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星の降る丘へ
第12話 魔法使い
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第12話 魔法使い
☆前回のあらすじ
アリモーに呪いをかけた魔法使いを探す一行
ついに見つけ出した魔法使いはミッディとアリモーの実の父親デイズだった
崩星信者だったデイズは息子を消さなければならなかったが呪いをかけて誤魔化したため他の信者により呪いをかけられていた
その呪いによりアリモーの呪いを解いた瞬間にデイズは消えてしまった
呪いが解けたことに喜ぶが再開した父親の死に動揺する兄弟
ともあれ恩のあるルナたちに魔法を教える約束をしてくれたのだった
「まず基本的なことから教えるとしよう」
師匠が早速講義をしてくれるという
「はい師匠」
「いい返事だ」
…なんか初めて会った時の印象とかなり変わったなぁ…
「師匠~ボクはどうしてればいいですか~?」
「アミィに師匠なんて言われるような実力はないぞ…むしろなんでお前が教えてやらねェんだ」
「アミィちゃんはね~感覚でやってるから教えられるタイプじゃないんだ~」
「…まあ、わかるがな」
「じゃあボクは疲れたみんなのために食事を用意することにするよ!」
「それは助かるよアミィ!」
「サンは食いしん坊さんだなぁ~」
「じゃあ頼んだぞアミィ」
「あ、じゃあ僕も手伝うよ!」
「ありがとうアリモー!じゃあ早速出かけよう!」
アミィたちは楽しそうに出かけていった
「…さて、じゃあはじめるとしよう」
「お願いします!」
「それじゃあイメージから始めよう
お前たちは魔法にどんなイメージを持つ?」
「僕は優しいイメージだよ
きっとこの世界を救えるってきいたからかな?」
「なるほど…ルナは?」
「私は強いイメージよ
あなたと初めて会った時も攻撃しようとしてきたじゃない」
「お前らは相性がいいな
足りないところを補い合えそうだ」
「だってさ!ルナ!」
「…だからなによ…っ」
「イメージによって適性が変わることが多いんだ
サンは太陽の、ルナは月の守護をうけやすい」
「太陽は優しくて暖かいものね」
「月は…強いのかしら?」
「まあとにかくそういうモンなんだ」
「それで、その、守護がどうのってのはなんなの?」
「より星との距離が近いときに強い力を発揮出来る、って感じだな
例えばサンは日中にチカラを使いやすい」
「へぇ…それで、なにがかわるの?」
「魔法を使うには集中が必要なんだ
それで、その集中を10だとすると、守護を受けている間はより少ない数値で済む…みたいな感覚で覚えておくといい」
「簡単に魔法が使えるようになるんだね」
「あとは守護がないと使えなかったりする魔法もあるらしいが…それは個別の可能性が高いから自分自身で見つけてくれ」
「ちなみにミッディは?」
「オレは月だな
やはり攻撃的なイメージがあるからか」
「ねぇとりあえずなんか使いたい」
「そう急ぐな
とりあえず集中の訓練からだ
これだけで随分かかる…」
その後もミッディの指導はつづいた
半日もしたころ、私たちは…
「ふぅ…疲れたね
もう僕お腹ぺこぺこだよ…」
「そうね…なんかいつも以上に…」
「集中するのは疲れるだろ
それにちょっとでも気を乱すと上手くいかなくなる
過酷な状況に慣れておくといい」
「はい!」
「ん、いい返事だ
さて、そろそろあいつらが帰ってくる頃だろうから、オレたちもそろそろ引き上げるか」
「はいっ!!」
「なんだ、もうすぐご飯ってなるともっといい返事するのねサンは」
「あはは…もう腹の虫もずーっとお返事してるからサ…」
そうこうしてるとアミィたちが戻ってきた
「や~っほ~っ!おまたせ!もうお腹ペコペコなんじゃない?特にサン!」
「あはは…その通りです…」
「大丈夫だよサン!僕達しっかり集めてきたから!」
「やった!じゃあ早速食べよう!」
皆でアミィたちの集めた食糧を食べることになった
「さてさて…どうかねキミたち
魔法について少しはわかったかい?」
「とりあえず基礎の基礎みたいな感じね
あとは集中をうまくできるように…」
「なかなかうまくいかないものだね…僕はすぐにお腹すいちゃうし…」
「それはあんまり関係ないよな…」
「いやいや!集中できなくなるなら空腹は敵だよ!」
「いやいやいやサンくん~
お腹が空いて空いてそれからが始まりだよ~?」
「ひぇぇ…死んじゃう…」
「まあすぐにとは言わないから慣らしていこうね」
「確かに、腹が減ったのを忘れるくらい集中しなきゃならないからな
頑張れよ、サン」
「わかった!僕、頑張るよ!
…でもとりあえずは…たくさん食べるよ!」
「うんうん、僕達頑張って集めたからたくさん食べて」
「ありがとうアリモー!」
夕食を食べ終えた私たちは各自眠りにつくことにした
「それじゃあまた明日、よろしく頼むわね」
「任せておけ!これからしばらくはお前らも覚悟しとけよ!」
「ひえぇ…ミッディすっかり熱血になっちゃって…」
「いいことじゃん~ボクの代わりにしっかり教えてあげちゃってね!ミッディ!」
「お前らには大きい借りがあるからな
約束しよう」
それから毎日ミッディとの修行は続いた
幸いこのあたりは寒暖を防ぐこともできるし、食べ物にも困ることはなかったので、雪が溶ける頃まで私たちはここで修行を続けた
そして、春がやってきた
「さて…そろそろお前らに教えることはなくなってきたな…」
朝、ぽつりとミッディがつぶやいた
「ありがとう、ミッディ
私たち、成長したわ」
「いや、こちらこそ礼を言わせてくれ
お前らが来てくれなきゃ、オレたちは…
だから、オレは当たり前のことをしただけだ
それよりも、その力を
星の巫女としての役目に使ってやってくれ」
「もちろんよ
…私は、強くなったんだから…」
「じゃあ、もう…行くんだね?」
アリモーが問いかけた
「ええ
もう雪は融けて、すっかり歩きやすくなっちゃったものね」
「…オレたちは、一緒には行けない
ここで生きることは、オヤジと生きることだ
もう家族は離れ離れにならない」
「…ありがとう
じゃあ、今日でお別れね」
「ちょっとちょっとちょっと~!
いきなり話進めすぎじゃない?!」
慌ただしくアミィがやってきた
「アミィちゃんがいない間にもうそんな話をしてる!
そりゃあ確かに決めるのはルナだけど…
なんか寂しいよ!」
「いやでも話の流れ的にここで一旦相談して…とか言える雰囲気じゃなかったし…」
「僕を忘れてもらっても困るよ!」
サンも来た…
「まためんどくさくなる…」
「ふっ…お前らはほんとに賑やかだな」
ミッディが笑った
「よし、じゃあ最後に飯を食って、お別れとするか」
「そうだね!じゃあおいしいものたくさんとってきちゃう!」
春の風が運んできた様々な食材が、最後の食事を彩った
「うわぁ、美味しそう…!
