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分析とサナエの励まし
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昼休み、由香里は中庭のベンチにお弁当を持って座っていた。
中庭には三人は座れそうなベンチが四つあり、その内の二つは日陰だったので、一番日向から遠いベンチに座っていた。
お昼はいつも部室行ってたからなんか教室にも居づらいし、こんなとこに来てしまった。暑いのに。
あ~あ、学校って一人になれるいい感じの場所って無いよなぁ。トイレは嫌だし、部室は取られちゃったし。
いや、取られちゃったは違うか、私が勝手に行きたくないだけか。
お弁当、早く食べないと悪くなっちゃいそうだけど、イマイチ食べる気がしないんだよなぁ……
喉の奥の締め付けられる感覚が消えなくて食欲が湧かない。
「ユカリさん」
「わ、シオリ」
後ろから声を掛けられたので少し驚いて振り向くとシオリがいた。
昼休みに入ってニ十分くらい経っている。
この時間、軽音部はみんな部室でお昼を食べているはず。
気になったので聞いてみる。
「今日はみんなとお昼しないの?」
「風紀委員の仕事があったので。ユカリさんは?」
しまった藪蛇。アホか私は。不意打ちでいつもの調子になってしまった。
適当に嘘をつく。
「えーと、たまには外で、と思って」
「そうですか。私は指導に来ました」
言いながらシオリは私の隣に座った。
「指導?」
「はい、風紀委員として仮病での休みは見過ごせません」
「いやいや、ホントに体調悪かったんだよ」
「そうでしたか、それは失礼しました」
あ、昨日立花がお見舞いに来た時「二人」ってお母さんが言ってたっけ。
もう一人はシオリかも。ヤバい叱られる。と思ったけど、それは本題ではなかった様子。
シオリはしっかりと私の目を見て続けた。
「要件はもう一つあります」
「なに?」
「分析の報告です。皆さんにはもう共有してあります」
「分析ってなんの?」
「私達より上の十六のバンド、全て活動歴が三年以上でした」
「唐突だな……」
ガルテナ予選の分析のようだ。
別に興味なかったけど、今移動するのも変なので大人しく聞くことにする。
「そして、ガルテナの予選はネットの投票によるものです」
「まぁそうだね」
「つまり、予選動画の良し悪しではなく、ファンの多さが重要です」
「……」
「予選動画も無関係ではありませんが、活動歴が長いバンド、元からファンの多いバンドは圧倒的に有利です」
……なるほど、それはあるかもな。
シオリは組んだ手を太ももの間に置いて続ける。
「私達のような新しいバンドには不利な悪質下劣外道極まりない不公平で最低最悪な仕組みと言えます」
……ん? 何か様子がおかしい。
シオリは組んだ手をギシギシいいそうなほど握りしめて更に続ける。
「気付いたときは怒りに震え苦情を入れてやろうと電話を握りしめましたが、深夜だったこともありなんとか思いとどまりました」
めちゃめちゃ怒ってらっしゃる……
シオリから怒りのオーラが発せられている。目は吊り上がり青筋が立っているように見えた。
自分でヤバい顔をしていることに気付いたようで、一つ深呼吸をして顔色を戻し、手の力も抜いたシオリは更に続ける。
「失礼、話がそれました。分析の続きです。実際私達と同程度の活動歴のバンドは二十五組ありましたが、すべて三十位以下でした。私達の十七位はかなり驚異的と思われます」
「……」
「活動歴三年以下での一位は私達、そして、十八位以下には活動歴三年以上のバンドも多くいます」
「つまり曲のせいじゃないって言いたいんだよね?」
「それは私にはよく分かりません。ただ予選動画の曲やパフォーマンスだけで測れないのは間違いなく事実です」
「マリからなんて言われたの?」
