六道プリンセス!~世界一民度の低い町で、人類を守るために闘う魔法少女たち~

XX

文字の大きさ
15 / 105
第2章 畜生の化身! ビーストプリンセス!

第15話 ふたりは六道プリンセス

しおりを挟む
 クラスメイトの国生さんが六道シックスプリンセスに変身した。
 そして私の見ている前で、瞬く間に最後の汚礼妖魔獣を浄化してしまった。
 その一部始終を見守って思ったのは。

 正直、すごいなと。

 私みたいに、格闘技の技術に裏打ちされた強さじゃ無いけど。

 自分に搭載された特殊技能プリンセススキルを駆使して戦っている感じ。
 まさに……獣のプリンセス。

「やった! 私にも浄化が出来た!」

 汚礼を爆散させた後、飛び上がって喜んでいる。
 そして

「閻魔さん……いや、ヘルプリンセス! 私もこれからは一緒に戦うから!」

 私に近づいてきて、そう一言。

 その後、彼女は真顔になった。
 さっきまで、勝利のハイテンションで満面の笑みだったのに。

 で、それが何でなのか、すぐ分かった。

「……ごめんなさい。何言ってるんだろ、私……今まで閻魔さんに恩を仇で返すような真似をして、今日また、さらにもっと酷いことを……」

 俯いて、そう言った。

 ……今まで私を無視することに加担したり、今日、私のバナナを床に落としたことを恥じてるんだね。

 いやもう、別にそれは良いんだ。
 そんなことはどうでもいい。

 国生さんは、自分の罪を忘れない。

 仕方なかったんだ、って言い訳しない。
 それだけで充分素晴らしいと思う。

 だから

「助けてくれてありがとう。助かった。汚礼の妖魔獣を他責マックス状態に追い込むの、私じゃ無理だったから」

 国生さんの謝罪を、完全に無視した。
 無視して、今日受けた恩に対するお礼だけ言った。

 ……私はそんなに口が上手い方じゃ無いから、本気で私に謝ってくれた国生さんに対する上手い返しが思いつかない。
 だから無難な、今日受けた恩に対するお礼だけ口にする。

 ……駄目かな?

 すると……

 国生さんがポロポロ泣き始めた。
 わわわっ!

 私は慌てる。
 これは失敗だったのか!?

 そこに

「……馬鹿な。あれほどの完成度の妖魔獣3体を倒してしまうなんて……?」

 妖魔神の勢力のひとり。
 確か三人衆の……アビ。

「妖魔獣は、素体の心が醜ければ醜いほど強くなる……それを、お前たちは……!」

「これからは私たちがアンタたちの企みを阻止してあげるから!」

「そ、そうだよッ!」

 私と国生さん。
 2人の六道シックスプリンセスとしての宣戦布告。

 どうだ!

 すると

「……なるほど……覚えておくよ。次を楽しみにしていろ……六道シックスプリンセスとやら!」

 そう言い残し。
 現れたときと同様に、空間の歪みを作り出して消えてしまった。

 ……戦いが終わった。

 私たちの戦装束であるプリンセスフォームは、光と共に解除。
 元のセーラー服JCに戻った。

 同時に。

 荒れまくっていた教室は、元のように全部直り。
 陥没していた床も、乱れ飛んだ机も、元通りになった。

 そして……

「う……」

 3人の札付きの不良……五味山、九相、汚礼たちも、爆散してミンチになった妖魔獣の死体が消滅した瞬間。
 変異を起こす前の肉体のままで、そのまま復活した。

 そして頭を振りながら起き上がった。
 そんな彼らに

「……今の心境は?」

 私は問う。
 すると……

「お、俺たちは……何て馬鹿だったんだろうか!」

「俺もだ……親に注目して貰えないから、札付きの不良になって強制的に注目して貰おうなんて……どう考えてもイカれてるだろ……!」

「他の親に愛されている奴らが憎いなんて……! クズとしか言いようがない! だから俺は誰にも大事にされないんだ……!」

 全員、ガックリと床に手を突き、声を殺して泣き始めた。
 自分が幼稚で、度胸が無く、怠惰で卑怯で醜いどうしようもない存在だと自覚したらしい。

 ……これで彼らは、明日から真人間に向かうはずだよね。
 きっと、これで良いと思う。

 この街をかつて更生させたって言う、閻魔家のご先祖様も喜んでくれるよ!



 そして。

 停学中の身でありながら、学校に登校したばかりか、ナイフまで持ち込んで来た汚礼は、反省が足りないということで停学3年が6年になった。
 他の2人は問題行動が発覚しなかったため、お咎めはなかったんだけど……

 2人とも、次の日頭髪を全て剃り落とし、スキンヘッドで登校して来た。

「皆さん申し訳ございませんでした」

「これからの俺たちを見て貰うためのケジメです」

 変形の制服では無く、普通の学ラン。
 どこも校則に違反していない、真面目な格好。

 ……ちょっと異様に映るけど、前の状態よりは良いはずだよね。
 教室も、昔みたいに息の詰まる空間じゃなくなった気がする。

 そうして、これからの明日に希望を持ったところで。

 バキに

「……僕が受け持つべき2人の六道シックスプリンセスが揃ったから、説明しなきゃいけないことがある」

 昼休みに、国生さんと2人、お昼を食べているときに言われたんだ。

「放課後、屋上に集合だ。いいね?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー
ファンタジー
 ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。  これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。 設定 この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。 その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。

【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました

東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。 王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。 だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。 行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。 冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。 無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――! 王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。 これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

再会した幼馴染は××オタクになっていました。

星空永遠
恋愛
小さい頃から幼なじみの黒炎(こくえん)くんのことが好きな朱里(あかり)。そんな彼は引っ越してしまい、気持ちは伝えられず。しかし、高校で再会することができ、それを喜ぶ朱里だったが、彼は以前とは変わっていて……。 だけど、黒炎くんのお家にお泊りしたり、遊園地では朱里にとっては驚くハプニングが!?二人の距離はどんどん近づいて……。イケメンの幼なじみにドキドキが止まらない!じれったい二人の恋の行方は……? この恋は本気なんです……! 表紙絵=友人作。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

処理中です...