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後編
最終話 イトシクテ
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そのあと。
なんと私は、優翔と帰っています。
実は、あのあと。
「マジで、一緒に帰るか」
と優翔が言い出し、マジで一緒に帰ることになったのです。
まぁ、確かに。
優翔が言いそうでは、ある。
実に、優翔らしい。
つい、ため息が出てしまう。
「どうしたんだよ」
「別に。なんでも、ないよ」
と言うと、優翔は私を指差す。
「まさかだけど、お前。俺のこと、考えてたんだろ?」
「どうだろ。ハズレかもよ?」
「いや、絶対に俺のこと、考えてた」
優翔は調子に乗って、どんどん歩いていく。
その後ろ姿に、見惚れた。
私、優翔と付き合えるんだ。
ふいに、そんなことを思う。
と見ていると、歩いていた優翔が立ち止まった。
「優翔…?」
「お前、また考えてたんだろ。俺のこと」
と振り向かずに、話しかけてくる。
「そ、そうだけど…」
恥ずかしくて、うつむいてしまう。
「お前、やっぱり好きなんだな。それだけ、かんがえるってことは」
「な、なによ。いきなり」
顔が、赤くなる。
足音がする。
優翔が近づいてくる!
「なんだよ。正しいことじゃねーか」
「うん。だけど…」
と優翔は、私の前で立ち止まる。
何されるの…!?
身構えていると、優翔にあごクイされてしまった。
私は、ギュッと目をつむる。
キスされる…!!
と数秒が経つけど、優翔の唇が重ならない。
おそるおそる目を開けると、優翔が私をじっと見ていた。
「ゆ、優翔……?」
そう聞くと、優翔はニヤッと笑った。
え?どうして、笑うの?
ただ疑問でしか、なかった。
私がなぜ?と考えていると、優翔は私の耳元で、
「期待、した……?」
と囁いた。
私は恥ずかしくて、たまらなかった。
「し、してない!」
とそっぽを、向いた。
「そこが、愛しいんだよなぁ」
「なんで、そんなことが…さらっと……言えるのよ」
私の顔が、これでもか!っていうほどに赤くなる。
湯気が出てしまうんじゃないかと、思うくらい。
でも、私も優翔が愛しくて、たまらない。
そんなことを思いながら、顔を赤める私だった。
なんと私は、優翔と帰っています。
実は、あのあと。
「マジで、一緒に帰るか」
と優翔が言い出し、マジで一緒に帰ることになったのです。
まぁ、確かに。
優翔が言いそうでは、ある。
実に、優翔らしい。
つい、ため息が出てしまう。
「どうしたんだよ」
「別に。なんでも、ないよ」
と言うと、優翔は私を指差す。
「まさかだけど、お前。俺のこと、考えてたんだろ?」
「どうだろ。ハズレかもよ?」
「いや、絶対に俺のこと、考えてた」
優翔は調子に乗って、どんどん歩いていく。
その後ろ姿に、見惚れた。
私、優翔と付き合えるんだ。
ふいに、そんなことを思う。
と見ていると、歩いていた優翔が立ち止まった。
「優翔…?」
「お前、また考えてたんだろ。俺のこと」
と振り向かずに、話しかけてくる。
「そ、そうだけど…」
恥ずかしくて、うつむいてしまう。
「お前、やっぱり好きなんだな。それだけ、かんがえるってことは」
「な、なによ。いきなり」
顔が、赤くなる。
足音がする。
優翔が近づいてくる!
「なんだよ。正しいことじゃねーか」
「うん。だけど…」
と優翔は、私の前で立ち止まる。
何されるの…!?
身構えていると、優翔にあごクイされてしまった。
私は、ギュッと目をつむる。
キスされる…!!
と数秒が経つけど、優翔の唇が重ならない。
おそるおそる目を開けると、優翔が私をじっと見ていた。
「ゆ、優翔……?」
そう聞くと、優翔はニヤッと笑った。
え?どうして、笑うの?
ただ疑問でしか、なかった。
私がなぜ?と考えていると、優翔は私の耳元で、
「期待、した……?」
と囁いた。
私は恥ずかしくて、たまらなかった。
「し、してない!」
とそっぽを、向いた。
「そこが、愛しいんだよなぁ」
「なんで、そんなことが…さらっと……言えるのよ」
私の顔が、これでもか!っていうほどに赤くなる。
湯気が出てしまうんじゃないかと、思うくらい。
でも、私も優翔が愛しくて、たまらない。
そんなことを思いながら、顔を赤める私だった。
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