137 / 247
第133話 変態は逮捕
しおりを挟む
クウネルはニコニコしながら歩いている最中、あれだけ渋っていたのにも関わらず既にキュウベイを受け入れている自分に苦笑いを浮かべていた。
「あれ? もう、キュウベイは配下や眷属ってより弟分って感じになってね? 私、こんなにちょろかったっけかー? まぁ……いっか。 そうだ鑑定さん、モロの場所分かるー?」
«――検索。 街の中心に反応有り。 ゴブリンキングと将軍ギドの反応も検知»
「ほいほい、ありがとね~。 じゃあ、ゴブリン達を踏まないように気を付けて進みますかね」
クウネルは呟きながら、瓦礫が殆ど無くなった王都跡地に足を踏み入れた。
◆◇◆
ゴブリン達を潰さないように躱しながら中心へと向かう。
その道中に朝の挨拶をゴブリン達と交わすが、どのゴブリン達もクウネルを見上げて手を合わせ拝み始める。
この挨拶にも慣れ始めたクウネルは、ゴブリン達に笑顔で会釈していた。
「うむ、やはりゴブリンの挨拶とは手を合わせて拝む事なのか。 アレだね、異文化コミュニケーションって奴だね。 どうも~」
クウネルが会釈だけじゃ失礼かなと、同じように手を合わせながら挨拶していくと、それを見たゴブリン達は喜び、感激し、感涙し始めた。
「ん? ちょっと大げさじゃね? ま、いっか。 細かいことは気にしない気にしな~い」
«――クウネル»
クウネルが背伸びをしながら歩いていると、鑑定の声が脳内に響く。
「ほえ? どしたの鑑定さん」
«――いえ、何でもありません。 敢えて、言わないのがクウネルの為になると判断しました»
「何で!? 気になるよ! え、私また何かした?! 鑑定さーん?!」
クウネルの叫びも虚しく、鑑定からの返答は無い。 そして、中央で待っていた者達が見えてきた為この話題はうやむやになってしまった。
「ギガ! おぉ、クウネルよ。 昨日は助かった! 我が民を助けてくれて感謝する、かたじけない!」
「ギギガ、我等兵士一同も深く感謝しております!」
「いいよ、王様もギドさんも。 楽にいこうよ」
「クフクフ、おはようクウネル。 そういえば、弓兵長君とはどうなったんだい? 彼の姿が見えないけど」
「あぁ、そうだ。 先に王様とギドさんに話しとかないとね。 弓兵長、キュウベイは私の身内になりました。 なので、もう王国には仕えないと思う。 勝手な事してごめんね」
クウネルは瓦礫の少ない場所に座り、ゴブリンキングとギドに頭を下げた。
「いやぁ、本当は先に話を通しとくのが筋だったんだけど……昨晩は疲れてたし。 ……てへ」
クウネルは流石に叱責されると覚悟したが、将軍ギドはクウネルよりも頭を深く下げる。
「ギギ……クウネル様、元上司として言わせて下さい。 ……奴は、弓兵長は本当に優秀な弓兵です。 どうか、末長く側に居させてやって下さいませ」
クウネルは目を見開き、ギド将軍の懐の広さに感嘆した。 キュウベイの勝手な離反を怒る所か、褒めてからクウネルに託せる辺りがゴブリン兵士達に慕われる理由なのだろう。
正に理想の上司だ。
「やっぱり、ギド将軍さんは良い上司だね~。 おろ? 王様は凄く肩震わしてるけど……オコなの?」
ギドの後ろではゴブリンキングがプルプルと震えていた。
「ギギギギ! ふぬぁぁぁぁ! あやつめ、抜け駆けしおって! しかも、名まで貰っとるだと!? よし、我もクウネルに仕えるぞ! 決めた!! そして、名を貰うんじゃーー!」
「えぇぇぇぇ!? 王様、急にどうしたの!? さすがに無理だよ! うん、えっと、無理!」
「ギガ?! 王よ、落ち着いて下さいませ! 王がクウネル様に仕えて旅立てば、民達を誰が守るのですか!」
