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第174話 復讐完了
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◆赤髪のクウネルSide◆
クウネルが追いかけ始めたタイミングで、アビスビックボアが逃げ始めた側の土壁が崩れた。
どうやら突進して土壁を破壊したようだ。
「うそ! やばいやばい! 急がなきゃー!!」
慌てて全速力で追いかけると、キュウベイが走りながらアビスビックボアに大弓を構え、矢を射っていたところだった。
「ブヒィィィッ?! ブルルルル!!」
アビスビックボアは側頭部を射抜かれるも、完全には貫通しなかったのか速度を緩めること無く頭を振るい近くに来たキュウベイに噛み付こうと口を開けながら突進する。
「姉御! コイツ、かなりの強さです! お気を付けを!」
間一髪の所でキュウベイは回避したが、その分速度が遅くなりアビスビックボアと距離が開いてしまった。
そして、草原にあった街跡地を抜けて森へと入り込んだ。
「ちっ、森に入ったか! キュウベイも気を付けてよ! そいつ、深淵の森とか云う強い場所に住んでる筈の大猪みたい! 絶対に逃がせないから、私が何とかする! 止まったら直ぐに額を射抜いて!」
「へい!」
クウネルは全速力のまま森を踏み荒らし、直ぐに鳥や魔物達が逃げ出した。 その中にアビスビックボアの姿を見つけ、直ぐ様土魔法を発動させる。
「えい!! 土魔法! 柔らかくなって、固まれーーーー!」
巨人であるクウネルに追い掛けられる事は相当のストレスなのだろう。 アビスビックボアはクウネルの方ばかりを振り向きながら逃走し、突如出現した泥沼の落とし穴に落ちそのまま固められた。
「キュウベーーーイ! 殺って!」
「へい! 了解です!」
アビスビックボアの力は凄まじく、直ぐに固まった泥沼から抜け出したが空中には大弓を構え狙いを定めたキュウベイが待っていた。
「速射!!」
戦技を使用し、同時に放たれた複数の矢がアビスビックボアの額に突き刺さった。
「ブギィィッ?! ブギィィィィィィ!!」
「なっ?! すいません姉御! 仕留めきれやせんでした!」
「うそでしょ!? まだアレで死なないの?!」
頭部からは夥しい血を垂れ流しながらも、まだアビスビックボアは同じ方向へと逃げ出そうと走り出す。
更に、身体の大きさが膨らみ始め一瞬でクウネルの腰付近まで巨大化した。
«――危険。 凄まじい生命力です。 何か未知数の力が有る可能性大。 再度鑑定の使用を推奨»
「はぁ?! わ、分かってるわよ! 鑑定!」
ステータス画面
種族 深淵大猪 アビスビックボア
年齢 66
レベル 400
HP 109000/120000
FP 0/30000
攻撃力 80000+20000
防御力 22000+500000
知力 5
速力 80000+20000
スキル 深淵の森に住む者. 逃亡者(new). 巨大化の実の呪い(new)
魔法 無し
戦技 無し
状態異常 巨大化の実の寄生(変異)
(はぁぁぁぁ?! あんなに額に矢が刺さりまくってるのに、まだHP11000しか減ってないの!? なんで……は? 防御500000増えてるんですけど?!)
鑑定結果にクウネルが驚いていると、脳内で鑑定が処理を始めた。 その間にも、巨大化したアビスビックボアは走り続ける。 クウネルはキュウベイを肩に乗せ、追い掛けた。
«――鑑定、確認、鑑定、認証――完了。 アビスビックボアは巨大化の実と呼ばれる未知の植物に寄生されています。 どうやら、宿主を死なせないように防衛本能が働いたようです。
FPの消費を確認、スキルの消失を確認、戦技の消失を確認、生き残る為にこれらを犠牲にし防御力を桁外れに上昇させていると推測»
(長々とうるさいわね! 結局どうすれば良いのよ!)
