ほしくずのつもるばしょ

瀬戸森羅

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おはなし

ほむらの群れ

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 暗い夜道を歩いている時、ふと後ろを振り返ると何やら灯りが近づいてくる。
 だが何しろ山道だ。獣道はくねくねと曲がり続けるものだから、その灯りが何から放たれているのかがわからない。
 私と同じような旅人がいるのだとしたら、それはおかしい。
 人が歩いているのならば随分前からその灯りは見えたはずだ。
 私が歩くよりもかなり速くその灯りは迫っている。
 何か言い知れぬ不安が胸中に広がるのを感じる。
 私は茂みに身を隠した。
 灯りは徐々に強くなり、ついにその姿を現した。
 ほむらの群れだ。
 一説には死人の魂の残滓だとか、精霊の悪戯だとか言われているが、あれに気づかれたらどうなるのかはわからない。
 私はしばらく身を潜めることにした。
 ほむらの群れは私が身を隠した茂みの前に来ると、その進行を止めたようだった。
 まさか……いや、やはり私を追ってきていたようだ。
 先程の噂話の真実が後者だったならまだ良いのだが、前者ならば……気づかれれば私の命はないだろう。
 私はただ必死にその身を隠した。
 一刻ほどそうしていただろうか。
 顔を上げると、道を歩いていた時の暗闇が山道を覆っていた。
 助かった……。
 そう思い私は茂みを出た。
 振り返ってみても、もうどこにも灯りはなかった。
 私は再び歩き始めた。
 山道を進んでいくと、木々の隙間から月明かりが私を照らし出した。
 今夜の月はやけに明るいな……。
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