ねぇねぇ!もう食べてもいいかな?」
「とりあえず…いや、もう食べていいわ
サンの腹の虫がうるさくて話ができなさそうだもの」
「そ…そんなこと…!」
ぐ~っとサンのお腹が鳴いた
「…ある…ね」
「さて、それじゃあ…いただきましょうか」
最後の食事は、何故かいつもより華やかなのに、いつもより静かだった
「ごちそうさまでした」
「……うん、おいしかった」
「…それじゃあ…」
「………」
「…なんだよ!これが最後ってわけじゃないだろ!」
突然ミッディが声を上げた
「ルナ!お前が星を救えば!俺たちはまた会える!」
「…うん、そうだね」
「…そうだ!だから…また会う日まで」
…本当はわかっているんだろう
星の巫女の力で星を救っても、私たちの魂全部がここに揃うかどうかはわからないということを
それでもミッディは、知らないふりをして元気づけてくれた
「うん!また会おう!みんなで!」
アミィが一際元気よく叫ぶと、みんな笑った
そして私たちは、長くお世話になった師匠たちに別れを告げると桜色に染まった長い道を歩いて行った
☆前回のあらすじ
アリモーに呪いをかけた魔法使いを探す一行
ついに見つけ出した魔法使いはミッディとアリモーの実の父親デイズだった
崩星信者だったデイズは息子を消さなければならなかったが呪いをかけて誤魔化したため他の信者により呪いをかけられていた
その呪いによりアリモーの呪いを解いた瞬間にデイズは消えてしまった
呪いが解けたことに喜ぶが再開した父親の死に動揺する兄弟
ともあれ恩のあるルナたちに魔法を教える約束をしてくれたのだった
「まず基本的なことから教えるとしよう」
師匠が早速講義をしてくれるという
「はい師匠」
「いい返事だ」
…なんか初めて会った時の印象とかなり変わったなぁ…
「師匠~ボクはどうしてればいいですか~?」
「アミィに師匠なんて言われるような実力はないぞ…むしろなんでお前が教えてやらねェんだ」
「アミィちゃんはね~感覚でやってるから教えられるタイプじゃないんだ~」
「…まあ、わかるがな」
「じゃあボクは疲れたみんなのために食事を用意することにするよ!」
「それは助かるよアミィ!」
「サンは食いしん坊さんだなぁ~」
「じゃあ頼んだぞアミィ」
「あ、じゃあ僕も手伝うよ!」
「ありがとうアリモー!じゃあ早速出かけよう!」
アミィたちは楽しそうに出かけていった
「…さて、じゃあはじめるとしよう」
「お願いします!」
「それじゃあイメージから始めよう
お前たちは魔法にどんなイメージを持つ?」
「僕は優しいイメージだよ
きっとこの世界を救えるってきいたからかな?」
「なるほど…ルナは?」
「私は強いイメージよ
あなたと初めて会った時も攻撃しようとしてきたじゃない」
「お前らは相性がいいな
足りないところを補い合えそうだ」
「だってさ!ルナ!」
「…だからなによ…っ」
「イメージによって適性が変わることが多いんだ
サンは太陽の、ルナは月の守護をうけやすい」
「太陽は優しくて暖かいものね」
「月は…強いのかしら?」
「まあとにかくそういうモンなんだ」
「それで、その、守護がどうのってのはなんなの?」
「より星との距離が近いときに強い力を発揮出来る、って感じだな
例えばサンは日中にチカラを使いやすい」
「へぇ…それで、なにがかわるの?」
「魔法を使うには集中が必要なんだ
それで、その集中を10だとすると、守護を受けている間はより少ない数値で済む…みたいな感覚で覚えておくといい」
「簡単に魔法が使えるようになるんだね」
「あとは守護がないと使えなかったりする魔法もあるらしいが…それは個別の可能性が高いから自分自身で見つけてくれ」
「ちなみにミッディは?」
「オレは月だな
やはり攻撃的なイメージがあるからか」
「ねぇとりあえずなんか使いたい」
「そう急ぐな
とりあえず集中の訓練からだ
これだけで随分かかる…」
その後もミッディの指導はつづいた
半日もしたころ、私たちは…
「ふぅ…疲れたね
もう僕お腹ぺこぺこだよ…」
「そうね…なんかいつも以上に…」
「集中するのは疲れるだろ
それにちょっとでも気を乱すと上手くいかなくなる
過酷な状況に慣れておくといい」
「はい!」
「ん、いい返事だ
さて、そろそろあいつらが帰ってくる頃だろうから、オレたちもそろそろ引き上げるか」
「はいっ!!」
「なんだ、もうすぐご飯ってなるともっといい返事するのねサンは」
「あはは…もう腹の虫もずーっとお返事してるからサ…」
そうこうしてるとアミィたちが戻ってきた
「や~っほ~っ!おまたせ!もうお腹ペコペコなんじゃない?特にサン!」
「あはは…その通りです…」
「大丈夫だよサン!僕達しっかり集めてきたから!」
「やった!じゃあ早速食べよう!」
皆でアミィたちの集めた食糧を食べることになった
「さてさて…どうかねキミたち
魔法について少しはわかったかい?」
「とりあえず基礎の基礎みたいな感じね
あとは集中をうまくできるように…」
「なかなかうまくいかないものだね…僕はすぐにお腹すいちゃうし…」
「それはあんまり関係ないよな…」
「いやいや!集中できなくなるなら空腹は敵だよ!」
「いやいやいやサンくん~
お腹が空いて空いてそれからが始まりだよ~?」
「ひぇぇ…死んじゃう…」
「まあすぐにとは言わないから慣らしていこうね」
「確かに、腹が減ったのを忘れるくらい集中しなきゃならないからな
頑張れよ、サン」
「わかった!僕、頑張るよ!
…でもとりあえずは…たくさん食べるよ!」
「うんうん、僕達頑張って集めたからたくさん食べて」
「ありがとうアリモー!」
夕食を食べ終えた私たちは各自眠りにつくことにした
「それじゃあまた明日、よろしく頼むわね」
「任せておけ!これからしばらくはお前らも覚悟しとけよ!」
「ひえぇ…ミッディすっかり熱血になっちゃって…」
「いいことじゃん~ボクの代わりにしっかり教えてあげちゃってね!ミッディ!」
「お前らには大きい借りがあるからな
約束しよう」
それから毎日ミッディとの修行は続いた
幸いこのあたりは寒暖を防ぐこともできるし、食べ物にも困ることはなかったので、雪が溶ける頃まで私たちはここで修行を続けた
そして、春がやってきた
「さて…そろそろお前らに教えることはなくなってきたな…」
朝、ぽつりとミッディがつぶやいた
「ありがとう、ミッディ
私たち、成長したわ」
「いや、こちらこそ礼を言わせてくれ
お前らが来てくれなきゃ、オレたちは…
だから、オレは当たり前のことをしただけだ
それよりも、その力を
星の巫女としての役目に使ってやってくれ」
「もちろんよ
…私は、強くなったんだから…」
「じゃあ、もう…行くんだね?」
アリモーが問いかけた
「ええ
もう雪は融けて、すっかり歩きやすくなっちゃったものね」
「…オレたちは、一緒には行けない
ここで生きることは、オヤジと生きることだ
もう家族は離れ離れにならない」
「…ありがとう
じゃあ、今日でお別れね」
「ちょっとちょっとちょっと~!
いきなり話進めすぎじゃない?!」
慌ただしくアミィがやってきた
「アミィちゃんがいない間にもうそんな話をしてる!
そりゃあ確かに決めるのはルナだけど…
なんか寂しいよ!」
「いやでも話の流れ的にここで一旦相談して…とか言える雰囲気じゃなかったし…」
「僕を忘れてもらっても困るよ!」
サンも来た…
「まためんどくさくなる…」
「ふっ…お前らはほんとに賑やかだな」
ミッディが笑った
「よし、じゃあ最後に飯を食って、お別れとするか」
「そうだね!じゃあおいしいものたくさんとってきちゃう!」
春の風が運んできた様々な食材が、最後の食事を彩った
「うわぁ、美味しそう…!
ねぇねぇ!もう食べてもいいかな?」
「とりあえず…いや、もう食べていいわ
サンの腹の虫がうるさくて話ができなさそうだもの」
「そ…そんなこと…!」
ぐ~っとサンのお腹が鳴いた
「…ある…ね」
「さて、それじゃあ…いただきましょうか」
最後の食事は、何故かいつもより華やかなのに、いつもより静かだった
「ごちそうさまでした」
「……うん、おいしかった」
「…それじゃあ…」
「………」
「…なんだよ!これが最後ってわけじゃないだろ!」
突然ミッディが声を上げた
「ルナ!お前が星を救えば!俺たちはまた会える!」
「…うん、そうだね」
「…そうだ!だから…また会う日まで」
…本当はわかっているんだろう
星の巫女の力で星を救っても、私たちの魂全部がここに揃うかどうかはわからないということを
それでもミッディは、知らないふりをして元気づけてくれた
「うん!また会おう!みんなで!」
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