真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

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第17話  質問タイムと失言

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 クウネルは祖父トールからの激重昔話を聞き、食べたバナナで胸焼けをしていた。

 (この世界の歴史、おっっっも!! めちゃくちゃ悲惨じゃん。 地球の世界大戦以上の大戦を、じーじは経験してるんだね。 え? もう一本くれるんです? 食べます食べます、胸焼けとかどうでも良いのです。 もぐもぐもぐもぐもぐ、バナナおいし)

 頬パンパンにバナナを食べているクウネルにトールは聞いた。

 「さて……クウネルや。何か質問はあるかいの?」

 (んー、せっかくだし。 ちょっと気になった事聞いておこっかな)

 「魔王様の生死は、確認したの?」

 問われたトールが、何処か寂しい瞳で外を見る。

 (あ、これアカンヤツや)

 「もちろんじゃ……儂が確認をしに行った。 魔王様が隠れる予定の最北端にの。 魔の森が有る場所じゃったが……其処には巨大なクレーターが出来ておった。 そのクレーターの真ん中にの……魔王様の欠けた角だけが残っておったんじゃ」

 トールの見つめる先が、きっとその最北端なのだろう。

 (うーん、重い。 どう聞いても、何を聞いても重いぞ。 どうする私)

 クウネルは必死に考え、何かポジティブな言葉が無いかと絞り出す。

 「立派な、魔王様だったんだね」

 「うむ、その通りじゃ! 本当に、本当に立派な御方じゃった」

 トールの表情が誇らしげな笑顔に変わった。

 (よし! 何とか盛り返したね)

 「そういえば敵の勇者達って、何で攻めて来たのかな」

 「今となってはわからん。じゃが、同郷の魔王様は仮説を立てておった」

 「仮説?」

 「うむ、勇者達は10人だったが。全員がリーダーをしておった勇者程強くは無かった。 それこそ、無理に戦いの場に来てるような者もおったそうじゃ。 つまり、勇者は分からんが他の仲間達は洗脳か無理矢理脅迫され従っておったのではないか、とな。 勇者は、自分の意思で戦っているように儂は思う。まるで、自分が物語の主役のように振る舞っていたと耳にしたでな」

 クウネルはトールの話にげんなりとする。 その勇者がどんな人物かある程度予想がつくからだ。

 (うわー、そのリーダーの勇者は地球でもヤバいタイプの人だったんだろうね。 本当の事は今更分かんないけど、他の人達がもし嫌々殺し合いに参加させられてたなら最悪だ)

 クウネルは更に嫌な予想を思いつく。

 (そして、ここまでじーじの話を聞いたらもう予想付くよね。 私が転生する前に有った出来事。 確実に、あの自称創造神の糞爺はまた同じ事をしでかそうとしてる。 本当に創造神ならこの世界はアイツが造ったんでしょ? 世界を戦争でボロボロにした挙げ句、また殺し合いをさせよう何て、何を考えてるんじゃーい!)

 クウネルはトールに予想した事を、話そうとした。

 「じーじ、あのね」

 「話してくれた、他の10人の事かの?」

 クウネルが頷くと、トールは微笑む。

 「安心せい、じーじが何とかするからの。 クウネルは何も心配せんで良い。 幼子は、しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり勉強じゃわい! ぐあっはぁっは!」  

 しかし、どうやらトールは元々その件でクウネルを巻き込むつもりは無いようだった。

 「じーじ、私の前世からの年齢足したら、もうすぐ19歳だよ?」

 「む??  じゃから、幼子じゃがな」

 トールは何を当たり前な事をと言いたげな顔でクウネルを見る。

 (どゆこと? あ! 待って、分かった。 じーじは200歳越えてるから、もう何歳でも幼い子供にしか見えないんだ。 なるほどね~、うん、わかるわかる。 って、わかるかーーーーい!!)

 「じーじは、200歳越えてるから……年齢の考えがおかしくなってるんだよ!  前世だと、19歳って大人だよ?」

 クウネルはトールに怒り散らすが、トール目線だとやはり小さな幼子がぷりぷりと怒っている様で可愛らしかった。

 (全く、大人のレディーを幼子扱いとは失礼な! 激おこプンプン丸だよ! まぁ、今世の私まだ2歳にもなってないんですけどね。 身体はね、身体は。 心は立派な大人のレディーですよ!)

 「いやぁ、すまんすまん。 年を取るとどうしてもの。 ぐあっはぁっは……ん?  クウネル、何故儂でもはっきり覚えておらん年齢を知っとるんじゃ?」

 クウネルとトールの時が止まる。

 (あ~……またやっちゃった。 じーじには、鑑定の事伝えて無かったデスネ。 どうするかな。 ステータスオープンって言っただけで、殺されそうになったんですよ? 何か言うの怖いじゃん。 いや、ちゃんと転生者って話したからもう殺される事は無いと思うけどね。 一応一回誤魔化すか)

 「ん~……勘?」

 可愛らしくクウネルは惚けるが、トールはジト目で見つめる。
 言い逃れは難しそうだ。

 「……クウネル」

 (あ、はい、ダメですね)
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