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第86話『おあいこ』
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グラハムが帰った後、レヴィンが倒れてからの顛末は、クオンとモーリスが教えてくれた。
クオンからエリゼが持って来た紅茶を飲んだときに、何か気づいたことはなかったのかと訊かれ、苦味が強かったことを思い出した。
モーリスが「スタンフォード家に抗議しましょう!」と憤慨したが、レヴィンは却下した。
「気持ちはわかるが証拠はない。下手なことを言えば厄介なことになる。触れない方がいい」
モーリスは悔しそうに顔を歪めた。
「あの方はレヴィン様を恋慕っておられたのでしょう? なぜ毒など……」
「さあな。他人のものになるくらいなら、殺してしまえという悲劇があるくらいだ」
レヴィンが平然と言うと、クオンが眉根を寄せた。
「殺されかけたのに、怒ってないのか?」
「……そうだな。怒りはないな」
クオンの問いにも淡々と答えた。
レヴィンも不思議なくらい、沸き立つものがなかった。
もしかしたら、彼女に同情しているのかもしれない。
エリゼの気持ちは子供の頃から知っていた。十年近く恋慕われ、ただの一度も応えなかった。時には冷たく突き放しもした。
長く報われない想いは、時として狂気に変わるのかもしれない。クオンを前にレヴィンは目を伏せた。
毒を盛ることで気が済むのならそれでいいとすら思えた。
「それにしても、レヴィン様を殺すつもりなら、なぜ遅効性の毒など使ったのでしょうか。即効性の毒だってあったでしょうに」
「その場で騒がれたくなかったんじゃないか」
レヴィンは言ったが、モーリスは解せない表情を浮かべている。
「犯人と思われたくなかったということでしたら、なんと浅はかな。すぐに疑われることは明白です」
すると、「たぶん」とクオンが口を開いた。
「綺麗に殺したかったんだと思う」
「きれいに?」
モーリスが問い返し、レヴィンはクオンを見た。黒い瞳が冷たく光っている。
「即効性の毒は苦しむんだ。その死に顔は……悲惨だから。レヴィンを苦しませたくないっていう慈悲と、眠ってるような綺麗な顔で死んでほしかったんじゃないかな」
レヴィンは唾を飲み、モーリスは眉根を寄せて黙った。
つかの間、静寂が流れたが、
「レヴィンは美しい王子様だからな」
と、クオンが冗談めかして言った。
レヴィンはふっと息を吐いた。真実は毒を盛った本人にしかわからない。
この話はもう終わりにしようとレヴィンは思った。
「まあ、なんであれ、助かったんだからいいじゃないか」
ところが終わらせようとレヴィンが口にした言葉に、クオンとモーリスが噛みついた。
「よくないだろ! 本当に死ぬところだったんだぞ!」
「そうです! 我々の気持ちも察してください!」
どうやらかなり心配させてしまったらしい。その後もふんだんに文句を言われ続け、レヴィンは黙ってそれに耐えた。
「だいたい、おまえは普段から!」
「そもそも、レヴィン様は大らか過ぎるのです!」
最後は毒を盛られたこととは関係のない話にまで及んでいたが、顔をしかめて耐え続けた。
二人の鬱憤が晴らされたとき、ちょうどよく給仕係が昼食はどうするのか尋ねにきた。昼はとうに過ぎており、支度は整っているそうだ。
「クオンさんも召し上がってください」
モーリスが誘ったが、クオンは首を振った。
「俺は帰ります」
レヴィンはハッとして引き留めようとしたが、それより早くモーリスが口を開いた。
「顔色がよくありません。当家で休んでいってください」
「いえ、大丈夫なので……」
「お帰りになるのは、お休みになってからです」
モーリスは有無を言わさなかった。
たしかにクオンの顔色は悪かった。目の下に隈ができている。レヴィンも「そうしてくれ」と言ったら、クオンは渋々了承した。
***
夜になってもクオンは起きて来なかった。レヴィンは様子を見に、客室に行ってみた。
そっと扉を開けてみると、よく眠っている。レヴィンはベッドの端まで寄り、腰かけた。
モーリスからクオンがずっとそばについていてくれたことを聞いた。この二日間、ほとんど寝ていないのでは、と言った。
レヴィンにはグラハムとモーリスが交代で付き添っていたが、クオンは休みに行っても、すぐに戻ってきたそうだ。気になって眠れないようだったという。レヴィンが起きる前もグラハムが無理やり寝かせに行かせたらしい。
自分の危急を知り、心配して来てくれた。寝る間を惜しんでそばにいてくれたことに、愛しさでたまらなくなった。
レヴィンは寝ているクオンに顔を近づけた。起こさないように、そっとキスをした。
軽く触れただけだったのに、クオンの唇は柔らかかった。
ゆっくりと顔を離すと、黒い瞳とばっちり目が合った。
「うわあっ!」
レヴィンは驚き、飛び上がった。
「起きてたのか!?」
クオンは半身を起こした。
「起きたんだよ、今ので」
寝起きの低い声で言う。
レヴィンは恥ずかしさで真っ赤になった。後ろめたくて左手で口元を覆った。
「す、すまない。勝手なことを……」
動揺で視線が泳いでいると「いいよ、おあいこだし」とクオンは言った。
何のことかわからなかったが、問えるほどの心の余裕はなかった。
ベッドに座っているクオンに背を向ける。
「腹、空いたろう。夜食を持って来させる」
そう言って部屋から逃げ出した。
クオンからエリゼが持って来た紅茶を飲んだときに、何か気づいたことはなかったのかと訊かれ、苦味が強かったことを思い出した。
モーリスが「スタンフォード家に抗議しましょう!」と憤慨したが、レヴィンは却下した。
「気持ちはわかるが証拠はない。下手なことを言えば厄介なことになる。触れない方がいい」
モーリスは悔しそうに顔を歪めた。
「あの方はレヴィン様を恋慕っておられたのでしょう? なぜ毒など……」
「さあな。他人のものになるくらいなら、殺してしまえという悲劇があるくらいだ」
レヴィンが平然と言うと、クオンが眉根を寄せた。
「殺されかけたのに、怒ってないのか?」
「……そうだな。怒りはないな」
クオンの問いにも淡々と答えた。
レヴィンも不思議なくらい、沸き立つものがなかった。
もしかしたら、彼女に同情しているのかもしれない。
エリゼの気持ちは子供の頃から知っていた。十年近く恋慕われ、ただの一度も応えなかった。時には冷たく突き放しもした。
長く報われない想いは、時として狂気に変わるのかもしれない。クオンを前にレヴィンは目を伏せた。
毒を盛ることで気が済むのならそれでいいとすら思えた。
「それにしても、レヴィン様を殺すつもりなら、なぜ遅効性の毒など使ったのでしょうか。即効性の毒だってあったでしょうに」
「その場で騒がれたくなかったんじゃないか」
レヴィンは言ったが、モーリスは解せない表情を浮かべている。
「犯人と思われたくなかったということでしたら、なんと浅はかな。すぐに疑われることは明白です」
すると、「たぶん」とクオンが口を開いた。
「綺麗に殺したかったんだと思う」
「きれいに?」
モーリスが問い返し、レヴィンはクオンを見た。黒い瞳が冷たく光っている。
「即効性の毒は苦しむんだ。その死に顔は……悲惨だから。レヴィンを苦しませたくないっていう慈悲と、眠ってるような綺麗な顔で死んでほしかったんじゃないかな」
レヴィンは唾を飲み、モーリスは眉根を寄せて黙った。
つかの間、静寂が流れたが、
「レヴィンは美しい王子様だからな」
と、クオンが冗談めかして言った。
レヴィンはふっと息を吐いた。真実は毒を盛った本人にしかわからない。
この話はもう終わりにしようとレヴィンは思った。
「まあ、なんであれ、助かったんだからいいじゃないか」
ところが終わらせようとレヴィンが口にした言葉に、クオンとモーリスが噛みついた。
「よくないだろ! 本当に死ぬところだったんだぞ!」
「そうです! 我々の気持ちも察してください!」
どうやらかなり心配させてしまったらしい。その後もふんだんに文句を言われ続け、レヴィンは黙ってそれに耐えた。
「だいたい、おまえは普段から!」
「そもそも、レヴィン様は大らか過ぎるのです!」
最後は毒を盛られたこととは関係のない話にまで及んでいたが、顔をしかめて耐え続けた。
二人の鬱憤が晴らされたとき、ちょうどよく給仕係が昼食はどうするのか尋ねにきた。昼はとうに過ぎており、支度は整っているそうだ。
「クオンさんも召し上がってください」
モーリスが誘ったが、クオンは首を振った。
「俺は帰ります」
レヴィンはハッとして引き留めようとしたが、それより早くモーリスが口を開いた。
「顔色がよくありません。当家で休んでいってください」
「いえ、大丈夫なので……」
「お帰りになるのは、お休みになってからです」
モーリスは有無を言わさなかった。
たしかにクオンの顔色は悪かった。目の下に隈ができている。レヴィンも「そうしてくれ」と言ったら、クオンは渋々了承した。
***
夜になってもクオンは起きて来なかった。レヴィンは様子を見に、客室に行ってみた。
そっと扉を開けてみると、よく眠っている。レヴィンはベッドの端まで寄り、腰かけた。
モーリスからクオンがずっとそばについていてくれたことを聞いた。この二日間、ほとんど寝ていないのでは、と言った。
レヴィンにはグラハムとモーリスが交代で付き添っていたが、クオンは休みに行っても、すぐに戻ってきたそうだ。気になって眠れないようだったという。レヴィンが起きる前もグラハムが無理やり寝かせに行かせたらしい。
自分の危急を知り、心配して来てくれた。寝る間を惜しんでそばにいてくれたことに、愛しさでたまらなくなった。
レヴィンは寝ているクオンに顔を近づけた。起こさないように、そっとキスをした。
軽く触れただけだったのに、クオンの唇は柔らかかった。
ゆっくりと顔を離すと、黒い瞳とばっちり目が合った。
「うわあっ!」
レヴィンは驚き、飛び上がった。
「起きてたのか!?」
クオンは半身を起こした。
「起きたんだよ、今ので」
寝起きの低い声で言う。
レヴィンは恥ずかしさで真っ赤になった。後ろめたくて左手で口元を覆った。
「す、すまない。勝手なことを……」
動揺で視線が泳いでいると「いいよ、おあいこだし」とクオンは言った。
何のことかわからなかったが、問えるほどの心の余裕はなかった。
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「腹、空いたろう。夜食を持って来させる」
そう言って部屋から逃げ出した。
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