「昨日言い合ってしまったと聞きました。それを聞いた後すぐ皆さんにこの件を報告したので証明できます。ユカリさんを慰めたい為に無理やり理由を探した訳ではないと。この分析をしたのは一昨日の夜ですから」
見透かされてる。本当に鋭い。いや、ちょっと露骨すぎたか。
確かに納得できる話ではある。
でも私がネットに上げてる動画と、皆の動画の再生数に大きな差があることはどうしようもない。
そう思ってシオリから視線を逸らし、俯く。
「……それに、私は……私のせいだと思っています」
か細い声を出したシオリを見るといつもの無表情は崩れていた。
唇をキュッと結び、眉尻は下がり、悲しそうな、申し訳なさそうな表情だった。
「そんなことないよ。チハルも言ってたでしょ。シオリのベースには作曲者の私も満足してる」
「……でも、多分……」
急に歯切れが悪くなった。シオリは無口だ。こんなに喋ったところを見たことが無い。
私の為に一生懸命喋ってくれたんだろう。言葉の続きを静かに待つ。
「……だから、私はきっと、ユカリさんの気持ちが分かると思うんです」
シオリは視線を私から外して俯いた。
私も同じようにまた俯く。
なるほど、自分の責任だと思ってることも、誰からも責められないのも同じ。確かに似ているかもしれない。
でも違いはある。
シオリはベースを初めて半年も経っていない。これからもっともっと上手くなる。
私は違う。初めて作曲を意識してからもうどれだけ経ったか数えるのも面倒。なのに芽は出ない。
これは致命的な違い。
でも言えなかった。
自分が傷つくのも恐れず私の為に一生懸命話してくれた後輩に、これ以上失望させるようなことを言いたくなかった。
辞めるつもりの人間が何言ってんだ、とは思うけど。つまらない見栄なのかも。
その瞬間、首の右側を何かにブサリと刺された。
「イヒャア!!」
「キャア!!」
思わず大声を出してのけ反ってしまった。
左に座るシオリも可愛い悲鳴をあげたが、とりあえず刺された首を右手で抑えて振り向く。
首を刺した犯人はサナエさんだった。
凶器であると思われる右人差し指を私に向けたまま、シオリと私の正面に回り込む。大笑いしながら。
「ブハハハハ!! 『イヒャア!!』だって!! 女子力皆無かよブハハハハ!!」
うっざ。それに恥ずかしい。いや、アナタの笑い方だって女子力皆無じゃないか!
サナエさんはその人差し指をシオリに向け、左手ではお腹を抱えて、尚も大笑い。
「シオリもっ、ククク……シオリはユカリの驚きにビビってたろ……『キャア!!』って……いつもクールぶってんのに……ククク……ブハハハハ!! かわいいかよー!!」
シオリは頬を赤くしてサナエさんをキッと睨み、怒気を孕んで言った。
「なにか用ですか」
「いやちょっと待ってくれ……クククク……」
左手でお腹を抱え、右手で目を抑えながら少し俯き加減で笑いが引くのを待っていた。
とてもウザい。シオリと二人でサナエさんを睨む。真面目な話をしていたのに。
三十秒くらい経ったあと、サナエさんはシオリに視線を向けた。笑いは引ききっておらず、半笑いだった。
「あんまりうるさく言うんじゃねーって言ったろ」
「うるさくなんて言っていません。仮病の追求と分析の報告をしていただけです」
「あーあれか、ユカリ、お前はちょっとこのクールキュートガールを見習った方がいいぞ」
またシオリが顔を赤くしてサナエさんを睨んだが、サナエさんはそれを無視して私に視線を向けた。半笑いの中に真剣な目があった。
でも『見習う』の意味は分からなかった。
「見習うって?」
「負けてもアレコレ言い訳して次に活かすヤツだよ」
「言い訳ではありません。客観的な分析です」
シオリはまだサナエさんを睨んでいた。
サナエさんは気にも留めていない。表情も真剣なものになっていた。
「いいか、物作る人間が一回負けたくらいでいつまでもヘコんでんじゃねーぞ。負けなんて次に勝つための布石でしかねーんだ」
何も返せなかった。そんなカッコいいこと考えたことも無い。