将軍ギドは駄々をこね始めたゴブリンキングを羽交い締めにして諫める。 ギドの背中には哀愁が漂っております、いつも仕える王に苦労させられているのだろう。
「ギドさん、本当に苦労人なんだね。 いや、苦労ゴブリンか」
ギドに羽交い締めにされても暴れるゴブリンキングを友としてモロも止めるが満面の笑顔だった。
「クフクフ、友よ。 君は功労者に名前を授ける側だろう? ダメじゃないか、王がそんな事では」
「いや、モロも私が名付けたよね? 森狼の王だよね? あ、モロ滅茶苦茶笑ってる! ひっど! 友達の王様をからかってるだけやん!」
「ギガガガ! いやじゃ、いやじゃー! クウネルに我も名前を付けてもらうんじゃー! それに、友モロよ! お主もクウネルに名を貰ったと言っておったではないかー! ずるいぞー!」
「クフクフ、ふははは! だって、私はクウネル最初の友だからね! 特権なのさー!」
ゴブリンキングはギドを振り払い、モロへと掴み掛かった。 モロは変身し、笑顔のまま掴み返す。
その様子にギドは頭を抱えており、クウネルもパニックだ。
「わわわわ! 取っ組み合いになっちゃった! どうしよ、どうしよ! 止めようにも、私が手を出したら死人が出るぞ!?」
クウネルがあたふたしていると、声が聞こえる。
そして、地響きも。
「うおっ!? ちょっ、早っ!! ク、クウネルの姉御ぉぉぉぉ! 大丈夫ですかぁぁぁぁ?!」
「いや、お前が大丈夫か?」
遠くからクウネルがあたふたしているのが見えたのだろう。 何かトラブルが有ってクウネルが困っていると思ったキュウベイが駆け付けたのだ。
当然、全裸で。
「ギ! きゃぁぁぁぁ! 変態よ! 変態がスピードでぇぇぇ!」 「「「「「ギィ!? ぎゃぁぁぁぁぁ!」」」」」
そこら中から、メスのゴブリン達の悲鳴が聞こえる。
「うん、ですよね。 え、どうする? やっぱり逮捕?」
「あれ? もう、キュウベイは配下や眷属ってより弟分って感じになってね? 私、こんなにちょろかったっけかー? まぁ……いっか。 そうだ鑑定さん、モロの場所分かるー?」
«――検索。 街の中心に反応有り。 ゴブリンキングと将軍ギドの反応も検知»
「ほいほい、ありがとね~。 じゃあ、ゴブリン達を踏まないように気を付けて進みますかね」
クウネルは呟きながら、瓦礫が殆ど無くなった王都跡地に足を踏み入れた。
◆◇◆
ゴブリン達を潰さないように躱しながら中心へと向かう。
その道中に朝の挨拶をゴブリン達と交わすが、どのゴブリン達もクウネルを見上げて手を合わせ拝み始める。
この挨拶にも慣れ始めたクウネルは、ゴブリン達に笑顔で会釈していた。
「うむ、やはりゴブリンの挨拶とは手を合わせて拝む事なのか。 アレだね、異文化コミュニケーションって奴だね。 どうも~」
クウネルが会釈だけじゃ失礼かなと、同じように手を合わせながら挨拶していくと、それを見たゴブリン達は喜び、感激し、感涙し始めた。
「ん? ちょっと大げさじゃね? ま、いっか。 細かいことは気にしない気にしな~い」
«――クウネル»
クウネルが背伸びをしながら歩いていると、鑑定の声が脳内に響く。
「ほえ? どしたの鑑定さん」
«――いえ、何でもありません。 敢えて、言わないのがクウネルの為になると判断しました»
「何で!? 気になるよ! え、私また何かした?! 鑑定さーん?!」
クウネルの叫びも虚しく、鑑定からの返答は無い。 そして、中央で待っていた者達が見えてきた為この話題はうやむやになってしまった。
「ギガ! おぉ、クウネルよ。 昨日は助かった! 我が民を助けてくれて感謝する、かたじけない!」
「ギギガ、我等兵士一同も深く感謝しております!」
「いいよ、王様もギドさんも。 楽にいこうよ」
「クフクフ、おはようクウネル。 そういえば、弓兵長君とはどうなったんだい? 彼の姿が見えないけど」
「あぁ、そうだ。 先に王様とギドさんに話しとかないとね。 弓兵長、キュウベイは私の身内になりました。 なので、もう王国には仕えないと思う。 勝手な事してごめんね」
クウネルは瓦礫の少ない場所に座り、ゴブリンキングとギドに頭を下げた。
「いやぁ、本当は先に話を通しとくのが筋だったんだけど……昨晩は疲れてたし。 ……てへ」
クウネルは流石に叱責されると覚悟したが、将軍ギドはクウネルよりも頭を深く下げる。
「ギギ……クウネル様、元上司として言わせて下さい。 ……奴は、弓兵長は本当に優秀な弓兵です。 どうか、末長く側に居させてやって下さいませ」
クウネルは目を見開き、ギド将軍の懐の広さに感嘆した。 キュウベイの勝手な離反を怒る所か、褒めてからクウネルに託せる辺りがゴブリン兵士達に慕われる理由なのだろう。
正に理想の上司だ。
「やっぱり、ギド将軍さんは良い上司だね~。 おろ? 王様は凄く肩震わしてるけど……オコなの?」
ギドの後ろではゴブリンキングがプルプルと震えていた。
「ギギギギ! ふぬぁぁぁぁ! あやつめ、抜け駆けしおって! しかも、名まで貰っとるだと!? よし、我もクウネルに仕えるぞ! 決めた!! そして、名を貰うんじゃーー!」
「えぇぇぇぇ!? 王様、急にどうしたの!? さすがに無理だよ! うん、えっと、無理!」
「ギガ?! 王よ、落ち着いて下さいませ! 王がクウネル様に仕えて旅立てば、民達を誰が守るのですか!」
将軍ギドは駄々をこね始めたゴブリンキングを羽交い締めにして諫める。 ギドの背中には哀愁が漂っております、いつも仕える王に苦労させられているのだろう。
「ギドさん、本当に苦労人なんだね。 いや、苦労ゴブリンか」
ギドに羽交い締めにされても暴れるゴブリンキングを友としてモロも止めるが満面の笑顔だった。
「クフクフ、友よ。 君は功労者に名前を授ける側だろう? ダメじゃないか、王がそんな事では」
「いや、モロも私が名付けたよね? 森狼の王だよね? あ、モロ滅茶苦茶笑ってる! ひっど! 友達の王様をからかってるだけやん!」
「ギガガガ! いやじゃ、いやじゃー! クウネルに我も名前を付けてもらうんじゃー! それに、友モロよ! お主もクウネルに名を貰ったと言っておったではないかー! ずるいぞー!」
「クフクフ、ふははは! だって、私はクウネル最初の友だからね! 特権なのさー!」
ゴブリンキングはギドを振り払い、モロへと掴み掛かった。 モロは変身し、笑顔のまま掴み返す。
その様子にギドは頭を抱えており、クウネルもパニックだ。
「わわわわ! 取っ組み合いになっちゃった! どうしよ、どうしよ! 止めようにも、私が手を出したら死人が出るぞ!?」
クウネルがあたふたしていると、声が聞こえる。
そして、地響きも。
「うおっ!? ちょっ、早っ!! ク、クウネルの姉御ぉぉぉぉ! 大丈夫ですかぁぁぁぁ?!」
「いや、お前が大丈夫か?」
遠くからクウネルがあたふたしているのが見えたのだろう。 何かトラブルが有ってクウネルが困っていると思ったキュウベイが駆け付けたのだ。
当然、全裸で。
「ギ! きゃぁぁぁぁ! 変態よ! 変態がスピードでぇぇぇ!」 「「「「「ギィ!? ぎゃぁぁぁぁぁ!」」」」」
そこら中から、メスのゴブリン達の悲鳴が聞こえる。
「うん、ですよね。 え、どうする? やっぱり逮捕?」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる