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愛とニャコと
臨時パーティ
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「……お、落ち着いて。まずは話をしない?」
「……人語を解するのなら、それもいいだろう」
鎧のコビトは話を聞いてくれる様子で、こちらに向けていた剣を下に降ろした。
「お、おいおい! なぁんでそんな素直に言うこと聞いちゃうかなぁ!?」
「レド。相手の意見を聞くことでしか見えないこともある」
「ふんっ! 相変わらずバカ真面目なやつ!」
「さ、ヴィヴィよ。話してみろ」
「えっと……私たち、ここで食べられる訳にはいかないの。だからもし見逃してくれないというのなら、全力で抵抗させてもらうけど……」
「おうおうしたらいい。オレたちだって獲物をみすみす逃してやるほど食事に余裕はないんだ」
「……行け」
「おいいぃぃい! 勝手なことすんな!」
「このヴィヴィからは何かを感じる。お前には勝てそうにない」
「はははは! このちっさいのに?」
「ストレイト・ファイア!」
牽制の意を込めてレドの足許に少し強めの火球を放つ。
「うわあっ!」
「じょ……冗談じゃないけど?」
「……やはり、か。矛を納めよう。レド」
「あ~! もういい!」
鎧のコビトの説得もありレドは武器をしまった。
改めてコビトたちと話し合うことにした。
「それで、この子はいつ目覚めるの?」
「あ? もうすぐに目覚めるよ」
「……このマロには睡眠作用のある塗り薬を塗布してある。たまたま自生していたから利用したんだ」
「え? これ自然なやつだったんだ」
「これ食うのもありだったけどやっぱ肉が喰いてぇからな」
「……私は反対したんだがな」
「こいつは肉を食いたがらねぇからな」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はヴィヴィのニャコ。こっちはヴァイン・ヴァインのリボン」
「オレはポルル族のレド。こっちは同じくポルル族のセイ」
「ポルル族?」
「森の民だ。狩猟をして暮らしている」
「ん? でもさっき、ヒトと関わりあるみたいなこと言ってなかった?」
「……以前な」
「オレたちゃ冒険者に雇われてたんだが、そいつらは途中でくたばっちまってな……。そしたら別に契約は終わりってことでオレァいいんだがな、こいつはそうもいなかったらしい。ヒトに情が移りすぎて、ヒトに似た生物や人語を解する生物に甘くなっちまった」
「……別に」
「別にじゃねぇだろ!」
「むにゃ……」
レドのツッコミの声のせいか、リボンが目を擦りながら身を起こした。
「……ん? だれ?」
「あぁ、その野菜、罠だったの。この子たちの」
「罠ぁ!?」
「……セイだ。すまない」
「謝るこたねえよ。ガレフじゃ弱肉強食は当たり前だぜ? 不用心なその子が反省すべきだな」
「そ、それは……そうかも」
「オレはレド。これからは気ぃつけな」
「ごめんなさい……あ、アタシ、リボン。……よろしく?」
「よろしくするつもりもねぇよ。お前さんの相棒に脅されて強制停戦だっつの」
「えっ! そうなの?」
「戦う必要ないもの。お互いに消耗しなくて済むならそれがいいでしょ?」
「そうだな」
「うーん、でもさぁ、レドさんとセイさんって、なんでここにいるの?」
「え?」
「前は雇われてたんでしょ? だったら同じように暮らしてたら余裕もできるんじゃない?」
「……はぁぁ」
リボンの話を聞いたレドは露骨に肩を落とす。
「それができたらいいけどなぁ。帰れねぇんだよ」
「え、そうなの?」
「……出口がわからん上に、敵も多い」
「それにちょっと休むと中の構造が変わるんだ」
「ん? ちょっと待って。それ、ほんと?」
「そうだが……」
ガレフの構造は中に冒険者がいる場合は変わることは無いらしい。それにそれだけいて出口に行けていないのも違和感がある。
「ねぇ、多分あなたたち、今日帰れるわよ」
「ほ、ほんとか!?」
「うん。ガレフね、冒険者が来た時しか迷宮の出口が出ないみたいなの。洞窟に入った時に入口が封じられるのと同時に出口ができるだって」
「通りで出られないわけだ……」
「そんじゃあよ! 今は出口が出来てるってことだよな!」
「あ、でもあなたたちだけでは出られないよ」
「はァ?」
「原生生物たちは外に出られないの。あなたたちももうここの住人だから、外には出られない」
「じゃあだめじゃねぇか!」
「ううん。冒険者が連れ帰る場合は外に出られるの」
「……ということは、私たちは君たちと同行すれば外に出られるんだな」
「そういうこと!」
「マジか……ついにこのクソッタレた生活から抜け出せるってのか!?」
「よかったねレドさん!」
「あの酒場のよぉ……骨のついた肉が喰いてぇんだよぉ……!!」
「うんうん! 食べられるよ!」
「こおおおしちゃいられねぇ! 行くぜい野郎ども!!」
「野郎じゃないんですケド」
「うっせぇ! 行くぜぇ!」
途端にテンションの上がったレドがいてもたってもいられない様子で進み始めた。
「ちょっと、あんまり急がないでよ」
「これがじっとしてられっかぁ!」
言葉遣いと反面、無邪気なこどものような笑顔で走るレドは止められそうになかった。
