80 / 81
打ち上げとお泊り
しおりを挟む
由香里は喜びのあまり混乱していた。
そのせいで優勝の発表で自分達のバンド名を呼ばれてからずっと、一瞬の出来事のように思えた。
ステージ上に出て、千晴がトロフィーを受け取ったこと。
その瞬間、金色の紙テープや紙吹雪がどこからか発射され、視界がキラキラしたこと。
なにやらインタビューを受けたこと。
その後、ステージ袖でトロフィーを皆で回したこと。
嬉しすぎて、高揚しすぎて、それらは意識の片隅に僅かに残るだけだった。
そして楽屋に戻り、少しずつ冷静になってくる。
楽屋の備え付けの机にはチハルが受け取ったトロフィーが置かれていた。
大きさは二十センチほどで、おそらくガラスで作られた透明感のあるトロフィー。物凄く美しく思える。
皆は衣装のまま、優勝の余韻に浸り嬉しそうに雑談していた。
皆に伝えたいことがあった。
「皆」
私の声に皆の視線が集まる。全員喜びで頬が緩んでいた。私も同じ。
続けて言った。
「私の曲を演奏してくれて、ありがとう」
ずっと言いたかったお礼。無価値だった私の曲を心ごと救い上げてくれた。感謝でいっぱいだった。
「こっちこそ!」
言ったのはチハル。
シオリとソファに座って雑談していたチハルは立ち上がり、ニコニコしながら近づいてきた。そして両手で私の両手を取る。間近で見る頬には歓喜の涙の跡が残っていた。
チハルは握る手をキュッと強めた。
「曲作ってくれてありがとう! ユカリの曲はやっぱり凄くいい曲だよ!!」
ニカーっと笑いながら言われた。
初めて会った時、初めて聞いてもらった時と同じような感想。ずっとこうだった。また涙腺が緩んでしまう。でもマリが微笑んでいたのを見て、泣くのは癪なので根性で堪えた。
本音だけど、泣かないように誤魔化し半分にチハルに言う。
「皆のお陰でね」
それを聞いたサナエはニヤリと笑い、足を大仰に組んだ。
「まぁ私には感謝100%でいいぞ、お前ら」
「空気読んでよ……」
曲がった眼鏡の下のジト目をサナエに向けたシオリがツッコんだ。
笑いが起き、涙は引っ込んだ。
着替えと後片付けを済ませ、楽屋を出る際、机にはトロフィーが残っていた。
マリが笑顔でトロフィーを突く。
「トロフィーどうする?」
すぐにチハルが私に視線を向けた。
「ユカリ持ってくれる?」
「え? 私?」
「うん、一番荷物少ないし」
確かに私が一番身軽。荷物は背負ってるリュックだけだった。
ギターとベースの三人はギグバックを背負っているし、サナエもスーツケースを引きずっている。
「分かった」
そう言ってステージ袖で貰った頑丈そうな木箱にトロフィーをしまい、大事に抱えた。
家を出た時よりも一つ荷物が増えたことが、とても嬉しかった。
こうして、冬のアイパレ優勝は私達、リコルリエの優勝で幕を閉じた。
それからサナエの提案で、ファミレスで打ち上げをすることになった。
家から最寄りの駅に着くころには二十一時少し前だったけど、皆賛成した。
打ち上げでの話題はもちろん今日のこと。
撮った写真を見てまた大笑いされた。気分はとても良かったけど、この件に関しては必ず復讐すると誓った。
でも写真は遥か昔のようにも思えた。今朝のことなんて信じられない。
ひとはしゃぎした後、二十二時になりそうなのでファミレスから出た。
本当はもっといたかったけど、帰らなくちゃいけない。
ファミレスから出ると、寒さが一段と厳しくなっていた。頬も手も凍りそう。
サナエが遠くを見ながらぽつりと言った。
「もう十時か……」
「帰んなきゃだね……」
「うん……」
いつも明るいマリとチハルが歯切れ悪く返した。
皆離れたくないんだな。凄く分かるよ。私も帰りたくなかった。
「家に泊まりに来ない?」
唐突に言ったのはシオリだった。全員の視線がシオリへ向く。
「えっ?」
「急にいいの?」
私とマリが問いかけるとシオリは頷いた。
「うん、予選突破の時に何も考えてなかったから準備してたんだ。親に言ってあるし、布団とかもあるよ」
「え、すご。優勝するって思ってたの?」
チハルが少しのけ反り驚いて問いかけると、シオリは若干のドヤ顔になった。
「なんとなく、負ける気がしなかった」
「マジすか……」
つい声が出た。信じられない。
サナエは少し呆れたように目を細めた。
「ならなんであんなにピーピー泣いたんだよ……」
「実際に起こると違うでしょ」
シオリはいつもと変わらない表情で淡々と答えたけど、頬が少し赤くなったような気がする。
