リンの頭を撫でながら優しく答えていた。
当然、その物騒な話しの内容にササガ達は苦笑いを浮かべていたが。
「だから言っただろ。 俺の集落はもう無いけど、リンのはまだ分からないんだ。 なら、セムネイルを頼ればいい!」
「うむ、その通りだ! 大船に乗ったつもりで居てくれ! ふはははは!」
「いや、兄ちゃん。 えらく物騒なんだが……とりあえずキャシーの事をしてもらってもいいか?」
苦笑いのササガに話し掛けられ、セムネイルは本題を思い出して広いグラウンドへと足を踏み入れる。
グラウンドには誰も居らず、今は全員校舎の中で授業を受けている様だ。
既に何度か、教官らしき者達が遠目に見てきたがササガ達だと分かると何も言わずに立ち去っている。
どうやら、本当に冒険者学校でササガ達は信頼されるボランティア教官なのだろう。
「すまんすまん。 さて、さっさとやるか……キャシー、一応聞くがテイムとは具体的に何をやるんだ?」
「あ、はい。 テイムしたい魔物の額にオデコを当てて意思疎通を図ります。 でも、相手の方が格上過ぎると失敗する事が多いって私のお父さんが言ってました」
キャシーの説明に隣にいたセリスが首を傾げた。
「あら……? もしかして、キャシーさんはテイムをするのは初めてなのですか?」
「そうなんだ~……お父さんがテイマーでね。 娘の私もテイマーらしいんだけど、試す前に集落を襲われて奴隷にされてたから……あはは」
キャシーは笑いながら説明するが、セリスは申し訳無さそうに頭を下げる。
「不躾な事をお聞きして申し訳ありません……」
「え、良いのよ?! 大丈夫大丈夫! 今の私には、愛してくれる夫や家族って呼んでくれる皆が居るから」
「ふふ、そうみたいですね。 私もそうなんです。 過去に色々有りましたが、今は貴方様や大勢の妻姉妹と一緒で幸せになれました」
「私もです!」 「ノラもだぞ!」
「そうね、私達は似た者同士かもね~」
セリス達はキャシーと互いに笑い合い、完全に打ち解けれた様子にセムネイルも笑みを浮かべながら頷いた。
「うむ。 じゃあ、火竜をテイムするか」
「「「「はぁ?! 火竜!?」」」」
同じ様に、セムネイルの隣で頷いていたササガ達は目が飛び出るほどに驚きの声を上げるのであった。
「はい、誰も入れません」
「任せて。 とりあえず、ササガ達も入れないでおくわね」
セムネイルは4次元の扉を潜り、扉の入り口にセリスとグラが立ちはだかる。
「いや、そんな警戒しなくても入らねぇよ。 まぁ、どうやって扉出してんのか気になるが……」
ササガは苦笑いを浮かべ、妻のキャシーはリンやノラと楽しそうに雑談をしていた。
「リーダー、これから何が起きるんだ?」
「そもそも、こいつらの事を信用して大丈夫なのか?」
「いや、キャシーに優しくしてくれるんだ。 大丈夫だろ」
「「確かに」」
ササガの仲間達が騒ぐが、勝手に自己解決しており心配は無さそうだ。
「俺にも分からんが……お前達は本当にキャシー基準だな。 まぁ、俺もだがな! ははは!」
セリスとグラはササガ達の様子に警戒を緩め、キャシー達の方を見る。
「あら、じゃあノラさんが住んでたのは西の草原じゃない? 私が住んでた集落の近くに、狼獣人達の集落があったのよ」
「へー、そうなのか! 俺の集落が襲われた時は、俺もまだ子狼だったからな~。 キャシーみたいなエルフに会った記憶は無いな!」
「草原のエルフは森のエルフと違って、様々な土地に住んでるんですね」
「そっか、森のエルフは定住するもんね。 リンさんの集落はどの辺なの?」
キャシーの問いかけにリンは首を傾げる。
「えっと……分からないです。 世界樹がある森としか」
