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第3章 王都への道⑤『魅力』
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「おそらく、カイトがいるからだろう」
「おれ⁉」
いきなり自分の話になるとは思わなかったので、海人は目を丸くした。
「カイトが持っている、第五の霊脈に惹かれて出て来ているんだろう」
海人は衝撃で口を開けたまま、視線を手綱に落とした。
(魔獣を惹き寄せてる? おれが?)
信じられなかった。だが、イリアスが嘘を言うとは思えない。
海人は手綱を握りしめた。
自分がいると、魔獣が出て来る。
ならば、周囲にいる人たちに被害が出るのではないか。
今はこうやって、イリアスとシモンが守ってくれているからいいが、魔獣の活動期とやらになったらどうなるのか。
海人は怖ろしくなって、思考を止めた。
「おれにはよくわかんないけど……。おれって、どんなふうに見えてんのかな……」
ぽつりと零すと、イリアスは正面を向いたまま言った。
「そうだな……強いて言えば、カイトの霊脈は」
イリアスは一旦、言葉を切った。
「甘い蜜のようで、舐めてみたくなる」
『舐めてみたくなる⁉』
予想外の言葉に仰天したのは、海人だけではなく、シモンもだった。
二人の声が重なった。
後ろから付いてくる二人につっこまれ、イリアスが珍しく慌てたように振り返った。
「いや、なんというか……。欲しい、というか」
「…………」
言い直しても、墓穴を掘っている。
イリアスは動揺を隠せなかったらしく、手綱を引きすぎ、愛馬が不快そうに鼻を鳴らした。
海人は真っ赤になって、うつむいた。心臓がドキドキいっている。
隣を行くシモンは、ひと息はいて、真面目に言った。
「つまり、魔獣も人も、視える者にはとっては、カイトは魅力的ってことですね」
いつものシモンなら上官をからかうだろうに、このときばかりは揶揄しなかった。
上手くまとめたつもりなのだろうが、さらに顔を上げられなくなった。
(なんだろ……。なんか、ものすごく恥ずかしいんだけど……)
海人はイリアスに首筋を舐められる想像をしてしまい、顔が火照って、頭を振った。
心臓の音が耳元でうるさい。
黙ってしまったのを、イリアスは魔獣に襲われる心配をしていると勘違いしたらしい。
「惹き寄せるといっても、魔獣が近くにいればの話だ。リンデの街が襲われることはなかっただろう? 大丈夫だ」
シモンも大きくうなずきながら、海人を見ていた。
その顔は心配するな、と言っていた。海人は視線を泳がせながら、うん、と答えた。
まさか変な想像してましたなんて、言えない。
海人は深呼吸し、気を取り直そうとしたところで、次の里が目前に迫っていた。
「おれ⁉」
いきなり自分の話になるとは思わなかったので、海人は目を丸くした。
「カイトが持っている、第五の霊脈に惹かれて出て来ているんだろう」
海人は衝撃で口を開けたまま、視線を手綱に落とした。
(魔獣を惹き寄せてる? おれが?)
信じられなかった。だが、イリアスが嘘を言うとは思えない。
海人は手綱を握りしめた。
自分がいると、魔獣が出て来る。
ならば、周囲にいる人たちに被害が出るのではないか。
今はこうやって、イリアスとシモンが守ってくれているからいいが、魔獣の活動期とやらになったらどうなるのか。
海人は怖ろしくなって、思考を止めた。
「おれにはよくわかんないけど……。おれって、どんなふうに見えてんのかな……」
ぽつりと零すと、イリアスは正面を向いたまま言った。
「そうだな……強いて言えば、カイトの霊脈は」
イリアスは一旦、言葉を切った。
「甘い蜜のようで、舐めてみたくなる」
『舐めてみたくなる⁉』
予想外の言葉に仰天したのは、海人だけではなく、シモンもだった。
二人の声が重なった。
後ろから付いてくる二人につっこまれ、イリアスが珍しく慌てたように振り返った。
「いや、なんというか……。欲しい、というか」
「…………」
言い直しても、墓穴を掘っている。
イリアスは動揺を隠せなかったらしく、手綱を引きすぎ、愛馬が不快そうに鼻を鳴らした。
海人は真っ赤になって、うつむいた。心臓がドキドキいっている。
隣を行くシモンは、ひと息はいて、真面目に言った。
「つまり、魔獣も人も、視える者にはとっては、カイトは魅力的ってことですね」
いつものシモンなら上官をからかうだろうに、このときばかりは揶揄しなかった。
上手くまとめたつもりなのだろうが、さらに顔を上げられなくなった。
(なんだろ……。なんか、ものすごく恥ずかしいんだけど……)
海人はイリアスに首筋を舐められる想像をしてしまい、顔が火照って、頭を振った。
心臓の音が耳元でうるさい。
黙ってしまったのを、イリアスは魔獣に襲われる心配をしていると勘違いしたらしい。
「惹き寄せるといっても、魔獣が近くにいればの話だ。リンデの街が襲われることはなかっただろう? 大丈夫だ」
シモンも大きくうなずきながら、海人を見ていた。
その顔は心配するな、と言っていた。海人は視線を泳がせながら、うん、と答えた。
まさか変な想像してましたなんて、言えない。
海人は深呼吸し、気を取り直そうとしたところで、次の里が目前に迫っていた。
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