そんなシオリを、マリがニコニコしながらいじる。
「めちゃめちゃ泣いてたもんね!」
さっきまでの打ち上げでシオリはボロ泣きしたことを散々いじられていた。
「その話はもういいでしょ。来るでしょ?」
シオリは表情を変えなかったけど、話を変えようとしているのは見え見えだった。
それにしてもお泊り、行かないわけがない。
「もちろん」
「行くよ!」
「行く行くー!!」
三人で同じタイミングで答える。
サナエだけはニヤニヤとシオリに問いかけた。
「私は歓迎しないんじゃなかったのかよ」
元旦の会話を思い出す。そんなことも言ってたっけ。
シオリが即答する。
「『入れない』とは言ってない」
「屁理屈女め」
「大凶女」
そんな二人を見てチハルが言った。
「ホント仲いいよね」
「まぁな!」 「どこが」
二人は同じタイミングで違う回答をする。
チハルは感心したように頷いた。
「息ピッタリ」
うむ、流石リズム隊。
シオリは先に歩き出した。
「ほら、もういいから行こう」
表情は見られなかったけど、苦い表情をしているに違いない。つい頬が緩んでしまう。
皆でシオリのあとを追った。
そのあと、シオリの家に泊まった。
シオリの家は新築のやたらと大きい家でビビってしまった。
シオリの部屋は和室でまたやたらと広い。
必要最低限のものしかないように見えた。机とタンスくらいしかない。
机にはノートパソコンとオーディオインターフェースとメトロノーム、脇にギタースタンドがあっていつもそこで練習していることが伺えた。
部屋の一角には言った通り布団が用意されていて、それを皆で川の字二列分に敷いた。
お風呂を借りた後、そこに寝て雑談をした。
川の字二列分の真ん中にはトロフィーを置いて。
最初は思い出話なんかに花を咲かせてたけど、やっぱり疲れはあってみんなすぐに眠ってしまった。
私もすぐに眠ってしまう。
見た夢は部室で、皆で演奏している夢。
皆笑っていて、チハルのギターも、シオリのベースも、サナエのドラムも、私のピアノも、そしてマリの歌も聴こえてくる。
最高の夢だった。夢の中でも思う。
みんな、本当にありがとう。
そのせいで優勝の発表で自分達のバンド名を呼ばれてからずっと、一瞬の出来事のように思えた。
ステージ上に出て、千晴がトロフィーを受け取ったこと。
その瞬間、金色の紙テープや紙吹雪がどこからか発射され、視界がキラキラしたこと。
なにやらインタビューを受けたこと。
その後、ステージ袖でトロフィーを皆で回したこと。
嬉しすぎて、高揚しすぎて、それらは意識の片隅に僅かに残るだけだった。
そして楽屋に戻り、少しずつ冷静になってくる。
楽屋の備え付けの机にはチハルが受け取ったトロフィーが置かれていた。
大きさは二十センチほどで、おそらくガラスで作られた透明感のあるトロフィー。物凄く美しく思える。
皆は衣装のまま、優勝の余韻に浸り嬉しそうに雑談していた。
皆に伝えたいことがあった。
「皆」
私の声に皆の視線が集まる。全員喜びで頬が緩んでいた。私も同じ。
続けて言った。
「私の曲を演奏してくれて、ありがとう」
ずっと言いたかったお礼。無価値だった私の曲を心ごと救い上げてくれた。感謝でいっぱいだった。
「こっちこそ!」
言ったのはチハル。
シオリとソファに座って雑談していたチハルは立ち上がり、ニコニコしながら近づいてきた。そして両手で私の両手を取る。間近で見る頬には歓喜の涙の跡が残っていた。
チハルは握る手をキュッと強めた。
「曲作ってくれてありがとう! ユカリの曲はやっぱり凄くいい曲だよ!!」
ニカーっと笑いながら言われた。
初めて会った時、初めて聞いてもらった時と同じような感想。ずっとこうだった。また涙腺が緩んでしまう。でもマリが微笑んでいたのを見て、泣くのは癪なので根性で堪えた。
本音だけど、泣かないように誤魔化し半分にチハルに言う。
「皆のお陰でね」
それを聞いたサナエはニヤリと笑い、足を大仰に組んだ。
「まぁ私には感謝100%でいいぞ、お前ら」
「空気読んでよ……」
曲がった眼鏡の下のジト目をサナエに向けたシオリがツッコんだ。
笑いが起き、涙は引っ込んだ。
着替えと後片付けを済ませ、楽屋を出る際、机にはトロフィーが残っていた。
マリが笑顔でトロフィーを突く。
「トロフィーどうする?」
すぐにチハルが私に視線を向けた。
「ユカリ持ってくれる?」
「え? 私?」
「うん、一番荷物少ないし」