サナエさんの目がジト目に変わって続ける。
「『負けに慣れろ』って言ってんじゃねーからな、勘違いすんなよ。それによ、お前は曲を使わせてやった立場だろ。そんで私達もお前の曲にケチつけたことなんてねーだろ。それでお前が特別責任感じるなんておかしーだろアホか」
カチンと来た。私の負けは一回ではない。内緒にしているネットへの投稿を始めて一年以上、負けっぱなしと言っていい。
それに皆を巻き込んでしまった。なにも知らないくせに、と言い返そうかと思ったらシオリが先に返した。
「口が悪いです」
シオリはまだサナエさんを睨んでいた。そのシオリを無視してサナエさんはまだ視線を私に向けていた。
「仮にだぞ。もし仮に私達がお前を責めたら『黙れ! テメーらのせいで負けたんだカス共!』くらい言ってやんだよ」
「態度も悪いです」
「イチイチうっせーな! 今カッコいいこと言ってんだよ!」
流石のサナエさんもシオリの茶々を無視しきれなかったようで、視線をシオリに変えてキレた。
二人がやり合う。
「あまりうるさく言うなと言ったのはアナタでしょ?」
「本人前にしたら言いたくなんだろ!」
「滅茶苦茶ですね。でもユカリさん、この人の言ったことは一理あると思いますよ。言葉と頭は悪いですが」
「頭は余計だろ! お前いい加減にしろよ!」
シオリはサナエさんに対してやたらとキツイ。
さっき大笑いされたせいか、今日はいつもより余計に。
二つ上の先輩であるにも関わらず容赦なくキレキレだ。
シオリは「付き合っていられない」と言わんばかりに私に視線を変え、軽く頭を下げた。
「私の要件は以上です。では」
「待てコラ逃げんのか!」
立ち上がり去っていくシオリをサナエさんが半ギレで追いかけて行った。
離れながらもサナエさんが食って掛かっていたが、シオリはガン無視しているように見えた。
嵐のような二人だった。
喉の奥の締め付けられる感覚が軽くなったので、急いでお弁当を食べ、昼休みが終わった。
中庭には三人は座れそうなベンチが四つあり、その内の二つは日陰だったので、一番日向から遠いベンチに座っていた。
お昼はいつも部室行ってたからなんか教室にも居づらいし、こんなとこに来てしまった。暑いのに。
あ~あ、学校って一人になれるいい感じの場所って無いよなぁ。トイレは嫌だし、部室は取られちゃったし。
いや、取られちゃったは違うか、私が勝手に行きたくないだけか。
お弁当、早く食べないと悪くなっちゃいそうだけど、イマイチ食べる気がしないんだよなぁ……
喉の奥の締め付けられる感覚が消えなくて食欲が湧かない。
「ユカリさん」
「わ、シオリ」
後ろから声を掛けられたので少し驚いて振り向くとシオリがいた。
昼休みに入ってニ十分くらい経っている。
この時間、軽音部はみんな部室でお昼を食べているはず。
気になったので聞いてみる。
「今日はみんなとお昼しないの?」
「風紀委員の仕事があったので。ユカリさんは?」
しまった藪蛇。アホか私は。不意打ちでいつもの調子になってしまった。
適当に嘘をつく。
「えーと、たまには外で、と思って」
「そうですか。私は指導に来ました」
言いながらシオリは私の隣に座った。
「指導?」
「はい、風紀委員として仮病での休みは見過ごせません」
「いやいや、ホントに体調悪かったんだよ」
「そうでしたか、それは失礼しました」
あ、昨日立花がお見舞いに来た時「二人」ってお母さんが言ってたっけ。
もう一人はシオリかも。ヤバい叱られる。と思ったけど、それは本題ではなかった様子。
シオリはしっかりと私の目を見て続けた。
「要件はもう一つあります」
「なに?」
「分析の報告です。皆さんにはもう共有してあります」
「分析ってなんの?」
「私達より上の十六のバンド、全て活動歴が三年以上でした」
「唐突だな……」
ガルテナ予選の分析のようだ。
別に興味なかったけど、今移動するのも変なので大人しく聞くことにする。
