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第177話 家が丸焼けになりました
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◆黒髪のクウネルside◆
黒髪のクウネルの目の前で、火柱が上がり真っ黒な煙が空を覆っていた。
「あー……やっちゃったよ。 あはは……家……燃やしちゃった」
外の寒空の中、借りた毛布に包まれながら黒髪のクウネルは呆然と燃える家を見つめる。
周囲には多くの野次馬な化け物達がスマホで撮影し、消防士の服を着た化け物達が消防車で駆け付け直ぐに放水を始めた。
化け物な消防士は懸命に消火活動をしており、見た目だけを無視すれば普通の現代に居るのかと錯覚する程だ。
「こんな時でも野次馬してスマホで撮影って人間と同じ思考回路なのかね。 あ、田所さん。 お茶と毛布ありがとうございます」
燃え盛る家から脱出した黒髪のクウネルを助け、直ぐに119番通報したのが隣に住む田所と云う名前の化け物であった。
全身真っ黒で、口が大きな化け物なのだがとても優しいようだ。 着ている服を見る限り、主婦なのかエプロンを着用している。
「ゴギャギャ? ゴルギャギャギャギャ」
言葉が分からないのが難点だが、どうやら黒髪のクウネルを心配しているのだろう。
「ズズ……あ~……お茶が美味しい。 しかし、失敗だったな~。 どうしよう」
黒髪のクウネルは1時間前に己がした失敗を思い出していた。
◆◇◆
――――1時間前。
黒髪のクウネルは自室で苦しんでいた。
「あぁぁぁぁ! やってしまった! よく分からん怒りに任せて、邪神と喧嘩しちゃったよ! 最悪殺されるんじゃね!? あ、そうだ!」
布団の上で悶えるが行動を起こさない限り事態は好転しないと黒髪のクウネルは立ち上がり自室を出た。
現在、お母さんは家を留守にしている。 パートが有るとかで働きに出ると階段の下から話すのを黒髪のクウネルは聞いていたのだ。
「確かスーパーで惣菜を作ってるとか言ってたよね。 この世界の創造主なのに労働してるのか。 自分の眷属の下で働く邪神なんて、お母さんだけじゃね? でも、好都合でもある。 これはチャンスだ!」
黒髪のクウネルは自室のドアに挟まっていた手紙を読み、お母さんが帰宅するのは昼だと確認する。
「ふむふむ、オッケー! 手作りの料理を準備しといて仲直りのきっかけにしよう。 冷静に考えて、この世界の創造主と不仲とか無理ゲーすぎる。 よし、急いで台所に突撃だー!」
バタバタと階段を下りて、1階の台所に向かった。
「んー、まずは冷蔵庫チェックだな。 冷蔵庫の中身は~……あれ? 全然入ってないじゃんか! あれか、仕事帰りに買い物するパターンか? くそぉ……いきなり私の完璧な計画が頓挫した。 あ、カニカマみっけ」
黒髪のクウネルはガックリと肩を落としながら見つけたカニカマを口に運ぶ。
「んー、この味久し振り~! あ、冷凍庫なら何か入ってないかなー?」
今度は冷凍庫を開き中を覗く。
「お! あるやーん、これは……ホルモン? えらくでかいな。 でも、お昼から焼き肉はな~……有りよりの有りじゃね? なんのホルモンか知らんけど、焼けばええやん。 焼けば同じさ~♪」
黒髪のクウネルは鼻歌を歌いながら、フライパンに切ったホルモンをドカドカと入れた。
そしてコンロの火を付け、フライパンを熱したその瞬間。
瞬く間に膨れ上がったホルモンが爆発し台所に飛び散った。
「ぎゃあぁぁぁぁ! え?! なに!? なんで!?」
飛び散ったホルモンの脂に火が付き、台所が一気に燃え上がる。
「あちちちちち! ヤバい! 燃えてる!? 火事だ! 火事だよーーーー!! 水魔法! 水魔法発動!! 発動しなーーい!? 助けて鑑定えもーーーん!!」
黒髪のクウネルがパニックを起こしている間にも火はどんどん燃え移り、天井も真っ赤に燃え始める。
「消火器、消火器はどこ! 待って! もう、そんな事してる場合じゃなくね?! 火の海だよ! あっっっちーーー!! 逃げろー! 命有っての物種だぁぁぁ!!」
◆◇◆
――こうして黒髪のクウネルは一目散に玄関まで走り、外に脱出したのだ。
その直後に、異変を察知した田所に助けてもらい今に至る。
「やっぱり私のせいですかね? いやいや、誰がどう考えてもあのホルモンが原因やん! 知らんやん、フライパンに乗せた瞬間爆発するとか。 じゃあ、焼き肉屋に行ってホルモン頼んで焼いたら爆発しましたって日常かい? 違うでしょ? ね? ね?」
「ゴギャ………ゴギャルルル?」