「……すまんな」
「あ、あぁ、いえ……」
こうして私たちは出口を目指して同行することになった。
「……人語を解するのなら、それもいいだろう」
鎧のコビトは話を聞いてくれる様子で、こちらに向けていた剣を下に降ろした。
「お、おいおい! なぁんでそんな素直に言うこと聞いちゃうかなぁ!?」
「レド。相手の意見を聞くことでしか見えないこともある」
「ふんっ! 相変わらずバカ真面目なやつ!」
「さ、ヴィヴィよ。話してみろ」
「えっと……私たち、ここで食べられる訳にはいかないの。だからもし見逃してくれないというのなら、全力で抵抗させてもらうけど……」
「おうおうしたらいい。オレたちだって獲物をみすみす逃してやるほど食事に余裕はないんだ」
「……行け」
「おいいぃぃい! 勝手なことすんな!」
「このヴィヴィからは何かを感じる。お前には勝てそうにない」
「はははは! このちっさいのに?」
「ストレイト・ファイア!」
牽制の意を込めてレドの足許に少し強めの火球を放つ。
「うわあっ!」
「じょ……冗談じゃないけど?」
「……やはり、か。矛を納めよう。レド」
「あ~! もういい!」
鎧のコビトの説得もありレドは武器をしまった。
改めてコビトたちと話し合うことにした。
「それで、この子はいつ目覚めるの?」
「あ? もうすぐに目覚めるよ」
「……このマロには睡眠作用のある塗り薬を塗布してある。たまたま自生していたから利用したんだ」
「え? これ自然なやつだったんだ」
「これ食うのもありだったけどやっぱ肉が喰いてぇからな」
「……私は反対したんだがな」
「こいつは肉を食いたがらねぇからな」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はヴィヴィのニャコ。こっちはヴァイン・ヴァインのリボン」
「オレはポルル族のレド。こっちは同じくポルル族のセイ」
「ポルル族?」
「森の民だ。狩猟をして暮らしている」
「ん? でもさっき、ヒトと関わりあるみたいなこと言ってなかった?」
「……以前な」
「オレたちゃ冒険者に雇われてたんだが、そいつらは途中でくたばっちまってな……。そしたら別に契約は終わりってことでオレァいいんだがな、こいつはそうもいなかったらしい。ヒトに情が移りすぎて、ヒトに似た生物や人語を解する生物に甘くなっちまった」
「……別に」
「別にじゃねぇだろ!」
「むにゃ……」
レドのツッコミの声のせいか、リボンが目を擦りながら身を起こした。
「……ん? だれ?」
「あぁ、その野菜、罠だったの。この子たちの」
「罠ぁ!?」
「……セイだ。すまない」
「謝るこたねえよ。ガレフじゃ弱肉強食は当たり前だぜ? 不用心なその子が反省すべきだな」
「そ、それは……そうかも」
「オレはレド。これからは気ぃつけな」
「ごめんなさい……あ、アタシ、リボン。……よろしく?」
「よろしくするつもりもねぇよ。お前さんの相棒に脅されて強制停戦だっつの」
「えっ! そうなの?」
「戦う必要ないもの。お互いに消耗しなくて済むならそれがいいでしょ?」
「そうだな」
「うーん、でもさぁ、レドさんとセイさんって、なんでここにいるの?」
「え?」
「前は雇われてたんでしょ? だったら同じように暮らしてたら余裕もできるんじゃない?」
「……はぁぁ」
リボンの話を聞いたレドは露骨に肩を落とす。
「それができたらいいけどなぁ。帰れねぇんだよ」
「え、そうなの?」
「……出口がわからん上に、敵も多い」
「それにちょっと休むと中の構造が変わるんだ」
「ん? ちょっと待って。それ、ほんと?」
「そうだが……」
ガレフの構造は中に冒険者がいる場合は変わることは無いらしい。それにそれだけいて出口に行けていないのも違和感がある。
「ねぇ、多分あなたたち、今日帰れるわよ」
「ほ、ほんとか!?」
「うん。ガレフね、冒険者が来た時しか迷宮の出口が出ないみたいなの。洞窟に入った時に入口が封じられるのと同時に出口ができるだって」
「通りで出られないわけだ……」
「そんじゃあよ! 今は出口が出来てるってことだよな!」
「あ、でもあなたたちだけでは出られないよ」
「はァ?」
「原生生物たちは外に出られないの。あなたたちももうここの住人だから、外には出られない」
「じゃあだめじゃねぇか!」
「ううん。冒険者が連れ帰る場合は外に出られるの」
「……ということは、私たちは君たちと同行すれば外に出られるんだな」
「そういうこと!」
「マジか……ついにこのクソッタレた生活から抜け出せるってのか!?」
「よかったねレドさん!」
「あの酒場のよぉ……骨のついた肉が喰いてぇんだよぉ……!!」
「うんうん! 食べられるよ!」
「こおおおしちゃいられねぇ! 行くぜい野郎ども!!」
「野郎じゃないんですケド」
「うっせぇ! 行くぜぇ!」
途端にテンションの上がったレドがいてもたってもいられない様子で進み始めた。
「ちょっと、あんまり急がないでよ」
「これがじっとしてられっかぁ!」
言葉遣いと反面、無邪気なこどものような笑顔で走るレドは止められそうになかった。
「……すまんな」
「あ、あぁ、いえ……」
こうして私たちは出口を目指して同行することになった。
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