ガルテナ ~私の一番の音楽~

茂庭

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〈雑談〉軽音部コタツ戦争

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 六月下旬、練習前の部室、サナエさんがまだ来ていない中、コタツを四人で囲んでいるとチハルがマリに言った。

「あの、もういい加減コタツ片付けません?」
「まだいける!」

 なぜか闘志むき出しでコタツに執着するマリ。
チハルは珍しく顔をしかめていた。相当コタツを片付けたいようだ。もう六月下旬なので当然だ。

「もう無理ですよ。暑いっす」

 シオリも頷いていた。

「まだ頑張れる!戦える!」
「なにと戦ってんの」

 相変わらず闘志むき出しのコタツムリにツッコミを入れる。
するとチハルはシオリと私に視線を移して武闘派の提案をする。

「もう皆でマリコさん取り押さえて片づけちゃいましょうよ」
「私を取り押さえてどうするつもり!?」

 マリは手で胸を隠すような仕草をした。なにかいやらしいことでもされるように。

「コタツを片付けます」
「聞いてたでしょ」

 チハルと二人でマリにジト目を送る。

「旦那として妻をどうにかして下さいよ……」
「旦那じゃないけどさ、マリ、もう無理だって」

 チハルは白旗を挙げたようで私に解決を委ねた様子。
私もいい加減片付けるべきだと思っていたので、コタツムリと戦闘を開始する。

「無理じゃない! やり直せる! アナタもそう言ったじゃない!」
「言ってないよ。ドラマ仕立てやめて」
「そうだ! サナエさんがコタツを必要としてるかもしれないじゃん!」
「ここにいる部員だけで過半数取れてるから」

 そう、既に三対一。というかサナエさんがコタツを必要とする訳ない。
しかしこのコタツムリはまだ粘る。

「まだ分からない! 諦めない! 皆! お願い! 私に力を貸して! コタツが必要だと思う人手ぇ挙げてー!」

 コタツムリは満面の笑顔で協力を要請しつつ、右手を勢いよく挙げた。
 当然、他の誰も挙げない。

「裏切り者ー!!」
「誰も裏切ってないっす」

 怒り叫ぶコタツムリに現状を正しく突き付けたチハルに、シオリが頷いていた。

「この流れで勝てる訳ないでしょ」

 マリはコタツを愛するあまり、現状が正しく認識できなかった様子。
なんにせよ、多数決で完全に勝利したので、続けて宣言する。

「よし、大儀は我等にある。みんな、やろう」
「いや! やめてー! 私からなにも奪わないでー!!」

 この後チハルと私でマリを取り押さえ、シオリがコタツをしまった。
こうして、軽音部コタツ戦争は幕を閉じた。
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