「そして、ガルテナの予選はネットの投票によるものです」
「まぁそうだね」
「つまり、予選動画の良し悪しではなく、ファンの多さが重要です」
「……」
「予選動画も無関係ではありませんが、活動歴が長いバンド、元からファンの多いバンドは圧倒的に有利です」
……なるほど、それはあるかもな。
シオリは組んだ手を太ももの間に置いて続ける。
「私達のような新しいバンドには不利な悪質下劣外道極まりない不公平で最低最悪な仕組みと言えます」
……ん? 何か様子がおかしい。
シオリは組んだ手をギシギシいいそうなほど握りしめて更に続ける。
「気付いたときは怒りに震え苦情を入れてやろうと電話を握りしめましたが、深夜だったこともありなんとか思いとどまりました」
めちゃめちゃ怒ってらっしゃる……
シオリから怒りのオーラが発せられている。目は吊り上がり青筋が立っているように見えた。
自分でヤバい顔をしていることに気付いたようで、一つ深呼吸をして顔色を戻し、手の力も抜いたシオリは更に続ける。
「失礼、話がそれました。分析の続きです。実際私達と同程度の活動歴のバンドは二十五組ありましたが、すべて三十位以下でした。私達の十七位はかなり驚異的と思われます」
「……」
「活動歴三年以下での一位は私達、そして、十八位以下には活動歴三年以上のバンドも多くいます」
「つまり曲のせいじゃないって言いたいんだよね?」
「それは私にはよく分かりません。ただ予選動画の曲やパフォーマンスだけで測れないのは間違いなく事実です」
「マリからなんて言われたの?」
「昨日言い合ってしまったと聞きました。それを聞いた後すぐ皆さんにこの件を報告したので証明できます。ユカリさんを慰めたい為に無理やり理由を探した訳ではないと。この分析をしたのは一昨日の夜ですから」
見透かされてる。本当に鋭い。いや、ちょっと露骨すぎたか。
確かに納得できる話ではある。
でも私がネットに上げてる動画と、皆の動画の再生数に大きな差があることはどうしようもない。
そう思ってシオリから視線を逸らし、俯く。
「……それに、私は……私のせいだと思っています」
か細い声を出したシオリを見るといつもの無表情は崩れていた。
唇をキュッと結び、眉尻は下がり、悲しそうな、申し訳なさそうな表情だった。
「そんなことないよ。チハルも言ってたでしょ。シオリのベースには作曲者の私も満足してる」
「……でも、多分……」
急に歯切れが悪くなった。シオリは無口だ。こんなに喋ったところを見たことが無い。
私の為に一生懸命喋ってくれたんだろう。言葉の続きを静かに待つ。
「……だから、私はきっと、ユカリさんの気持ちが分かると思うんです」
シオリは視線を私から外して俯いた。
私も同じようにまた俯く。
なるほど、自分の責任だと思ってることも、誰からも責められないのも同じ。確かに似ているかもしれない。
でも違いはある。
シオリはベースを初めて半年も経っていない。これからもっともっと上手くなる。
私は違う。初めて作曲を意識してからもうどれだけ経ったか数えるのも面倒。なのに芽は出ない。
これは致命的な違い。
でも言えなかった。
自分が傷つくのも恐れず私の為に一生懸命話してくれた後輩に、これ以上失望させるようなことを言いたくなかった。
辞めるつもりの人間が何言ってんだ、とは思うけど。つまらない見栄なのかも。
その瞬間、首の右側を何かにブサリと刺された。
「イヒャア!!」
「キャア!!」
思わず大声を出してのけ反ってしまった。
左に座るシオリも可愛い悲鳴をあげたが、とりあえず刺された首を右手で抑えて振り向く。
首を刺した犯人はサナエさんだった。
凶器であると思われる右人差し指を私に向けたまま、シオリと私の正面に回り込む。大笑いしながら。
「ブハハハハ!! 『イヒャア!!』だって!! 女子力皆無かよブハハハハ!!」
うっざ。それに恥ずかしい。いや、アナタの笑い方だって女子力皆無じゃないか!
