ガルテナ ~私の一番の音楽~

茂庭

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〈雑談〉ユカを好きになったキッカケ

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 六月中旬、部室で練習の休憩中、由香里は席を外していた。
真梨子はコタツの正面にいる千晴に由香里との仲ついて言われた。




「マリコさんってユカリさんと凄く仲いいですよね」
「まぁねー!」

 チハルちゃんが言うので少し得意になって胸を張った。鼻も伸びていたかもしれない。
今度はサナエさんから質問される。

「付き合い長いのか?」
「小学校一年からですね」
「なげーな」
「それは仲良くもなりますね」

 チハルちゃんが気になる返し方をした。
私とユカの仲良しっぷりは付き合いが長いからではない。
ここは一ついいエピソードを披露しよう。

「いやいや違うんだよ、いい話があるんだよ。聞いてくれる?」

 シオリちゃんが頷いて先を促した。無表情だけど目は興味津々としていた。

「なんだよ。惚気か?」

 ニヤついたサナエさん。そっか、これは惚気かもしれない。

「そう! 惚気なのです! あのね、私バレエやってたって言ったでしょ?
小学校の頃男子に私がレオタード来てる写真を見られたみたいでさ、からかわれちゃったの、『水着で踊ってるんだー』って。そしたらユカが『それはバレエで着る服だからおかしくなんてない。なにも頑張ってないお前よりマリの方がずっとカッコいい』って怒ってくれたの!」

 自慢のエピソードランキング三本の指に入る思い出話をした。

「おぉ~!」
「カッコいい~!」
「そうなの! それがカッコよくてさぁ。ずっと好きなんだよね、ユカのこと」

 言いながら頬が緩むのを感じる。
ユカは恥ずかしがり屋だが正義感は強く、それを発揮するときは照れを捨て去る。
その時はカッコよく、恥ずかしがり屋な所は可愛いのだ。

「それはもう結婚するしかねーな」
「ですね」

 ニヤニヤしているサナエさんにチハルちゃんが同意する。

「えぇー!? やっぱりそうかなぁ!?」

 乗るとシオリちゃんも頷いて結婚を後押ししてくれた。
これは式の準備をせねば。と顎に手をあてて思案する。

「どんなドレス着ようかなぁ」

 するとシオリちゃんがいつもの無表情で言った。

「式には呼んで下さい」
「もちろん! 軽音部全員来てね!」
「シオリも冗談言うんだな」

 サナエさんがニヤけ顔をシオリちゃんに向ける。

「え?」

 シオリちゃんは心底分からなそうだった。

「「「え?」」」

 皆でハモってしまった。……あれ……シオリちゃんはマジだった……?
追及をためらい少しだけ沈黙が流れる。

 そこにユカが帰ってくる。チハルちゃんは話題を変えるかのように少し大きめの声で言った。

「あ、愛しの旦那さんが帰って来ましたよ」
「旦那?」

 話の流れを知らないユカは怪訝そうな顔をしていた。
ちょっとふざけて両手を振ってみる。

「わーい! だんなー!!」
「いや旦那違う」

 ジト目で言われたけど、そんな顔も好きだった。
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