黒髪のクウネルに捲し立てられた田所は、言葉は理解できているのか苦笑いだ。
「ほら、私のせいじゃないー! っていうか田所さん、本当に歯並び凄いですね」
黒髪のクウネルの目の前で、火柱が上がり真っ黒な煙が空を覆っていた。
「あー……やっちゃったよ。 あはは……家……燃やしちゃった」
外の寒空の中、借りた毛布に包まれながら黒髪のクウネルは呆然と燃える家を見つめる。
周囲には多くの野次馬な化け物達がスマホで撮影し、消防士の服を着た化け物達が消防車で駆け付け直ぐに放水を始めた。
化け物な消防士は懸命に消火活動をしており、見た目だけを無視すれば普通の現代に居るのかと錯覚する程だ。
「こんな時でも野次馬してスマホで撮影って人間と同じ思考回路なのかね。 あ、田所さん。 お茶と毛布ありがとうございます」
燃え盛る家から脱出した黒髪のクウネルを助け、直ぐに119番通報したのが隣に住む田所と云う名前の化け物であった。
全身真っ黒で、口が大きな化け物なのだがとても優しいようだ。 着ている服を見る限り、主婦なのかエプロンを着用している。
「ゴギャギャ? ゴルギャギャギャギャ」
言葉が分からないのが難点だが、どうやら黒髪のクウネルを心配しているのだろう。
「ズズ……あ~……お茶が美味しい。 しかし、失敗だったな~。 どうしよう」
黒髪のクウネルは1時間前に己がした失敗を思い出していた。
◆◇◆
――――1時間前。
黒髪のクウネルは自室で苦しんでいた。
「あぁぁぁぁ! やってしまった! よく分からん怒りに任せて、邪神と喧嘩しちゃったよ! 最悪殺されるんじゃね!? あ、そうだ!」
布団の上で悶えるが行動を起こさない限り事態は好転しないと黒髪のクウネルは立ち上がり自室を出た。
現在、お母さんは家を留守にしている。 パートが有るとかで働きに出ると階段の下から話すのを黒髪のクウネルは聞いていたのだ。
「確かスーパーで惣菜を作ってるとか言ってたよね。 この世界の創造主なのに労働してるのか。 自分の眷属の下で働く邪神なんて、お母さんだけじゃね? でも、好都合でもある。 これはチャンスだ!」
黒髪のクウネルは自室のドアに挟まっていた手紙を読み、お母さんが帰宅するのは昼だと確認する。
「ふむふむ、オッケー! 手作りの料理を準備しといて仲直りのきっかけにしよう。 冷静に考えて、この世界の創造主と不仲とか無理ゲーすぎる。 よし、急いで台所に突撃だー!」
バタバタと階段を下りて、1階の台所に向かった。
「んー、まずは冷蔵庫チェックだな。 冷蔵庫の中身は~……あれ? 全然入ってないじゃんか! あれか、仕事帰りに買い物するパターンか? くそぉ……いきなり私の完璧な計画が頓挫した。 あ、カニカマみっけ」
黒髪のクウネルはガックリと肩を落としながら見つけたカニカマを口に運ぶ。
「んー、この味久し振り~! あ、冷凍庫なら何か入ってないかなー?」
今度は冷凍庫を開き中を覗く。
「お! あるやーん、これは……ホルモン? えらくでかいな。 でも、お昼から焼き肉はな~……有りよりの有りじゃね? なんのホルモンか知らんけど、焼けばええやん。 焼けば同じさ~♪」
黒髪のクウネルは鼻歌を歌いながら、フライパンに切ったホルモンをドカドカと入れた。
そしてコンロの火を付け、フライパンを熱したその瞬間。
瞬く間に膨れ上がったホルモンが爆発し台所に飛び散った。
「ぎゃあぁぁぁぁ! え?! なに!? なんで!?」
飛び散ったホルモンの脂に火が付き、台所が一気に燃え上がる。
「あちちちちち! ヤバい! 燃えてる!? 火事だ! 火事だよーーーー!! 水魔法! 水魔法発動!! 発動しなーーい!? 助けて鑑定えもーーーん!!」
黒髪のクウネルがパニックを起こしている間にも火はどんどん燃え移り、天井も真っ赤に燃え始める。
「消火器、消火器はどこ! 待って! もう、そんな事してる場合じゃなくね?! 火の海だよ! あっっっちーーー!! 逃げろー! 命有っての物種だぁぁぁ!!」
◆◇◆
――こうして黒髪のクウネルは一目散に玄関まで走り、外に脱出したのだ。
その直後に、異変を察知した田所に助けてもらい今に至る。
「やっぱり私のせいですかね? いやいや、誰がどう考えてもあのホルモンが原因やん! 知らんやん、フライパンに乗せた瞬間爆発するとか。 じゃあ、焼き肉屋に行ってホルモン頼んで焼いたら爆発しましたって日常かい? 違うでしょ? ね? ね?」
「ゴギャ………ゴギャルルル?」
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