サナエさんはその人差し指をシオリに向け、左手ではお腹を抱えて、尚も大笑い。
「シオリもっ、ククク……シオリはユカリの驚きにビビってたろ……『キャア!!』って……いつもクールぶってんのに……ククク……ブハハハハ!! かわいいかよー!!」
シオリは頬を赤くしてサナエさんをキッと睨み、怒気を孕んで言った。
「なにか用ですか」
「いやちょっと待ってくれ……クククク……」
左手でお腹を抱え、右手で目を抑えながら少し俯き加減で笑いが引くのを待っていた。
とてもウザい。シオリと二人でサナエさんを睨む。真面目な話をしていたのに。
三十秒くらい経ったあと、サナエさんはシオリに視線を向けた。笑いは引ききっておらず、半笑いだった。
「あんまりうるさく言うんじゃねーって言ったろ」
「うるさくなんて言っていません。仮病の追求と分析の報告をしていただけです」
「あーあれか、ユカリ、お前はちょっとこのクールキュートガールを見習った方がいいぞ」
またシオリが顔を赤くしてサナエさんを睨んだが、サナエさんはそれを無視して私に視線を向けた。半笑いの中に真剣な目があった。
でも『見習う』の意味は分からなかった。
「見習うって?」
「負けてもアレコレ言い訳して次に活かすヤツだよ」
「言い訳ではありません。客観的な分析です」
シオリはまだサナエさんを睨んでいた。
サナエさんは気にも留めていない。表情も真剣なものになっていた。
「いいか、物作る人間が一回負けたくらいでいつまでもヘコんでんじゃねーぞ。負けなんて次に勝つための布石でしかねーんだ」
何も返せなかった。そんなカッコいいこと考えたことも無い。
サナエさんの目がジト目に変わって続ける。
「『負けに慣れろ』って言ってんじゃねーからな、勘違いすんなよ。それによ、お前は曲を使わせてやった立場だろ。そんで私達もお前の曲にケチつけたことなんてねーだろ。それでお前が特別責任感じるなんておかしーだろアホか」
カチンと来た。私の負けは一回ではない。内緒にしているネットへの投稿を始めて一年以上、負けっぱなしと言っていい。
それに皆を巻き込んでしまった。なにも知らないくせに、と言い返そうかと思ったらシオリが先に返した。
「口が悪いです」
シオリはまだサナエさんを睨んでいた。そのシオリを無視してサナエさんはまだ視線を私に向けていた。
「仮にだぞ。もし仮に私達がお前を責めたら『黙れ! テメーらのせいで負けたんだカス共!』くらい言ってやんだよ」
「態度も悪いです」
「イチイチうっせーな! 今カッコいいこと言ってんだよ!」
流石のサナエさんもシオリの茶々を無視しきれなかったようで、視線をシオリに変えてキレた。
二人がやり合う。
「あまりうるさく言うなと言ったのはアナタでしょ?」
「本人前にしたら言いたくなんだろ!」
「滅茶苦茶ですね。でもユカリさん、この人の言ったことは一理あると思いますよ。言葉と頭は悪いですが」
「頭は余計だろ! お前いい加減にしろよ!」
シオリはサナエさんに対してやたらとキツイ。
さっき大笑いされたせいか、今日はいつもより余計に。
二つ上の先輩であるにも関わらず容赦なくキレキレだ。
シオリは「付き合っていられない」と言わんばかりに私に視線を変え、軽く頭を下げた。
「私の要件は以上です。では」
「待てコラ逃げんのか!」
立ち上がり去っていくシオリをサナエさんが半ギレで追いかけて行った。
離れながらもサナエさんが食って掛かっていたが、シオリはガン無視しているように見えた。
嵐のような二人だった。
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