確かに私が一番身軽。荷物は背負ってるリュックだけだった。
ギターとベースの三人はギグバックを背負っているし、サナエもスーツケースを引きずっている。
「分かった」
そう言ってステージ袖で貰った頑丈そうな木箱にトロフィーをしまい、大事に抱えた。
家を出た時よりも一つ荷物が増えたことが、とても嬉しかった。
こうして、冬のアイパレ優勝は私達、リコルリエの優勝で幕を閉じた。
それからサナエの提案で、ファミレスで打ち上げをすることになった。
家から最寄りの駅に着くころには二十一時少し前だったけど、皆賛成した。
打ち上げでの話題はもちろん今日のこと。
撮った写真を見てまた大笑いされた。気分はとても良かったけど、この件に関しては必ず復讐すると誓った。
でも写真は遥か昔のようにも思えた。今朝のことなんて信じられない。
ひとはしゃぎした後、二十二時になりそうなのでファミレスから出た。
本当はもっといたかったけど、帰らなくちゃいけない。
ファミレスから出ると、寒さが一段と厳しくなっていた。頬も手も凍りそう。
サナエが遠くを見ながらぽつりと言った。
「もう十時か……」
「帰んなきゃだね……」
「うん……」
いつも明るいマリとチハルが歯切れ悪く返した。
皆離れたくないんだな。凄く分かるよ。私も帰りたくなかった。
「家に泊まりに来ない?」
唐突に言ったのはシオリだった。全員の視線がシオリへ向く。
「えっ?」
「急にいいの?」
私とマリが問いかけるとシオリは頷いた。
「うん、予選突破の時に何も考えてなかったから準備してたんだ。親に言ってあるし、布団とかもあるよ」
「え、すご。優勝するって思ってたの?」
チハルが少しのけ反り驚いて問いかけると、シオリは若干のドヤ顔になった。
「なんとなく、負ける気がしなかった」
「マジすか……」
つい声が出た。信じられない。
サナエは少し呆れたように目を細めた。
「ならなんであんなにピーピー泣いたんだよ……」
「実際に起こると違うでしょ」
シオリはいつもと変わらない表情で淡々と答えたけど、頬が少し赤くなったような気がする。
そんなシオリを、マリがニコニコしながらいじる。
「めちゃめちゃ泣いてたもんね!」
さっきまでの打ち上げでシオリはボロ泣きしたことを散々いじられていた。
「その話はもういいでしょ。来るでしょ?」
シオリは表情を変えなかったけど、話を変えようとしているのは見え見えだった。
それにしてもお泊り、行かないわけがない。
「もちろん」
「行くよ!」
「行く行くー!!」
三人で同じタイミングで答える。
サナエだけはニヤニヤとシオリに問いかけた。
「私は歓迎しないんじゃなかったのかよ」
元旦の会話を思い出す。そんなことも言ってたっけ。
シオリが即答する。
「『入れない』とは言ってない」
「屁理屈女め」
「大凶女」
そんな二人を見てチハルが言った。
「ホント仲いいよね」
「まぁな!」 「どこが」
二人は同じタイミングで違う回答をする。
チハルは感心したように頷いた。
「息ピッタリ」
うむ、流石リズム隊。
シオリは先に歩き出した。
「ほら、もういいから行こう」
表情は見られなかったけど、苦い表情をしているに違いない。つい頬が緩んでしまう。
皆でシオリのあとを追った。
そのあと、シオリの家に泊まった。
シオリの家は新築のやたらと大きい家でビビってしまった。
シオリの部屋は和室でまたやたらと広い。
必要最低限のものしかないように見えた。机とタンスくらいしかない。
机にはノートパソコンとオーディオインターフェースとメトロノーム、脇にギタースタンドがあっていつもそこで練習していることが伺えた。
部屋の一角には言った通り布団が用意されていて、それを皆で川の字二列分に敷いた。
お風呂を借りた後、そこに寝て雑談をした。
川の字二列分の真ん中にはトロフィーを置いて。
最初は思い出話なんかに花を咲かせてたけど、やっぱり疲れはあってみんなすぐに眠ってしまった。
私もすぐに眠ってしまう。
見た夢は部室で、皆で演奏している夢。
皆笑っていて、チハルのギターも、シオリのベースも、サナエのドラムも、私のピアノも、そしてマリの歌も聴こえてくる。
最高の夢だった。夢の中でも思う。
みんな、本当にありがとう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
青春
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる