真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

文字の大きさ
102 / 247

第98話 友との再開

しおりを挟む
 「あ~……スライム君美味しかった~」

 途中、見つけたスライム達を捕食し草原を更に歩く事数十分。

 進行方向から何かが接近して来るのを察知した。 地竜やシックスハンドマンティスとは違い、凄まじい速度だ。

 「敵か? あれ? そういえば、何で鑑定さんは接近を教えてくれなかったんだろう?」

 疑問に思っている間に、草原の奥から向かって来る姿が目視で確認できた。

 「アオーーーンッ! クウネルー! 私だ、モロだーーーー!」

 「おおおぉぉーー! 友よーーー!」

 走って来たのはクウネルの友である、森狼王のモロだった。

 「モローーー!!」

 クウネルは思わず走り出した……全速力で。

 クウネルが立っていた周囲の草地が吹き飛び、後方にあった森が衝撃波で消し飛んだ。

 「キャインッ!? クウネル、ストップ! ストーップッ! 死ぬ、死ぬよ! クウネル! クウネルゥゥゥゥッ!?」

 「も~、大げさ何だから~!」

 「キャイ~ン?!」

 接近するクウネルが止まろうとする勢いで、そのままモロは跳ね飛ばされ空の彼方へと吹き飛ぶ。

 「あれ? モロがきゃい~んって鳴きながら飛んでいっちゃった。 やれやれ、ちょっと会わなかっただけで大げさな友だなぁ。 こんなに早く再開出来るなら、アースドラゴンのお肉少し残してあげといたら良かったかな~。 お~い! モロ~? 何処まで飛んだー?」

 クウネルはモロが吹き飛んだ方向へと走っていく。

 「あ、居た居た。 も~、白目剥いて泡吹く何て演技派何だから~! そんな演技しても、私には分かるんだからねー? ほいっ! 鑑定!」

ステータス画面

 種族 森狼王 モロ

 年齢 130

 レベル 300

 HP 100/240000

 FP 40000/40000

 攻撃力 132000

 防御力 84000

 知力 36000

 速力 160000

 スキル 魔物食らい. 魔物殺し. 殺戮者. 変身LvMax. 連携LvMax. 嗅覚LvMax. 群れを率いし王. 森狼の王. 王に到達せし者. 敗北者. 名を与えられし者

 魔法 風魔法LvMax

 戦技 噛み付きLvMax. 遠吠えLvMax. 引っ掻きLvMax.

 状態異常 瀕死

 「ぎゃぁぁぁあああ! 本当に死にかけてる! ごめんよモロー! そんなつもりじゃ無かったのよー! どうしよ、どうしよう! モロが、モロが死んじゃうよー! Hey鑑定さぁぁぁぁん!」

 «――呆。 クウネル、治癒ノ葉とマンドラゴラを混ぜテ薬ヲ早く作ッて下サい»

 「あぁ! そっか、流石鑑定さん! よし、早く早く、早くーー!!」

 クウネルは担いでいた袋を下ろし、急いで薬を作るのであった。

 ◆◇◆

 「ふー、何とか間に合ったー」

 クウネルの手のひらの上には、薬を口に突っ込まれ何とか助かったモロが咳き込んでいた。

 「ケフッケフッ! あぁ……ありがとうクウネル。 お陰でたすかった――じゃ無いよぉぉぉぉ!? 本当に死ぬかと思ったさ!」

 モロは激おこぷんぷん丸だが、クウネルも負けじと逆ギレをする。

 「でも、モロが私を置いて行ったからじゃん! 寂しかったんだらね?! 此処に来る途中に巨木の森でアースドラゴンには襲われるし、カマキリにも襲われるし、アースドラゴンは美味しかったし、カマキリは雑魚いし! 」

 「アウンッ!? アースドラゴンに襲われたのかい!? 私の縄張りでは見掛けた事は無かった筈だが、珍しい魔物に襲われたんだね。 それと、カマキリって何だい? ふふ、まぁそれはいいや。 美味しかったなら良かったね。 後、置いて行った事はすまない。 でも、ずっと隠れ家の洞窟で待ってたんだよ? 」

 痛い所を突かれたクウネルらぐうの音も出ずに素直に頭を下げる。

 「いや……その、ごめんなさい。 旅に出るのに袋が欲しくて作ってたの」

 袋を持ち上げると、それを見たモロは驚く。

 「ガウッ! 袋ってそれかい? それは、あの飛竜の皮膚から作ったのか……凄いね、よく作れたね」

 鑑定以外に褒められたクウネルはデレデレに笑い、照れた。

 「え? そう? えへへ……うん、滅茶苦茶頑張った。 夕方まで掛かったんだ~。 そういえば、モロは私を迎えに来てくれたの?」

 「クゥン……あ! そうだった! 死に掛けてる場合じゃ無いんだよ! 私の友の国が魔物に襲われているんだ!」

 「うん、それは大変だけど……何で私を探しに?」

 「ガウッ……私だけでは助けれそうにも無かったんだ。 魔物達は既に友の国を包囲していて、かなり不味い状況だ。 すぐに私とゴブリン王国に向かって欲しい!」

 クウネルは徐ろに立ち上がる。

 「モロの友達の王国がピンチ何だね! それに、色々やらかしてるし。 頑張って汚名返上しなければ! モロ掴まって!! 方角だけは指示してね!」

 「キャインッ?! クウネル? まさか、ちょっと待ってぇぇぇえええええ!?」

 モロを掴んだクウネルは全力で走り出した。

 目的地で有り、モロの友達の王国を救う為に。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...