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6.安堵できない展開
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「そういえば、山科の令嬢にも会いたいって言ってたね」
八乙女の言葉を聞いてどきりとする。
「それ、僕が言ってたんですか?」
「そう。呼び出した理由はそれなのかと思ったけど」
確かに、あのとき彼女のことを知ろうとして会話を振ったものの、無下にもあしらわれたのだった。
「晶なら毎晩Bに来るはずだ」
「……あそこですか?」
「なんだその顔。あんなに楽しそうだったのに」
にやけた顔で言う西園寺の言葉を聞いて再び思い出す。
「……覚えていませんから」
というより思い出したくない。それに、正確に言うとどこまでしたのかを覚えていないだけだ。
久世に対して欲情して、それを晴らすべく攻め始めたところまでは思い出したが、だからといって反応を見せる必要はないだろう。
「つーか、なんで晶に会う必要があるんだ」
「それは……普通気になることだと思います」
「本妻になるからか? だとしても雅紀に関係ないだろ」
「そうだよ。本妻と妾はむしろ近づかないほうがいい。近寄ると事を荒立てかねないなんて言われるくらいだからね」
口を挟んできた八乙女の言葉にぐさりとくる。
同性愛者同士の結婚なのだから、名ばかりで済むはずだとは言え、自分の立場としてはそういうことになる。
妾、つまり愛人になるということは、どちらにせよ関係だけでなく生活も変わってしまうのだろう。
今のように会うことができなくなるのは当然だとして、どう変化するのだろうか。
仕事のあと一人で食事をとり、帰らない彼を想いながら一人で寝て、週に一度夜来てくれることを指折り数えているとか?
想像してみると、なにやらぞっとしない話だ。
「政略結婚なんて、普通は立場だけだからほとんどが愛人のほうを寵愛することになるが、あの二人は珍しいことに互いを気に入ったようだな」
西園寺の言葉を聞いて、おぼろげながらもふと思い出す。
いつもなら久世が一人でぼそぼそとやりだす話を、誰かと会話していたような気がする。
西園寺や八乙女ではないし、マモルという男でもなさそうだったから、もしやその相手は晶だったのだろうか。
「確かに楽しく会話してたね。でも彼女って、レズビアンじゃないの?」
「……いや、晶はバイだ」
あやうくコーヒーを吹き出すところだった。
その違いは大きいどころじゃない。なぜあのときは同性愛者同士だなんて言い切ったんだ?
というか、今改めて考えてみると、同性愛者同士だからといっても名ばかりで済むはずがない。後継ぎをつくらなきゃいけないわけだから、操を立てることは不可能だ。
「そうなの? あのとき参加してこなかったじゃないか」
「女の守備範囲は広いくせに男の趣味はうるさいんだ」
「へえ。それなのに悠輔とはやってるんでしょ? 相性がいいんだ?」
「……悪くはない」
久世の婚約者と西園寺は、すでに身体の関係を持っているというのか?
なんだこいつら。倫理観が壊れているどころか、そもそもないんじゃないか。
「ぼくは透と親しくないからわからないけど、あんなふうに喋ってるのは珍しいことなの?」
「ああ。おそらく初対面だなんて嘘だな。俺の知らないところで会っていたに違いない」
まさか、そんな暇なんかない。彼は毎日仕事場から直帰しているのだから。
そう口を挟もうとしたとき、玄関のドアが開くがちゃりという音がした。
立ち上がりながら時計を見ると午後2時である。
仕事のはずなのに、と思いつつ彼以外に考えられず、急いで玄関のほうへ向かう。
「あ、ただいま」
迎えに出ると、まさしく久世で、靴を脱いでいるところだった。
「連絡せずに悪かった。ここに置きっぱなしだったから取りに来たんだ……誰かいる?」
しかし一人ではなく、信じられないことに晶を連れてきているのである。驚きのあまり呆然としてしまう。
「透か?」
西園寺が現れて、彼の眉間に皺が寄る。
「……悠輔?」
「おまえらやっぱり初対面じゃないな」
「いや、昨日初めて会った」
答えながら、久世は西園寺の横をすり抜けてリビングへと向かっていく。
晶のほうはといえば靴も脱がずに立ったままだ。
しかもなにやらじっと探るような目をこちらに向けている。
「……よろしければ、どうぞ」
歓迎したくないが、マナーとして声をかけた。
「いい。透を待っているだけだ」
「待っているって、このあとどこかへ行くんですか?」
聞くと、おまえに関係あるのかとでも言うような不敵な笑みを向けられた。
「晶! あった。これだ」
うきうきとした久世の声がして、振り返ると嬉しげな笑みを浮かべながらこちらへと駆け寄ってきていた。
その手にはDVDケースを持っている。
「嘘みたい。よく手に入れたね」
「おそらく俺が最後だな」
「それ、喉から手が出るほど欲しいんだけど」
「……だめだ」
二人で盛り上がりながら、久世は靴を履いて今にも玄関から出ていこうとした。
「……今日って仕事の日だろ?」
説明はないのかよとの思いで、久世を呼び止める。
「今日は……西園寺議員のところに晶が来て、その……」
「来て、なんだよ? 仕事どころか──」
──まるでデートじゃないか。
そう言いかけたとき、晶が口を挟んできた。
「私とのデートのためだ」
そして久世の服の袖をつかみ、引っ張って促しながらドアを開け、彼とともに出ていった。
は? おい、待てよ。
久世は説明するどころか、挨拶すらもなく去っていった。
恋人のもとから、婚約者とともにだ。
信じられない。
「以前からの知り合いなのは間違いないな。透が二日で相手の名を気安く呼ぶか?」
呼ばない。
まだ出会って一年にも満たない仲だけど、久世が親しげに名を呼んでいる例は三人しか知らない。自分と、その無情にもぐさりとくる指摘をした西園寺と、共通の友人である俊介だけだ。
「そもそもあいつは二人を同時に相手できる男じゃない。雅紀はどちらにせよお役御免になるな」
西園寺の手が肩に乗り、触るなよとの思いで力の限り振り払った。
なにが愛人でいい、だ。
同性愛者同士だからって、いいはずがない。
心はこちらにだけあると言っても、自分以外の誰かを彼が抱くなんて想像するだけで気が狂いそうだ。
それに西園寺の言うとおり、久世は潔癖なところがあるから、二人を同時に愛するなんてできないと思う。
だから、本当に彼が結婚することになったら、別れなければならなくなる。
どれほど互いに離れがたくても、いつかはそうせざるを得なくなるだろう。
八乙女の言葉を聞いてどきりとする。
「それ、僕が言ってたんですか?」
「そう。呼び出した理由はそれなのかと思ったけど」
確かに、あのとき彼女のことを知ろうとして会話を振ったものの、無下にもあしらわれたのだった。
「晶なら毎晩Bに来るはずだ」
「……あそこですか?」
「なんだその顔。あんなに楽しそうだったのに」
にやけた顔で言う西園寺の言葉を聞いて再び思い出す。
「……覚えていませんから」
というより思い出したくない。それに、正確に言うとどこまでしたのかを覚えていないだけだ。
久世に対して欲情して、それを晴らすべく攻め始めたところまでは思い出したが、だからといって反応を見せる必要はないだろう。
「つーか、なんで晶に会う必要があるんだ」
「それは……普通気になることだと思います」
「本妻になるからか? だとしても雅紀に関係ないだろ」
「そうだよ。本妻と妾はむしろ近づかないほうがいい。近寄ると事を荒立てかねないなんて言われるくらいだからね」
口を挟んできた八乙女の言葉にぐさりとくる。
同性愛者同士の結婚なのだから、名ばかりで済むはずだとは言え、自分の立場としてはそういうことになる。
妾、つまり愛人になるということは、どちらにせよ関係だけでなく生活も変わってしまうのだろう。
今のように会うことができなくなるのは当然だとして、どう変化するのだろうか。
仕事のあと一人で食事をとり、帰らない彼を想いながら一人で寝て、週に一度夜来てくれることを指折り数えているとか?
想像してみると、なにやらぞっとしない話だ。
「政略結婚なんて、普通は立場だけだからほとんどが愛人のほうを寵愛することになるが、あの二人は珍しいことに互いを気に入ったようだな」
西園寺の言葉を聞いて、おぼろげながらもふと思い出す。
いつもなら久世が一人でぼそぼそとやりだす話を、誰かと会話していたような気がする。
西園寺や八乙女ではないし、マモルという男でもなさそうだったから、もしやその相手は晶だったのだろうか。
「確かに楽しく会話してたね。でも彼女って、レズビアンじゃないの?」
「……いや、晶はバイだ」
あやうくコーヒーを吹き出すところだった。
その違いは大きいどころじゃない。なぜあのときは同性愛者同士だなんて言い切ったんだ?
というか、今改めて考えてみると、同性愛者同士だからといっても名ばかりで済むはずがない。後継ぎをつくらなきゃいけないわけだから、操を立てることは不可能だ。
「そうなの? あのとき参加してこなかったじゃないか」
「女の守備範囲は広いくせに男の趣味はうるさいんだ」
「へえ。それなのに悠輔とはやってるんでしょ? 相性がいいんだ?」
「……悪くはない」
久世の婚約者と西園寺は、すでに身体の関係を持っているというのか?
なんだこいつら。倫理観が壊れているどころか、そもそもないんじゃないか。
「ぼくは透と親しくないからわからないけど、あんなふうに喋ってるのは珍しいことなの?」
「ああ。おそらく初対面だなんて嘘だな。俺の知らないところで会っていたに違いない」
まさか、そんな暇なんかない。彼は毎日仕事場から直帰しているのだから。
そう口を挟もうとしたとき、玄関のドアが開くがちゃりという音がした。
立ち上がりながら時計を見ると午後2時である。
仕事のはずなのに、と思いつつ彼以外に考えられず、急いで玄関のほうへ向かう。
「あ、ただいま」
迎えに出ると、まさしく久世で、靴を脱いでいるところだった。
「連絡せずに悪かった。ここに置きっぱなしだったから取りに来たんだ……誰かいる?」
しかし一人ではなく、信じられないことに晶を連れてきているのである。驚きのあまり呆然としてしまう。
「透か?」
西園寺が現れて、彼の眉間に皺が寄る。
「……悠輔?」
「おまえらやっぱり初対面じゃないな」
「いや、昨日初めて会った」
答えながら、久世は西園寺の横をすり抜けてリビングへと向かっていく。
晶のほうはといえば靴も脱がずに立ったままだ。
しかもなにやらじっと探るような目をこちらに向けている。
「……よろしければ、どうぞ」
歓迎したくないが、マナーとして声をかけた。
「いい。透を待っているだけだ」
「待っているって、このあとどこかへ行くんですか?」
聞くと、おまえに関係あるのかとでも言うような不敵な笑みを向けられた。
「晶! あった。これだ」
うきうきとした久世の声がして、振り返ると嬉しげな笑みを浮かべながらこちらへと駆け寄ってきていた。
その手にはDVDケースを持っている。
「嘘みたい。よく手に入れたね」
「おそらく俺が最後だな」
「それ、喉から手が出るほど欲しいんだけど」
「……だめだ」
二人で盛り上がりながら、久世は靴を履いて今にも玄関から出ていこうとした。
「……今日って仕事の日だろ?」
説明はないのかよとの思いで、久世を呼び止める。
「今日は……西園寺議員のところに晶が来て、その……」
「来て、なんだよ? 仕事どころか──」
──まるでデートじゃないか。
そう言いかけたとき、晶が口を挟んできた。
「私とのデートのためだ」
そして久世の服の袖をつかみ、引っ張って促しながらドアを開け、彼とともに出ていった。
は? おい、待てよ。
久世は説明するどころか、挨拶すらもなく去っていった。
恋人のもとから、婚約者とともにだ。
信じられない。
「以前からの知り合いなのは間違いないな。透が二日で相手の名を気安く呼ぶか?」
呼ばない。
まだ出会って一年にも満たない仲だけど、久世が親しげに名を呼んでいる例は三人しか知らない。自分と、その無情にもぐさりとくる指摘をした西園寺と、共通の友人である俊介だけだ。
「そもそもあいつは二人を同時に相手できる男じゃない。雅紀はどちらにせよお役御免になるな」
西園寺の手が肩に乗り、触るなよとの思いで力の限り振り払った。
なにが愛人でいい、だ。
同性愛者同士だからって、いいはずがない。
心はこちらにだけあると言っても、自分以外の誰かを彼が抱くなんて想像するだけで気が狂いそうだ。
それに西園寺の言うとおり、久世は潔癖なところがあるから、二人を同時に愛するなんてできないと思う。
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