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第1話
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『イジメとは。』
そんなタイトルで、先生に作文を書けと言われた。
実際、イジメにあっていた僕には、簡単なはずだった。
けれど、気持ちの整理がつかなくて、思いの全ては書けなかった。
未だに、後悔している。
と、病室の外を見ている途中で、ふとそんなことを思い出す。
まぁ、先生からの評価は高くて、良かったんだけど。
そう思いながら、振り返った。
病室には、僕がポツンといる。
ここは、二人分のベッドがあるから、
僕を合わせて、二人が入院できる。
「もう一人、誰が来るんだろ」
独り言を、口にした。
さっき、山川先生から、
「ここの病室に、新しい患者さんが来るよ」
って言ってた。
どんな人だろ。
性格だけじゃなくて、性別とか年齢とかも気になる。
俯き、拳をギュッと握る。
同級生だったら、いいな。
そう思ったとき、握る拳が緩んだ。
えーと、僕は今、中学二年生だから。
14歳の人か。
自分の中で、想像していると。
「奏斗くん?ちょっと、いいかい?」
ドキッとして、声のほうに視線を向けると。
「なんですか?山川先生」
そこには、僕を担当している山川医師がいた。
あれ?
山川先生の隣にいるのは、女の子?
どうして?
不思議な点は、他にもあった。
女の子は、パジャマ姿だったのだ。
ま、まさか。
あの子が、僕のお隣さん?
「先生、その子は…」
と聞くと、先生は、
「宮本 カナさんだよ。君のお隣さん」
と言った。
お隣さんというのは、
隣のベッドに座る人のことを言うらしい。
この間、入院したばっかだから、
最近、先生に教えてもらった。
ふと視線を、女の子に向けた。
そのとき、女の子と目が合った。
すると、女の子はビクッと反応し、
天井に視線を泳がせ、頬を赤らめた。
その様子を見ながら、彼女を観察していた。
カナって言うんだ。
変わった名前だな。
さっき、目が合ったけど、綺麗な瞳。
一瞬、見惚れるかと思った。
それに、サラサラとした茶髪に、
パジャマなのに、どこかオシャレに見える。
リップを塗っているのか、唇はツヤがある。
色つきリップではなさそうなのに、優しそうなピンク色だ。
こういう人を、世の中では美少女というのか。
初めて見たなぁ。僕の世界は、こんなにも小さかったのか。
どこか、そう思わせられた。
「奏斗、くん?」
と言われ、僕は我に返った。
「な、何?カナ、さん」
僕はおどおどしながら、返事をした。
カナさんで、良かったかな。
いきなりだったから、そう呼んじゃったけど。
「よ、よろ、しくね」
カナさん?
彼女の声が震えていたのは、流石に僕でも気付く。
それに、笑顔も作り笑顔のようだった。
口角が震えていたし。
もしかしたら、僕と似てる所があるんじゃないかと、
親近感がわいた。
「と、とりあえず。ベッドに座りな」
と口に出したのは、山川先生。
「あ、はい」
カナさんは、遠慮ぎみにベッドに座った。
それと同時に、先生がベッドの間に椅子を用意して、座った。
「じゃあ、まずは。好きなタイプから」
とニヤニヤしながら、そう言った先生。
もちろん、僕達は。呆れ顔。
先生はこういった話が、大の好物。
ここに入院している人の大半が、中学生。
だから、こういう話題を出す。
そういえば、女子って恋バナとかするはず。
カナさんを見ると、逆に引いている。
まぁ、確かにそうだ。
こんなオジサンと恋バナなんて、できるわけない。
全くなんだ。この先生は。
僕がもっと呆れたとき、先生は笑っていた。
カナさんは、苦笑いだった。
そんなタイトルで、先生に作文を書けと言われた。
実際、イジメにあっていた僕には、簡単なはずだった。
けれど、気持ちの整理がつかなくて、思いの全ては書けなかった。
未だに、後悔している。
と、病室の外を見ている途中で、ふとそんなことを思い出す。
まぁ、先生からの評価は高くて、良かったんだけど。
そう思いながら、振り返った。
病室には、僕がポツンといる。
ここは、二人分のベッドがあるから、
僕を合わせて、二人が入院できる。
「もう一人、誰が来るんだろ」
独り言を、口にした。
さっき、山川先生から、
「ここの病室に、新しい患者さんが来るよ」
って言ってた。
どんな人だろ。
性格だけじゃなくて、性別とか年齢とかも気になる。
俯き、拳をギュッと握る。
同級生だったら、いいな。
そう思ったとき、握る拳が緩んだ。
えーと、僕は今、中学二年生だから。
14歳の人か。
自分の中で、想像していると。
「奏斗くん?ちょっと、いいかい?」
ドキッとして、声のほうに視線を向けると。
「なんですか?山川先生」
そこには、僕を担当している山川医師がいた。
あれ?
山川先生の隣にいるのは、女の子?
どうして?
不思議な点は、他にもあった。
女の子は、パジャマ姿だったのだ。
ま、まさか。
あの子が、僕のお隣さん?
「先生、その子は…」
と聞くと、先生は、
「宮本 カナさんだよ。君のお隣さん」
と言った。
お隣さんというのは、
隣のベッドに座る人のことを言うらしい。
この間、入院したばっかだから、
最近、先生に教えてもらった。
ふと視線を、女の子に向けた。
そのとき、女の子と目が合った。
すると、女の子はビクッと反応し、
天井に視線を泳がせ、頬を赤らめた。
その様子を見ながら、彼女を観察していた。
カナって言うんだ。
変わった名前だな。
さっき、目が合ったけど、綺麗な瞳。
一瞬、見惚れるかと思った。
それに、サラサラとした茶髪に、
パジャマなのに、どこかオシャレに見える。
リップを塗っているのか、唇はツヤがある。
色つきリップではなさそうなのに、優しそうなピンク色だ。
こういう人を、世の中では美少女というのか。
初めて見たなぁ。僕の世界は、こんなにも小さかったのか。
どこか、そう思わせられた。
「奏斗、くん?」
と言われ、僕は我に返った。
「な、何?カナ、さん」
僕はおどおどしながら、返事をした。
カナさんで、良かったかな。
いきなりだったから、そう呼んじゃったけど。
「よ、よろ、しくね」
カナさん?
彼女の声が震えていたのは、流石に僕でも気付く。
それに、笑顔も作り笑顔のようだった。
口角が震えていたし。
もしかしたら、僕と似てる所があるんじゃないかと、
親近感がわいた。
「と、とりあえず。ベッドに座りな」
と口に出したのは、山川先生。
「あ、はい」
カナさんは、遠慮ぎみにベッドに座った。
それと同時に、先生がベッドの間に椅子を用意して、座った。
「じゃあ、まずは。好きなタイプから」
とニヤニヤしながら、そう言った先生。
もちろん、僕達は。呆れ顔。
先生はこういった話が、大の好物。
ここに入院している人の大半が、中学生。
だから、こういう話題を出す。
そういえば、女子って恋バナとかするはず。
カナさんを見ると、逆に引いている。
まぁ、確かにそうだ。
こんなオジサンと恋バナなんて、できるわけない。
全くなんだ。この先生は。
僕がもっと呆れたとき、先生は笑っていた。
カナさんは、苦笑いだった。
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