122 / 132
File.11
タカトとリアナ
しおりを挟む
─
罰ゲームと称して買い物を頼まれたリアナの付き添いで、長蛇の列を為す海の家に並んでいる。
容赦なく照り付ける太陽と人口密度で倍増した暑さは、体力をどんどん削っていくが、俺の隣の少女はそんなこと微塵も感じさせないような元気さだった。
「すごい人ですね~!売り切れないといいですけどっ」
「そうなったら洒落にならんな……まぁ、アホほど在庫あることを願うしかねぇか」
店員が持ってきた簡易的なメニューを眺めながら、ゆっくりと進む列に続く。人気のドリンクは【シュワシュワ・フレッサ】という炭酸飲料らしい。
この世界にも炭酸飲料があるのは、この島のおかげだったのか。
「どれも美味しそうですねっ。シュワシュワはこの島の名産らしいですから」
「ふーん。確かに北帝国や王都じゃあんまり見なかったが」
「なんか、シュワシュワになる成分を分泌する木の葉っぱを生やすのはこの島にしかないって話ですよ」
「じゃあ草の味がすんのか……?不味そうだな」
ドンペリが木の皮を絞った汁のような味と揶揄されるのに高いのと何か近いものを感じた。まぁドンペリ飲んだことねぇけど。
それでも、暑い日に飲む炭酸の爽快感や喉越しはクセになるものだというのは知っている。それ故の長蛇の列だろう。
俺が微妙な反応をすると、リアナはメニューを指さして更に補足してくれた。
「いやいや!シュワシュワにもたくさんフレーバーありますから!ほら、ここから下が……」
「へぇ、ホントだ。リアナは何味がいいんだ?」
「そうですねぇ、リアナはやっぱりストロベリーですかね」
「あー好きそう」
お子様に人気!という謳い文句に吊られてついそんな事を口走ると、怒ったような顔をして抗議される。
「リアナが子供っぽいってことですか?!」
「あ、いや、まぁ……子供だしな?」
「違いますぅ!訂正してください!」
肩を持ってガタガタ揺らしてくるこの行為が既に子供っぽいんだけど、それを言ったらいよいよマジギレかもしれない。
「わかったから、揺らすな。悪かったよ。お前は大人だもんな」
「ホントにそう思ってます?」
「思ってる思ってる。その、なんだ、腰のそれとかすげぇ大人っぽい感じだろ」
「腰の……?あぁ、パレオですか。ていうかタカトさん、パレオも知らないなんて……ふふっ」
知らなきゃ変なのか、パレオ。
よくわからんが機嫌は持ち直したっぽいので良しとする。
「女の衣服の名前とか知る機会ないし、俺はおかしくないぞ」
「無頓着すぎません?まぁ、リアナ的には安心ですけどね」
「何で安心してんだよ」
リアナがまた笑うと、思わず目を逸らす。水着というのは普段と全く違う。カルラみたいにはしゃぐ事は無いが、やはり刺激が強い。目に毒と言うと失礼だが、何となく直視できない。
「何でも無いです。それより、どうなんですか?リアナの水着は!何回聞いても感想言ってくれないじゃないですか!」
「あー、すごいすごい。似合ってるぞ」
「テキトー過ぎです!」
俺はロリコンじゃないが、素直にリアナの水着姿は魅力的であると思う。いや、ロリコンじゃないけどそう思う。口が裂けても言わないが。何故ならロリコンじゃないから。
罰ゲームと称して買い物を頼まれたリアナの付き添いで、長蛇の列を為す海の家に並んでいる。
容赦なく照り付ける太陽と人口密度で倍増した暑さは、体力をどんどん削っていくが、俺の隣の少女はそんなこと微塵も感じさせないような元気さだった。
「すごい人ですね~!売り切れないといいですけどっ」
「そうなったら洒落にならんな……まぁ、アホほど在庫あることを願うしかねぇか」
店員が持ってきた簡易的なメニューを眺めながら、ゆっくりと進む列に続く。人気のドリンクは【シュワシュワ・フレッサ】という炭酸飲料らしい。
この世界にも炭酸飲料があるのは、この島のおかげだったのか。
「どれも美味しそうですねっ。シュワシュワはこの島の名産らしいですから」
「ふーん。確かに北帝国や王都じゃあんまり見なかったが」
「なんか、シュワシュワになる成分を分泌する木の葉っぱを生やすのはこの島にしかないって話ですよ」
「じゃあ草の味がすんのか……?不味そうだな」
ドンペリが木の皮を絞った汁のような味と揶揄されるのに高いのと何か近いものを感じた。まぁドンペリ飲んだことねぇけど。
それでも、暑い日に飲む炭酸の爽快感や喉越しはクセになるものだというのは知っている。それ故の長蛇の列だろう。
俺が微妙な反応をすると、リアナはメニューを指さして更に補足してくれた。
「いやいや!シュワシュワにもたくさんフレーバーありますから!ほら、ここから下が……」
「へぇ、ホントだ。リアナは何味がいいんだ?」
「そうですねぇ、リアナはやっぱりストロベリーですかね」
「あー好きそう」
お子様に人気!という謳い文句に吊られてついそんな事を口走ると、怒ったような顔をして抗議される。
「リアナが子供っぽいってことですか?!」
「あ、いや、まぁ……子供だしな?」
「違いますぅ!訂正してください!」
肩を持ってガタガタ揺らしてくるこの行為が既に子供っぽいんだけど、それを言ったらいよいよマジギレかもしれない。
「わかったから、揺らすな。悪かったよ。お前は大人だもんな」
「ホントにそう思ってます?」
「思ってる思ってる。その、なんだ、腰のそれとかすげぇ大人っぽい感じだろ」
「腰の……?あぁ、パレオですか。ていうかタカトさん、パレオも知らないなんて……ふふっ」
知らなきゃ変なのか、パレオ。
よくわからんが機嫌は持ち直したっぽいので良しとする。
「女の衣服の名前とか知る機会ないし、俺はおかしくないぞ」
「無頓着すぎません?まぁ、リアナ的には安心ですけどね」
「何で安心してんだよ」
リアナがまた笑うと、思わず目を逸らす。水着というのは普段と全く違う。カルラみたいにはしゃぐ事は無いが、やはり刺激が強い。目に毒と言うと失礼だが、何となく直視できない。
「何でも無いです。それより、どうなんですか?リアナの水着は!何回聞いても感想言ってくれないじゃないですか!」
「あー、すごいすごい。似合ってるぞ」
「テキトー過ぎです!」
俺はロリコンじゃないが、素直にリアナの水着姿は魅力的であると思う。いや、ロリコンじゃないけどそう思う。口が裂けても言わないが。何故ならロリコンじゃないから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる