ほしくずのつもるばしょ

瀬戸森羅

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おはなし

街は遠く空は高く

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 ……どれだけ歩いただろう。
 僕はまだ視界の果てにぼんやりと映る夜景を見て、限りなく感じるようなその距離を想像し嘆息した。
 夜明けまでまだ時間はある。
 ひっそりとした林道の続く山の中。
 僕はただ生きるためにこの道を歩いていた。
 ふと上を見上げると、いつの間にか曇りない空には見渡す限りの星が広がっていた。
 もう、1人で山になんか登らないから。
 誰にとも言えない謝罪と宣誓を虚空に撒き散らしながら、ただただひたすらに歩を進める。
 星の明かりよりさらに煌びやかな街の灯りは、しかしいつまで経っても近づいている気はしない。
 やがてひとつふたつと灯火は消えていった…。
 全ての灯が消える頃、静寂の夜更けがやってきた。
 僕はやがて動けなくなった。
 大の字になり見上げたのは、さらに綺麗に、皮肉な程綺麗に見えたあの星空。
 こんなどことも知れない場所で倒れるのなら、ただあの星のひとつになりたい。
 そう願いながら目を閉じた。
 高い高いあの空を昇って、ただあの星のひとつになりたかった。
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