「世界樹か~……う~ん、東の方かなぁ。 エオルニア教国の亜人狩部隊達に殺されたお父さんが、昔そんな話をしてた気がする」
「ありがとうございます、キャシーさん。 世界樹の集落が無事なのかも分からないですが……やっぱり皆にまた会いたいですね」
リンが目に涙を浮かべ、寂しそうに呟くのを見たノラはリンの背中を叩いた。
「何言ってんだリン! セムネイルにそう言えば良いぞ! 俺達の雄はちゃんと考えてくれるぞ!!」
「ノラさん……えへへ、そうですよね。 ありがとうございます」
ノラの励ましにリンは笑顔になり、その光景を見ていたセリスは驚きの声を上げた。
「ノラ……そんな事を言える様になったのですね。 流石は貴方様の妻姉妹です」
「あはは……まぁ、確かにノラちゃんは一番年下の子供って感じだもんね」
ノラの成長に2人が感嘆の声を上げていると、4次元の扉が開いた。
「すまん待たせ……た? ん、どうしたんだ2人共」
帰って来たセムネイルは、セリスとグラが目に涙を溜めているのを見て首を傾げるのであった。
◆◇◆
「リン、任せろ。 Bランクに上がったら、王都にあるエオルニア教会に乗り込んで司教から情報を捻り出してやる」
「はい! えへへ、ノラさんの言う通りでした」
セムネイルはリンから事情を聞き、リンの頭を撫でながら優しく答えていた。
当然、その物騒な話しの内容にササガ達は苦笑いを浮かべていたが。
「だから言っただろ。 俺の集落はもう無いけど、リンのはまだ分からないんだ。 なら、セムネイルを頼ればいい!」
「うむ、その通りだ! 大船に乗ったつもりで居てくれ! ふはははは!」
「いや、兄ちゃん。 えらく物騒なんだが……とりあえずキャシーの事をしてもらってもいいか?」
苦笑いのササガに話し掛けられ、セムネイルは本題を思い出して広いグラウンドへと足を踏み入れる。
グラウンドには誰も居らず、今は全員校舎の中で授業を受けている様だ。
既に何度か、教官らしき者達が遠目に見てきたがササガ達だと分かると何も言わずに立ち去っている。
どうやら、本当に冒険者学校でササガ達は信頼されるボランティア教官なのだろう。
「すまんすまん。 さて、さっさとやるか……キャシー、一応聞くがテイムとは具体的に何をやるんだ?」
「あ、はい。 テイムしたい魔物の額にオデコを当てて意思疎通を図ります。 でも、相手の方が格上過ぎると失敗する事が多いって私のお父さんが言ってました」
キャシーの説明に隣にいたセリスが首を傾げた。
「あら……? もしかして、キャシーさんはテイムをするのは初めてなのですか?」
「そうなんだ~……お父さんがテイマーでね。 娘の私もテイマーらしいんだけど、試す前に集落を襲われて奴隷にされてたから……あはは」
キャシーは笑いながら説明するが、セリスは申し訳無さそうに頭を下げる。
「不躾な事をお聞きして申し訳ありません……」
「え、良いのよ?! 大丈夫大丈夫! 今の私には、愛してくれる夫や家族って呼んでくれる皆が居るから」
「ふふ、そうみたいですね。 私もそうなんです。 過去に色々有りましたが、今は貴方様や大勢の妻姉妹と一緒で幸せになれました」
「私もです!」 「ノラもだぞ!」
「そうね、私達は似た者同士かもね~」
セリス達はキャシーと互いに笑い合い、完全に打ち解けれた様子にセムネイルも笑みを浮かべながら頷いた。
「うむ。 じゃあ、火竜をテイムするか」
「「「「はぁ?! 火竜!?」」」」
同じ様に、セムネイルの隣で頷いていたササガ達は目が飛び出るほどに驚きの声を上げるのであった。
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