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14話 俺は!君に共感出来なくなっている!

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事を整理しよう。

お茶会までに、いかにお姫様に近づくため
まずは、お姫様の行動を観察し振る舞いを
見よう見まねで習得する。
その予定だったが、魔王城内探してもお姫様
まず、歩いてなくね!?マジで見かけないんだけど!?って感じで、焦りが見えてきた
おじさんは、お姫様がいるであろう部屋のドアを仕方なく壊し、お姫様の部屋へ無事ダイブ
する事に成功したのだ!

そこまで、話を整理出来た訳だが

本物の女性のお姫様を見る事は出来たが、
好みのシチュエーションじゃ無いと言う
理由でもう一回チェンソーを持って
出直す事になった…

これが、理解できない。
しかしアニメや漫画を具現化したような
お姫様に色々情報交換出来るチャンスだ!
何があろうがお茶会までに、振る舞いを
見よう見まねだがマスターしたい!

お茶会まで1時間ってところか
他のお姫様を探す時間は、残されてない。

贅沢は言えないが、お姫様ガチャでやばい奴を引いたかもしれない。

壊したドアの破片を何とか手で集め
ガムテープでなんとか一人で
修理し隙間だらけのドアをもう一回壊すこと
となった。

「おーい!お姫様、少しばかりチェンソー探してくるわぁ!」

「ど..どうぞ」

その間お姫様は、下着姿で待ってるのか!?
早くドレスに着替えとけよ!!
チェンソー探さないと行けないから
時間掛かるし、それよりも風邪ひくぞ!?

おじさんの方の姫は、チェンソーを探すべく
魔王城の裏にある古い倉庫を漁る。

「マジかよぉ..派手なのあるじゃねぇか!?」

少し錆び付いているが、痛いピンク色の
チェンソーが倉庫にあった。
しかも張り紙でちゃんと”私を脅す用のチェンソーだよ!間違って私を切ったらぶっ殺す!”
と書いてある。

「張り紙どんなテンションで書いとんねん!」

思わず突っ込んでしまう。
突っ込んでいる間にもお茶会の時間は、
刻々と過ぎて行く。
あのお姫様が風邪引くのも時間の問題やな

チェンソーを持ち、急いでお姫様が下着姿で
待つ部屋に戻る。

「おーい!お姫様!チェンソー持って来たから今からドア壊して脅すよ!」

相手に今から脅すと許可を取る。
一様魔王城もここら辺では、数少ない
貴族たちの集まりだ。
要望とは言え、いきなり脅してお姫様が倒れたって聞いたらまた100人の警備員とまた喧嘩しなければならない。

「い..いきなり入ってどうぞ」

よし!良くわからんが、お姫様曰く入っていいと言う合図だな。

おじさんは、無言で壊した破片をガムテープで付けて補強したドアを再びチェンソーで
壊し、それなりに怖い顔をして脅した。

自分なりに全力で、怖い顔をして頑張った。

でも部屋の空気は、前よりも静かだ。
外にいるスズメ声が、はっきり聞こえるくらいに。

お姫様は、ほっぺを膨らませながらこちらを 見ている。

お怒りなのだろうか。

ってか相変わらず下着のままだ。
着替えようとしているドレスも着ようと裾を
握ったままだ。

おじさんは、もうこの空気に耐えきれなくなり
女神以来の土下座をした。

「参りました、この空気には耐えられません。」

まさかまた、土下座をする事になるとは。
何故このお姫様がチェンソー好きなのか
脅しのシチュエーションも全く分からん…。
勝負とかして無いが、負けた気分だ。

「脅し怖くなかった..
い..命の危険を十分に感じ無かったから、まだ
ドレスに着替えたく無い。下着でいる。」

「それだけは、やめてくれぇー!!!」

お茶会まで、後1時間このお姫様から
何かしらの振る舞いや、立ち回りなど
理解するのが難しい、お姫様からどうにか
ヒントを得なければ!

おじさんの戦いは、続く。

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