«――噛みつきを推奨。 噛み殺した際に、クウネルが巨大化の実の寄生を受ける可能性は天文学的な確率で有り得ません。 但し、食した場合は100%感染します。 殺害後、直ぐに火炎で燃やして下さい»
「うげ、やっぱりそうなるのね……はぁ」
「姉御? 大丈夫ですかい?」
「大丈夫だよ、キュウベイ。 アレ、直ぐに殺して燃やさないとヤバいみたい。 私が噛み殺すから、一瞬足止めできる?」
「か、噛み殺すんですかい? ……了解しやした。 お任せくだせぇ!!」
キュウベイはクウネルの提案に一瞬戸惑ったが、意を決してクウネルの肩から飛び降りアビスビックボアを先回りしに走っていった。
「うーーー……頑張れ私!」
クウネルは走りながら頬を叩き気合を入れる。
「お爺ちゃんと約束したんだもん! 絶対に皆殺しにするって!」
雷雨の族長の憎しみを思い出し、クウネルは全速力でアビスビックボアを追い掛けた。
◆◇◆
「コレで止まりやがれ!!」
先回りしたキュウベイが、アビスビックボアの両前足を狙撃しそのまま派手に小山に突っ込む。
「ブルルルルヒィィィ?!」
狙撃された両前足には太い矢が突き刺さり、普通なら歩ける筈が無いのだがそれてもアビスビックボアは逃げようと立ち上がった。
「悪いけど、此処で終わりだよ!! 噛みつき! あがーーー!!」
其処に大口を空けたクウネルが飛び掛り、巨大化したアビスビックボアの喉元に喰らいつく。
「んがーーーー!!」
「ブヒィィッ?! ブゴォォォォォォ………ブギ!?」
そして全力で顎に力を込め、遂にアビスビックボアは完全に事切れた。
「ぺっ! ぺっぺっぺっぺっぺっ! まっっっずーい! 鑑定のバカー!」
ようやく終わったと安堵したクウネルは口の中に残る血を吐き捨てながら鑑定に悪態をつくのであった。
クウネルが追いかけ始めたタイミングで、アビスビックボアが逃げ始めた側の土壁が崩れた。
どうやら突進して土壁を破壊したようだ。
「うそ! やばいやばい! 急がなきゃー!!」
慌てて全速力で追いかけると、キュウベイが走りながらアビスビックボアに大弓を構え、矢を射っていたところだった。
「ブヒィィィッ?! ブルルルル!!」
アビスビックボアは側頭部を射抜かれるも、完全には貫通しなかったのか速度を緩めること無く頭を振るい近くに来たキュウベイに噛み付こうと口を開けながら突進する。
「姉御! コイツ、かなりの強さです! お気を付けを!」
間一髪の所でキュウベイは回避したが、その分速度が遅くなりアビスビックボアと距離が開いてしまった。
そして、草原にあった街跡地を抜けて森へと入り込んだ。
「ちっ、森に入ったか! キュウベイも気を付けてよ! そいつ、深淵の森とか云う強い場所に住んでる筈の大猪みたい! 絶対に逃がせないから、私が何とかする! 止まったら直ぐに額を射抜いて!」
「へい!」
クウネルは全速力のまま森を踏み荒らし、直ぐに鳥や魔物達が逃げ出した。 その中にアビスビックボアの姿を見つけ、直ぐ様土魔法を発動させる。
「えい!! 土魔法! 柔らかくなって、固まれーーーー!」
巨人であるクウネルに追い掛けられる事は相当のストレスなのだろう。 アビスビックボアはクウネルの方ばかりを振り向きながら逃走し、突如出現した泥沼の落とし穴に落ちそのまま固められた。
「キュウベーーーイ! 殺って!」
「へい! 了解です!」
アビスビックボアの力は凄まじく、直ぐに固まった泥沼から抜け出したが空中には大弓を構え狙いを定めたキュウベイが待っていた。
「速射!!」
戦技を使用し、同時に放たれた複数の矢がアビスビックボアの額に突き刺さった。
「ブギィィッ?! ブギィィィィィィ!!」
「なっ?! すいません姉御! 仕留めきれやせんでした!」
「うそでしょ!? まだアレで死なないの?!」
頭部からは夥しい血を垂れ流しながらも、まだアビスビックボアは同じ方向へと逃げ出そうと走り出す。
更に、身体の大きさが膨らみ始め一瞬でクウネルの腰付近まで巨大化した。
«――危険。 凄まじい生命力です。 何か未知数の力が有る可能性大。 再度鑑定の使用を推奨»
「はぁ?! わ、分かってるわよ! 鑑定!」
ステータス画面
種族 深淵大猪 アビスビックボア
年齢 66
レベル 400
HP 109000/120000
FP 0/30000
攻撃力 80000+20000
防御力 22000+500000
知力 5
速力 80000+20000
スキル 深淵の森に住む者. 逃亡者(new). 巨大化の実の呪い(new)
魔法 無し
戦技 無し
状態異常 巨大化の実の寄生(変異)
(はぁぁぁぁ?! あんなに額に矢が刺さりまくってるのに、まだHP11000しか減ってないの!? なんで……は? 防御500000増えてるんですけど?!)
鑑定結果にクウネルが驚いていると、脳内で鑑定が処理を始めた。 その間にも、巨大化したアビスビックボアは走り続ける。 クウネルはキュウベイを肩に乗せ、追い掛けた。
«――鑑定、確認、鑑定、認証――完了。 アビスビックボアは巨大化の実と呼ばれる未知の植物に寄生されています。 どうやら、宿主を死なせないように防衛本能が働いたようです。
FPの消費を確認、スキルの消失を確認、戦技の消失を確認、生き残る為にこれらを犠牲にし防御力を桁外れに上昇させていると推測»
(長々とうるさいわね! 結局どうすれば良いのよ!)
«――噛みつきを推奨。 噛み殺した際に、クウネルが巨大化の実の寄生を受ける可能性は天文学的な確率で有り得ません。 但し、食した場合は100%感染します。 殺害後、直ぐに火炎で燃やして下さい»
「うげ、やっぱりそうなるのね……はぁ」
「姉御? 大丈夫ですかい?」
「大丈夫だよ、キュウベイ。 アレ、直ぐに殺して燃やさないとヤバいみたい。 私が噛み殺すから、一瞬足止めできる?」
「か、噛み殺すんですかい? ……了解しやした。 お任せくだせぇ!!」
キュウベイはクウネルの提案に一瞬戸惑ったが、意を決してクウネルの肩から飛び降りアビスビックボアを先回りしに走っていった。
「うーーー……頑張れ私!」
クウネルは走りながら頬を叩き気合を入れる。
「お爺ちゃんと約束したんだもん! 絶対に皆殺しにするって!」
雷雨の族長の憎しみを思い出し、クウネルは全速力でアビスビックボアを追い掛けた。
◆◇◆
「コレで止まりやがれ!!」
先回りしたキュウベイが、アビスビックボアの両前足を狙撃しそのまま派手に小山に突っ込む。
「ブルルルルヒィィィ?!」
狙撃された両前足には太い矢が突き刺さり、普通なら歩ける筈が無いのだがそれてもアビスビックボアは逃げようと立ち上がった。
「悪いけど、此処で終わりだよ!! 噛みつき! あがーーー!!」
其処に大口を空けたクウネルが飛び掛り、巨大化したアビスビックボアの喉元に喰らいつく。
「んがーーーー!!」
「ブヒィィッ?! ブゴォォォォォォ………ブギ!?」
そして全力で顎に力を込め、遂にアビスビックボアは完全に事切れた。
「ぺっ! ぺっぺっぺっぺっぺっ! まっっっずーい! 鑑定のバカー!」
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